Vの悲劇 (講談社文庫)

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本棚登録 : 49
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061851665

感想・レビュー・書評

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  • 小学高学年の頃読み漁っていた短編小説の名手、阿刀田さんが手がけた初の長編ミステリーだということで、読んでみた。
    長編だからって意気込まず、坦々とちょっと変な感じは変わらずだったが、ミステリーにしては設定など納得のいかない部分もあった

  • 地に足の着いた非日常という感じ。おとなしいというか、少しくたびれた大人という雰囲気。
    安津子を中心に淡々と物語は進む。しかし、安津子が入手する手がかりが妙に都合よかったりうまく事が運びすぎている気もする。
    同じ内容の繰り返し描写も多く冗長さがある。
    愛憎と間延びした展開は昼ドラのよう。というか昼ドラの脚本そのもの。
    あとがきがかなり的を射ていて「阿刀田高作品は情感で湿っている」というのはそのとおりだと思う。
    結婚制度なんて高々2千年程度のものであり男女が求め合うのはもっと古くからのことである。その感情を「不倫」で斬り捨てていいものか、っていう詭弁はおもしろい。

    ミスリードが強引で、その要素いる?みたいな部分も見受けられ推理小説としてはあまりにも微妙。
    これは推理小説ではなくて女性の心理を追う昼ドラ作品。

  • 阿刀田高、105円で見つけたので購入してみた。
    が、大失敗。

    面白くない、のは何故かしら、と思いながら読了し、他の方のレビューを見て納得。
    何がミステリーだったのか。
    タイトルには、何の意味が込められていたのか。

    結局、レビューで叩かれている事しか判らなかった。

  • たまには違う作家の作品も読んでみるかと思って選んだ阿刀田高。
    裏表紙には「本格長編推理作品」の文字。

    スケッチ旅行と偽って親友の夫と逢瀬を重ねる女流画家、安津子。
    あるコテージで待ち合わせをした彼女を待っていたのは、彼の死体。そして香水の残り香。
    安津子の記憶にあるこの香りと殺人事件の繋がりは・・・。

    いやもう105円じゃなかったら怒って窓から投げ捨てる所だったよ。
    一体どこが「本格」で「推理作品」なのか、本格の概念をはっきりして欲しい。
    これはただの「捜査小説」で、おっさんが新幹線の中で読むようなシロモノだ。
    あまりのつまらなさに途中で何度も断念しかけた。中だるみして、これくらいの長編なら1日で読むのに3日もかかってしまった。それでも「本格的な」結末を期待してなんとか読破したというのに・・・。このつまらなさは島田荘司の「幽体離脱殺人事件」以来だ。

    何が苦痛かと言って、同じ説明文が何度も何度も出てくるのがつらかった。
    それはもうさっき読んだよ!その状況はもう聞いたよ!その回想シーンはもういいよ!と何度も心の中で呟くハメになった。
    そういうのを削除して行ったら、たぶん中編くらいの長さになるんじゃないかと思うくらい。
    キャラも全然立ってないと思う。画家とか言ってるけど、それは地の文で説明してあるだけだし、親友っつっても互いの心理とか全然書き切れてないし、お手伝いさんと安津子の会話なんて途中からどっちがどっちだか完全に分からなくなるし。

    おまけにこのオチ!なんなのこれは!そんなご都合主義でいいの!?これが本格なの!?こんなたいそうなタイトル付けていいの!?

    という訳で、阿刀田高は二度と読みません。(ていうかそもそも名前の読み方分かりません。)

  • 長編。

    ほら。アレルギー反応を確実なものにしちゃったよ。阿刀田さんの長編に対する・・・

    やっぱり、私好みじゃないんだよね・・・余韻を残す感じがさ。

    それでも読んでしまうのは、やはり作中に散りばめられた、素晴らしい言葉たちのせいなのよね。

  • 短編読んだらいいんだろうね。読んでる間はそこそこ面白かったんだけどね。

  • 短編の名手、この人はやはり短編のほうが味がある。
    長編の名手の短編は物足りなくて、短編の名手の長編は間延びして感じるのは、不思議。

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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