水車館の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2878
レビュー : 342
  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061850996

作品紹介・あらすじ

古城を思わせる異形の建物「水車館」の主人は、過去の事故で顔面を傷つけ、常に仮面をかぶる。そして妻は幽閉同然の美少女。ここにうさんくさい客たちが集まった時点から、惨劇の幕が開く。密室から男が消失したことと、1年前の奇怪な殺人とは、どう関連するか?驚異の仕掛けをひそませた野心作。

感想・レビュー・書評

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  • これまた難解なトリックだったな~
    私が思った犯人は合っていたけど、まさかそういう形で、だったとは…
    このまま、気づかれなかったら水車館で暮らし続けるつもりだったのだろうか。家政婦を殺した時点で無理かな。

  • 最後の結末まで読み辛いとしか感じなかったが、結末にたどり着いた時、やられたと思った。
    その読み辛さが撹乱していたのか…
    十角館のようなアドベンチャー感はないけれど、全てが綺麗に収まる様は気持ちが良い!

  • なかなか物語に入り込めなくて、読了するのに大分時間がかかってしまいました。でも、中盤からグイグイと惹きつけられて面白かったです。犯人自体にはそこまで驚かなかったけれど、犯人が過去の事件から現在に至るまでの偽りにとても驚きました。まさか、そうなっていたとは…。「幻影群像」の絵にはゾッとしました。十角館の衝撃が大きかったので、今作でがっかりしないかと不安でしたが、全然そんなことなかったです。次回作も購入してあるので、読むのが楽しみです。

  • 『十角館~』で俄然綾辻氏の次の作品への渇望感を感じた私は間髪入れずに本作へ手を伸ばした。いきなり始まる車椅子に乗った仮面の男と美少女という横溝的な設定は、1作目で綾辻氏の、本格ミステリのもっともディープな部分を好む性癖を知っていたので、今回は抵抗無くすんなりを物語世界に入っていけた。

    結論を云えば、本作は水準作と云えるだろう。『十角館~』と比べると、などといった枕詞は必要なく、客観的にミステリの一作品として見た正当な評価である。なにしろ私には珍しく物語半ばで犯人とトリックが解ってしまったので、その後の展開が犯人側の視点で読めた。物語を裏側から眺めるように読めたのは本作ぐらいだった。

    しかし本書では異端の建築家中村青司を意識してか、本書の水車館は前作の十角館よりもなかなかにデザインが凝っている。十角館が案外にコテージとあまり変わらない建物だったのに対し、この水車館は城郭のような形をしており、ドラクエに出てきたようなどっかの国の城のようなデザインである。この狭い日本ではこれほど建ぺい率の低そうな個人の屋敷もないなぁと思うような非常に贅沢なつくりである。
    かてて加えて、前作が孤島と本土の距離的な断絶、つまり彼岸と此岸で語られていたのに対し、本作では過去と現在という時間の隔離があるのが特徴。そしてその2つの間では微妙に叙述表現が変わっているが、これももちろん真相に大いに関わってくる。
    さらに幻視家という特異な職業は(まあ画家の一種なのだが)、当時大学生の私の心を大いにくすぐり、その印象的なエンディングをそのまま使ってクイズを作ったくらいだった。

    しかし本書の水車館はミステリとしての出来は普通であり、また水車という屋敷に備えられた印象的なオブジェがトリックにほとんど寄与していないというのが不満。
    しかしこの不満は次作『迷路館の殺人』で一気に解消されるようになる。

  • 久しぶりに再読。事故に遭ってから仮面をつける水車館の主人。毎年のこととなった、美術商と教授と医者と僧侶を招いたとき、家政婦とその家にいた主人の友人が殺され僧侶が行方不明になるという事件が起きる。その1年後、再び3人が集まり、そこに招かれざる客、島田潔が現れる。
    おそらく10年ぶりくらいの再読で相当内容忘れていた。"探偵役"の名前が島田潔というのは面白い笑 奇面館を読んでこれを読むと、あっ仮面…ってなる。

  • ミステリとしてとても面白い。
    犯人はこいつだって途中で分かったけどその手法の最後は分からなかった。
    ミスリードも良かったし評価高し。

  • 二作目。館シリーズ。大きな水車のついたお城のようや館「水車館」。その主人は、過去の事故で顔面を傷つけ、常に仮面をかぶっている。そして妻は幽閉同然の美少女。
    で、小説の裏にこう書いてあるの。

    「ここにうさんくさい客たちが集まった時点から、惨劇の幕が開く。」

    古城と幽閉された美少女に対して「うさんくさい客たち」という絶妙な表現がたまりませんね。笑

    前作ほどの驚きはなかったけれど、伏線がスパイラルに張ってる感じが読んでて面白かったです。

  •  冒頭に事件の結末を描いているので、どうにも推理終了と全貌解明に至るまでの緊張感が欠けていた。トリックも予想を大きく超えるものではなかった。そしてなにより探偵役があまり気持ちのいい人間ではないのが辛い。殺人事件を引っ掻き回す彼の無神経さにどうしても引いてしまう。
     しかし読みやすい文章や、水車館の平面図の分かり易さなどで、非常にハードルの低い作品になっているのが好印象。私は綾辻行人の作品が好きかもしれない。

     でもやっぱり探偵役は嫌い。

  • 仮面の主人が美しい幼な妻と住まう、藤沼一成の名画に埋もれた水車館。そこには年に一度知人たちが集う。主人が厭おうと彼らはやってくる。たとえ1年前に殺人が起こった場所だとしても・・・

    なんていう筋立ての雰囲気満点のミステリー。
    仮面の主人は車椅子に鎮座し、美しく若い妻は永らく館の塔で起居し、数々の名画に彩られた中村青二が設計した館、島田潔という風変わりな名探偵、舞台は嵐の夜ー。
    これで何か起こらなかったらおかしいですよね!(ぇ?

    あまりにも舞台が整い過ぎていて、勘繰りながら読み過ぎました。
    星の少なさは、やはり冒頭からおおまかなところがわかってしまったから。トラディショナルすぎてミスリードされようがなかったことと、解決編が急すぎて、ちょっと・・・。

    この作品はミステリーだけれども、ロジックだとか物理的トリックだとかそんなものは置いといて、幻想的な雰囲気にまかれてしまうのが正しい読み方なのかもしれない。殺人事件に焦点をあてているけれど、水車館の住人の人間模様にフォーカスしてもなかなか深いお話になりそうです。

  • 3
    館シリーズ第2弾。建築家中村青司による水車館の主人藤沼貴一は過去の事故で顔面を傷つけ常に仮面を被る。幽閉同然の美少女。1985年と1986年の事件が交互に語られる形式。社会情勢など入れずにミステリーを追求する新本格派の推理小説で読みやすい。空想の世界といった感じで、たまにはいいかなくらい。探偵の島田潔も出てきて青司と合わせて楽しみではある。
    1回目では正木と由里絵の共謀によって、正木が藤沼へとなりかわり、自身を殺したように見せかけ古川に罪をきせる。2回目でも由里絵の屋敷から出たい思いにより引き起こされた話。貴一の書斎と地下室へ秘密ルートや貴一など不幸の未来を予言した絵である幻影群像の話もなかなか。正木に襲われた藤沼が地下室で力尽きて腐敗していたが、生きている展開があればより面白かった気もする。

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著者プロフィール

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部在学中、京大推理小説研究会に所属。研究会同期に、後に結婚する小野不由美がいる。1982年、同大学大学院教育学研究科に進学。1987年、大学院在学中に『十角館の殺人』で作家デビュー。講談社ノベルス編集部が「新本格ミステリー」と名付け、その肩書きが広まった。1992年大学院を卒業後、専業作家に。
1990年『霧越邸殺人事件』で「週刊文春ミステリーベスト10」1位。1992年『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2011年『Another』で「ミステリが読みたい!」1位。2018年第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。
主な代表作として、デビュー作『十角館の殺人』以来続刊されている、長編推理小説「館シリーズ」。

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