雪密室 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 873
感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061851115

作品紹介・あらすじ

誇り高い美女からの招待で信州の山荘に出かけた法月警視だが、招待客が一堂に会したその夜、美女が殺される。建物の周囲は雪一色、そして彼女がいたはずの離れまで、犯人らしい人物の足跡もついていないのだ。この奇怪な密室殺人の謎に法月警視の息子綸太郎が挑戦する。出色本格推理。

感想・レビュー・書評

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  • あぁ...なんか好きだなぁ。
    全体に漂う雰囲気だったり、法月親子の関係性だったり、無駄なものを付け足さずに挑戦状を付けるところだったり。
    死体を転がしまくるミステリが多い中で、一つの殺人だけを調べ込むというのも個人的には好き。(エラリークイーンの『フランス白粉の謎』のような)

    そして事件の真相はというと、密室トリックに関しては悪くない。「第三の人物」を特定するロジックもエレガントなのだが、問題は耳栓に関する推理。
    あれは
    「声をかける→耳栓してるから聞こえなくて警視起きない→近寄る→耳栓に気づく(特に横向いて寝てれば)→揺すって起こし、耳栓を指差す」
    という風に考えるのが自然ではないだろうか。

    法月綸太郎が一気に好きになった。
    ミステリとしての質はそこまで高くないかもしれないが、自分にとって好きなミステリなのは確か。

  • 『「雪の密室の謎を解く、大きな手がかりをつかんだような気がするんですよ。」

    「本当か。それはどんな事実なんだ。」

    「まあ、そうあわてないで。まだちょっとした思いつきの域を出ませんから、ないしょにしておきます。」』

    雪の密室、謎の会合、秘密を抱えた参加者、読者への挑戦、ミステリー好きのための作品。昔の作品なので、すごく懐かしい感じ。

    法月綸太郎シリーズ長編は全部読んでしまったなぁ〜。

  • 読者への挑戦とか〜わかるわけねぇ〜。別次元でパズルしてるって感じぃ〜。

    綸太郎カッコいい〜

  • タイトルの通り雪の密室に真っ向から挑む法月警視の事件。カーの「白い僧院の殺人」に言及し、意識した作品である(本家は超えてない)。

    トリックのための設定であったり、怪しさすぎる登場人物であったり、本格だなぁと凝り過ぎた展開(好き

    トリックや犯人より、仕掛けの構図が素晴らしく、読者への挑戦をはさむ必要性があった。

    法月親子にとっては重要な意味を持つ事件であり、作者のやりたかった一撃は、親子の関係性も含め成功したと思う。

    証言のあやふさを鵜呑みにしすぎて笑ってしまった…ええんかそれ…

  • 2018年4冊目。
    法月綸太郎シリーズ4作目。どうやらこれが探偵法月綸太郎初登場作品らしい。完全に読む順番を間違えたせいで、既にあたしの中で出来上がっていた法月親子の関係とは若干温度感が違うように思えてしまった。
    雪で山荘で密室・・ってもうさんざん読んでるし、どうかなーと思ったけど、実際そのトリック自体はあんまり・・だった。でも、それ以外の部分で十分読みごたえがあったし、総合的には面白かったかな。
    最初と最後のつながり方で、「なるほど、そっちね」とニンマリw

  • 法月親子のやり取りが笑ってしまう、仲の良さそうな親子で何より。いろいろ詰め込みすぎてなんだかわからなくなった感はあるし、3歳の女の子が…と納得いかない点は残ったものの総評するとおもしろかった。

  • 2016/1/18

    913.6||ノリ (3階日本の小説類)

    雪降る山荘で起こった殺人事件。現場は発見者以外の足跡がない、雪に閉ざされた密室。
    犯人は? その手口は?

    父・警視、子・推理作家。
    2人が活躍するシリーズ第1作目になります。

    図書館に入り浸りだった常連さんに薦められ、本格ミステリーを読むきっかけにもなった思い出の1冊です。

  • 法月貞雄警視のキャラが鰻食ってビール飲むオッサンから重い過去を背負う渋いオヤジになりました。すごくクイーンって感じでした。被害者のモデルはローマ帽子の人なのだろうか。

  • 密室ミステリー。オーソドックスな作品だと思います。ミステリーはどうしても時代の影響を受けてしまいますね。最後の最後までミステリー色を残してくれました。

  • 複雑に絡み合った人間模様とそこから生まれる悲劇を上手く描いている。密室トリックもシンプルにして明快なのが良い。惜しむらくは、事件の背景とエピローグが若干蛇足だったかなという点。

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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