小説十八史略(二) (講談社文庫)

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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061850897

感想・レビュー・書評

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  • 秦が中華世界を統一し、前漢の武帝の時代までを小説
    物語は秦の滅亡と楚漢戦争を中心としているが劉邦の人柄と項羽の強さがよく書かれているので楽しく読むことができた。
    あらゆる手を使って劉邦を皇帝にさせようとする張良の活躍も凄かった。
    また、前漢成立後の粛清や外戚の専横など後々の時代でも問題となる事柄がこの時代で発生していることも楽しめた要因だったと思う。

  •  漢と楚の劉邦と項羽の戦いに始まり、漢成立後の劉邦の変貌、そして呂太后による悪事の数々。それが庶民レベルには平和な国だったというので、まるで現代を見るような感じである。そして呂太后以後も、文帝の皇后、長女。そして景帝の長女などと女性が権勢を誇る女性優位の時代だったとの歴史に吃驚しながら、惹き込まれる読書となった。文帝の竇(とう)皇后は宮城谷の「花の歳月」のヒロイン猗房。太皇太后として権力を揮ったとは小説とのイメージギャップに戸惑った。武帝の時代は衛士夫皇后の弟・衛青、そして次巻に登場する甥・霍去病たちが武将として大活躍した時代!不運の名将・李広との対比が一方には気の毒ながら、可笑しい。

  • 中国通史はこの人が1番!

  • 2015/7/30百足さんから借りた。
    項羽と劉邦

  • 始皇帝の死から漢楚の争いから漢の武帝の治世が始まったところまでがこの巻の内容です。
    項羽と劉邦の戦いにかなりのページが費やされていますが、ここはやっぱり面白いですね。
    劉邦没後の呂皇后、この怖さは並外れています。
    さらっと読めてしまいますが、かなり時は流れていますので、興味を引かれた人物は後で別の本で詳しく見ていくつもりです。

  • この巻では始皇帝の晩年から、項羽と劉邦の争い、そして漢の成立、武帝の登場までが描かれています。  物語自体は楽しく読んだものの、読了した今、じゃあ書かれていたことの中で何を覚えているのか?と自問してみると、読み始める前とほとんど変わらず、秦を倒したのは漢の高祖(劉邦)で、その後パッとしない後継者が何代かいて武帝が登場・・・・というだけのもの。  ただ項羽と劉邦の戦いについては久々に文字になっているものを読んだので、かなりワクワクしたという記憶だけは鮮明です(苦笑)

    我が国の豊臣秀吉同様、どうしても「成り上がり者」の印象の強い劉邦だけど、やたらと血筋のよろしい方と比較して、どこか底知れない魅力みたいなものを感じさせると思います。  

    結構面白かったのは、漢建国後の女性たちの暗躍ぶりのお話で、皇帝の寵姫にとんでもないことをしちゃう皇后さんのお話はさすがにゾッとしちゃう(だってそのなぶり殺しぶりは人間のすることとは思えない・・・・ため息)けど、それ以外の女性たちのやっていることはもう少しソフトで(とは言っても自分に都合の悪い人は殺しちゃうわけだから決して心から感心はできないけど)、彼の国の歴史の鮮烈な部分をあらためて認識したように思います。

          

    この本の良さは何と言っても、長~い中国の歴史をさらっと読めるところ・・・・・だと思うんだけど、逆に言えばそうであることの裏返しで、その分物語の進行のスピードがちょっと速すぎるように感じられるのが難点と言えば難点なのではないでしょうか?  世界史の教科書よりは詳しいし、物語仕立てなので読みやすいけど、ある時代、ある人物に焦点を絞った物語と比較するとめまぐるしすぎるため、結果、記憶にはあまり残らないような気がします。

    そういう意味では他にも数多ある様々な著者が描く、各時代・各人物に焦点をあてた別の著書と併せて読むともっと楽しめるんだろうなと感じました。  ただ KiKi の場合は他にも読みたい本がいっぱいあるので、なかなか中国史に没頭というムードにはなり難いんですけどね。

    たまたま今ダーリンが北方謙三氏の「史記 武帝伝」を読んでいる(これまたじぃじの蔵書なんですけど)ので、どこかでその本は KiKi も読んでみたいなと感じました。

  • 秦始皇帝から前漢の武帝までの時代を描く。
    史記に馴染んできた自分としては、再確認と陳舜臣の人物造形に興味があった。

    今回は、張耳と陳余、盧綰、韓王信に注目した。


  • 亡命の日々
    巨星堕つ
    陰謀
    鴻鵠の志
    陳勝呉広
    真贋
    分裂
    郡でも県でも
    天下は混沌


    兵力問答
    戦雲暗し
    両雄出陣
    西への道
    揺れる咸陽
    吉祥の地
    鴻門へ
    咸陽燃ゆ
    天下再び乱る


    楚漢代一戦
    大軍師退場
    項羽東奔西走す
    終盤戦を迎えて
    山抜く力
    烏江に散りぬ
    黄金のとき絶頂のひと
    韓信転落す


    匈奴の擡頭
    無理をするまいぞ
    功臣滅ぶ
    大風起こりて
    皇帝病む
    後宮残酷物語
    女君専権
    たそがれ
    呂氏滅亡

    10
    再び劉氏の時代
    呉楚七国の乱
    愛憎はげし
    女の争い
    女の罠
    武帝登場の前夜
    少年皇帝の雌伏
    皇后敗退す
    奴隷から将軍へ
    新風




    秦から漢(前漢)までが書かれている。

  • 秦の始皇帝の死後から漢の武帝の時代までの中国の歴史小説。
    人間の憎悪・嫉妬により、時の人があっという間に、粛清を受けてしまうことがたくさん描かれています。

    こういう歴史小説を読んで、人間の憎悪・嫉妬の怖さがわかり、自分自身を見つめ直すきっかけとなりました。

  • 秦が滅び、四百年続く漢(前漢、後漢合わせて)が中国を統一する。劉邦の死後、4代目皇帝の武帝が満を持して匈奴に軍を送るまでを一気に読ませる。

    始皇帝の死後、秦は数十年で滅ぶのだが、その理由を挙げ連ね、漢の皇帝たちは大きな変化を嫌い守りの政治を貫く。ここで武帝が即位して、その流れを変えようと試みるわけだが、はたして思案通りにことは運ぶのだろうか。2巻目はこのあたりで終了となる。早く3巻目を読みたい、なるほど中国史は面白い。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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