検屍官 (講談社文庫)

  • 講談社
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感想 : 188
  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061850699

作品紹介・あらすじ

襲われた女性たちは皆、残虐な姿で辱められ、締め殺されていた。バージニアの州都リッチモンドに荒れ狂った連続殺人に、全市が震え上がっていた。犯人検挙どころか、警察は振回されっ放しなのだ。最新の技術を駆使して捜査に加わっている美人検屍官ケイにも魔の手が-。MWA処女作大賞受賞の傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 女性達が殺されていく連続殺人事件。検屍官のケイ・スカーペッタは手がかりを得るべく彼女達を解剖していく。特殊なレーザーを当てるとキラキラ光る物質が被害女性達に付着しているところまではわかるがその物質が何か、どこで手に入るかまではわからずノロノロと捜査は難航。そんな中でまた新たなる被害者が。

    秘匿してるはずの情報が記者に漏れ、スケープゴートとしてその責任を取らされそうになるスカーペッタ。政治的な思惑も絡まり焦燥感にかられる...。少しずつ場が動いてからの大博打、そしてクライマックス、なかなかじっくりと楽しめました。

    殺害の描写は過激なので想像力が豊かすぎる人にはきついかもしれない。

  • 遅ればせながらやっと読んだパトリシア・コーンウェル。
    いわゆる女性が主人公のハードミステリーの女王の位なんだろうね。
    シリーズ第何弾目か、年の暮れに「神の手」が出たよね。

    いや、私はドロシー・L・セイヤーズのピーター卿シリーズの5編から登場するハリエット・ヴェインが著者の輪郭とあいまって元祖だと思っていたのだが…。(私はこのシリーズが好きでいとしいのだ 笑)

    知的で勇敢な女性が男社会といわれる場で活躍する、物語では当たり前の姿も実世界では大変なエネルギーを要するのだと理解させるストーリー展開は得難い。

    自立した女とことさらに言われない世の中に、いつなるのだろうかと暗澹たる思い駕するのは私だけではないと思う。

    人間として働き、社会を担い、かつ子供を生み育て、料理、洗濯、掃除、家の管理をしてなお、男と伍してはならないと誰が決めたのか!!

    けして被害妄想ではない、経験的見聞的実感である。
    と、まなじりを決するのはここまで(おさえて、おさえて、近日いろいろあったので 苦笑)


    前置きが長くなったが、やはり面白い、サスペンスがある。夢中で読んだ。

    周りのキャラクターもくっきりしていて、向後どんな展開か思いを馳せ、わくわくさせる要素が大である。主人公が離婚暦のある40歳で美人というのも憎い。

    バージニア州都リッチモンドの情景が興趣をそそる。何気ない描写がいい。

    ここに描かれている事件そのもはアメリカ社会といわず現代の日本でも絶えることなく、ひいては世界的に人類の続く限り存在する悪で、根絶が不可能なのだろうと暗澹とすることにもなる。深く考えたら怖いことだ。

    言わずもがなだけれど、桐野夏生の「ミロシリーズ」を思い浮かべ、まったく切り口がちがうのだけれど後発ということで影響されたのだなと思う。

    このぶんではシリーズにはまりそうである。

  • 読書録「検屍官」3

    著者 P.コーンウェル
    訳 相原真理子
    出版 講談社文庫

    p66より引用
    “シカゴの検屍局長補佐をつとめる皮肉屋の
    友達はよく言う。
    「どうだっていいじゃないか。人間は死ぬ。
    だれでもみんな死ぬんだ。死ぬとき健康だっ
    たからって、それが何になる?」”

     女性検屍官を主人公とした、長編ミステリ
    小説。
     真夜中にかかってきた電話に出る主人公・
    ケイ・スカーペッタ。受話器から聞こえる声
    から大体の内容を把握し、彼女は自らの勤め
    を果たすために出かける…。

     上記の引用は、法医学者の宴会での暴飲暴
    食などについての一節。
    体に悪い事がわかっていて、それについて一
    般の人々より良く分かっているような職に就
    いていても、食べずにはいられないこともあ
    るのかもしれません。
     遺体検分の描写が細かいのが、主人公の職
    が検屍官であることに説得力を持たせている
    ように思われます。
    コンピュータ周りの様子の書かれ方等に、時
    代の流れを感じざるを得ません。フロッピー
    ディスク全盛期のようです。

    ーーーーー

  • 一時期ハマってよく読んでいたパトリシア・コーンウェル。
    懐かしいな。

  • ヴァージニア州検屍局長、ケイ・スカイペッターの魅力でみせる読み物か。最初の方は情景描写がじゃまな感じでそこは飛ばし読みしてしまった。後半になり会話と捜査の描写が多くなり、光る物質はなにか、え?検屍局から情報もれ?などおもしろくなった。

    若い女性を狙った連続殺人。殺され方は残忍で読むのがつらい。あいつもこいつも怪しいか?と筋立てはよくできている。が、犯人がストンと現れ、あっけない幕切れ。捜査の過程を楽しむ小説なのだろう。犯人がそういう犯罪をするに至った背景というのが全く描かれてないので、そこが物足りない。

    データベースに侵入とかあるが、1990年発表なので、パソコン通信の時代での侵入なんだなあ。

    途中ケイの言葉に「アガサ・クリスティそっくりの筋書きね」というのがある。これは部長刑事マリーノの「最初から女房を殺すのが狙いで、他の三人を先にやったのは、女房がそれと同じ犯人に殺されたとみせかけるためだったのかもしれない」という言葉に対してのもの。ABC殺人事件をさすのかな。ケイはそうじゃないと思ってて、クリスティの小説と現実は違うのよ、というニュアンスが感じられる。

    コーンウェルは「捜査官ガラーノ」に続き2冊目。第1作目を読んで、これで打ち止めかも。

    1992.1.15第1刷 1992.10.5第11刷 図書館

  • かなり長く続いているシリーズだという事で、とりあえず第1巻を手にとって見ました。

    女性がキャリアを積んで働くって事は本当に大変なのね。
    女性に限った事ではないけれど。

    連続殺人犯はてっきりケイの周りの人だと思ったのだけれど、え、誰?といったような人で少しガッカリ。
    姪のルーシーがキュートで好きだなぁ。

    続きも読んで見ます。

  • 1992年発売当時、夢中になって読んだ検屍官シリーズが読みたくなり、再読。

    レーザーを照射して被害者の体に残された指紋や残留物を検出する科学捜査や検屍、プロファイリングを元に犯人に迫っていく過程が斬新だと感じていた初読時はパソコンにモデムを接続していた時代なので、いろいろ古さが気になったが、
    詳細をすっかり忘れてしまっていたので、主人公ケイ・スカーペッタの周りの人物が犯人ではないかとしっかり誘導され、最後の意外な真犯人にも驚かされ、被害者や遺留品に残されたキラキラ光る粉の謎、データベースへの不正アクセスの謎も気になり、一気読みしてしまった。

  • 10代の頃夢中で読んだ本を再読。
    ミステリと言うよりは、人間ドラマ的に読んでたなぁ、とじわじわ思い出した。
    あと、若かった自分にはケイがカッコ良く見えたのよね。
    アラフォーで読むと親近感を覚えて、面白かった。

  • 「櫻子さんの・・・」があまりに物足りなかったので読んでみる。
    いまや大物作家ですが、これがデビュー作なんですね。それで、この面白さ!すごいです。いまだに売れている訳だ。警察担当の新聞記者、検死局でのコンピュータープログラマーの経験がなせる業でしょうか。

    インターネットもブレイク寸前、DNA鑑定の重要性の認知度上昇、携帯電話なし・・・90年という時代。世の中変わってしまいましたね。科学技術の進歩はやっぱり世の中変えてしまいます。でも、変わらないのは、相変わらず男社会の業界の存在と、組織と個人の戦いの中核になる人間の性根か。

    がんばれスカーペッタ!

  • 非常に安定感のあるミステリーだと思います。
    情景描写が緻密で、洋画や海外ドラマのようなビジュアルが
    目に浮かぶようでした。
    あと主人公ケイが政治的に追い詰められていく際の
    心情描写は巧みだった。
    テーマはエグイけど、
    描写はセンセーショナリズムに陥らず、むしろ抑え気味。
    主人公や周辺の人々のトラウマも織り込みながら、
    最後まで一気に読ませる力があると思いました。

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著者プロフィール

マイアミ生まれ。警察記者、検屍局のコンピューター・アナリストを経て、1990年『検屍官』で小説デビュー。MWA・CWA最優秀処女長編賞を受賞して、一躍人気作家に。ケイ・スカーペッタが主人公の検屍官シリーズは、1990年代ミステリー界最大のベストセラー作品となった。他に、『スズメバチの巣』『サザンクロス』『女性署長ハマー』、『捜査官ガラーノ』シリーズなど。

「2015年 『標的(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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