ベートーヴェンな憂鬱症 (講談社文庫 も 17-5)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061850354

感想・レビュー・書評

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  • ベートーヴェンと弟子のツェルニーが色々な事件に巻き込まれ、なんとか解決するという話。
    実家にあったとても古い本。
    面白かった。

  • 乱歩省受賞の「モーツアルトは子守唄を歌わない」の続編。表紙の絵がね、魔夜峰央なのよ。昭和最後に出てる本だしね。あいかわらずのベートーヴェンとツェルニー。表記はチェルニーだけど。
    「ピアニストを台所に入れるな」
    若きベートーヴェン。伯爵令嬢のジュリエッタにピアノを教えている。ムーンライトソナタを捧げたジュリエッタね。ある音楽家が家にやってきて、「やめろ、ベートーヴェン」などと叫びつつ自殺する。あいかわらずのツェルニーとのやりとりが良い。
    「マリアの涙は何故、苦い」
    ジュリエッタは婚約中。とある教会のマリア像。どうやら禁制の毒薬販売をしているらしい。毎日少しずつ飲ませれば、だんだん衰弱して死にいたる系。
    「にぎわいの季節へ」
    30代~40台のベートーヴェン。もうツェルニーも子供ではなく、生活のためあいかわらずピアノを教えたり、教則本書いたり。出てこないのよ、ツェルニー。残念。ジュリエッタには子供がいる。ウィーン会議のあたりの時代。
    「わが子に愛の歌を」
    50代のベートーヴェン。もう聴覚は失われているが、世間的名声は高く、箔をつけるため演奏会にも招待される。聞こえないんだけど。ツェルニーからまだ子供なリストを紹介される。ツェルニーに代わってリストと漫談。ジュリエッタの子供二人のうちどちらかがベートーヴェンの落とし種?から始まる。子供一人だったはずでは?

    あとがきで、史実との違いを細かく指摘されると作者ぷんぷん。これは小説なのだから、多少変えてるの。やる気なかったんだけど、魔夜峰央のおかげで乗り切ったらしい。
    ちなみに今では自主出版しかしないらしい。

  • 「楽聖」ベートーヴェンが巻き込まれた事件を
    弟子のチェルニーと共にドタバタとやり過ごす(解決とは言いにくいw)

    ベートーヴェンというと、あの肖像画のイメージですが
    この小説内の彼は実にアクティブ(笑)
    恋したり、喧嘩したり、人間くさくて楽しいです

  • 楽聖大活躍。もっともっと活躍してほしい。
    続編はないのだろうか。

  • 「モーツァルトは子守唄を歌わない」が大好きなので。

    この人の書くベートーヴェン先生は、意外だけど全然意外じゃない。
    音楽室で見た肖像画通りの性格だけど、あの口から「俺は~」とか「~だぜ」とか出てくると考えると感動。
    周囲の人物も彼に負けず劣らず皮肉屋だから、やり取りがすごく楽しい。

    そして追記での作者さんのからーいお言葉もすごかった(笑)

  • 恥ずかしい話、この本の主人公である「楽聖」は、きっとこういうノリの人だったんだなぁ、としか思えないくらい。こういった「やるせなさ」「諦念」そして「楽しさ」が融合した作品は好みが分かれるかもしれませんが、俺的には良い感じ。文体も読みやすい。また、短編小説としても質が良いと思います。

  • 音楽家シリーズ第3弾。

  • ベートーヴェン先生とその仲間たちの、ギャグでアイロニカルでハードボイルドな短編・中編集。好みは分かれそうですが、好きな人は大ハマリする類のものです。乱歩賞を受賞した「モーツァルトは子守唄を歌わない」とあわせて。

  • 「モーツァルト〜」の番外編。

  • 「楽聖」ベートーヴェンが、ウィーンの町に渦巻く陰謀を弟子のチェルニーと掛け合い漫才しながら解く。
    意外かもしれませんが、この人の行動は確実にハードボイルドなのです。

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