ひと呼んでミツコ (講談社文庫 ひ 23-1)

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感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061853799

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  • まさに胸がすく一冊。
    そうだ~、そこだ!いけ~という感じ。
    この能力、いいな。

  • ミツコは薔薇十字女子大に通う平凡な女子学生。だがひとつだけ違ったのは盲腸の手術痕が秘める不思議なパワー。公衆道徳に敏感なミツコの怒りが頂点に達したとき、盲腸の手術痕は熱をおび、正義の鉄槌が下される!――

    ミツコが主役の連作短編となっている。名作映画をもじった各章の題名もなかなか上手く内容にかかっていると思う。
    タバコも痰も投げ捨てる電車内のマナーを守らぬオトコ(「満員電車、奥までつめて」)、子供のしつけもろくに出来ないのに勝手な教育論をふりかざす母親(「大人はわかってくれる」)、人が不快になる言葉もギャグだと思いこんでいるセクハラ上司(「発火1/2」)等々、「いるいる、こういうやつ」をミツコが念動力のような超能力を使ってやっつける。
    最後の「故意の手ほどき」などは、役所に行って何時間も待たされたあげく手続きできなかった経験を持つ人は溜飲が下がる話か。書かれた時代もあるので今読むとだいぶ違和感があるかもしれないけど、筒井康隆などのスラップスティックコメディが好きな人にはおすすめできる

  • 女子大生ミツコが不条理に出くわすと盲腸の傷口が痛み始め超常現象を引き起こすというユーモア小説集。どこか著者の実体験が混じっているようで、初期の売れない時代の鬱屈が感じられる。このようなユーモア小説は北杜夫以来だと感じながら、暇つぶしの合間合間に読んだのだがにやにや笑える娯楽作品である。直木賞を受賞して日の目を見るのは、かなり後になる。

  • わたしは三子。私立薔薇十字女子大英文科在籍中。 ひとは、わたしをMITSOUKOと 呼ぶ。MITSOUKO、ゲランの名高い香水。

    この一節からはじまる物語は痛快。

    超能力ですよね。

  • 私は三子。私立薔薇十字女子大英文科在籍中。ごく普通の大学生だが、ワンレンでラーメンを啜る友達、公衆電話でくだらない長話をする青年、電車の席を占領するアベック、お役所仕事の役人など他人を顧みない言動には盲腸の手術痕が熱くなり、あり得ない事が起こりやっつけてしまう。共感できる事ばかりで胸がスカっとする物語。

  • この世に蔓延る悪をミツコがばっさばっさと斬っていく。その成敗の仕方がエゲツなくてとても素敵。愉快痛快爽快。

  • 公共道徳とモラルを当たり前に守ろうとする超能力者ミツコの話。ミツコもかなり、アレだけれども、「ちゃんとしようよー;;」と戦うミツコが面白い。

  • 面白くていい気分転換になります。痛快コメディ。読んでいて元気になります。

  • 姫野カオルコさんのデビュー作。彼女の作品の中で一番ぶっ飛んでると思う。世の中の理不尽さを、ばしばし斬っていて、読み終わった後、とても爽快になる。

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著者プロフィール

作家

「2016年 『純喫茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

姫野カオルコの作品

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