四千万歩の男(一) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (664ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061852662

感想・レビュー・書評

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  • 3か月かけて読了。久しぶりの長編かつ重厚な読み物だった。日本地図を作った人物としてしか知らなかった伊能忠敬。またこの時期の歴史は学校で学ぶと面白みが今一つ感じられなかったのを思い出す。これほど魅力的な物語になろうとは。同時代の人物たちと歩いていく先々で出会っていくのはワクワクする。一方で膨大な資料テキストが土台が物語の世界をしっかり支えている。これほどの資料の読み込みと物語の中での振り掛け具合に感心した。
    歩くことは人、土地、文化と出会うこと。出会いを通して自身の立ち方、見方、あとこの小説では歩き方と向き合っていく。今の時代に読んでも全く色褪せずに読むことができる素晴らしい小説だ。この物語の続きは自分たちが歩くことで描けるといい。

  • 面白い。
    江戸ものはもともと好きだけれど、
    伊能忠敬ときちゃぁ、もう読むしかない。
    それを井上ひさしが書いているという面白さ。

    土地柄や歴史や、小話や、
    とにかく面白い要素が盛りだくさん。
    井上ひさしの伊能忠敬像も期待を裏切ることなく
    愛すべきもの。

    旅の続きが楽しみ。
    次号で蝦夷入り。

著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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