- 講談社 (1993年1月1日発売)
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感想 : 146件
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Amazon.co.jp ・本 (348ページ) / ISBN・EAN: 9784061854017
みんなの感想まとめ
テーマは、愛する娘を失った父親の複雑な感情と復讐劇の行く末です。物語は、父親の独白から始まり、やがて推理作家の登場によって意外な展開を見せます。読者は、最初の悲劇的な状況から、さまざまな人間の葛藤や感...
感想・レビュー・書評
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頼子のためにかぁ。恐ろしい話だった。
最初は溺愛する娘を亡くした父親の独白から始まり、このまま復讐劇でラストまでいくのかと思いきや、推理作家、法月綸太郎の登場から物語は一変。このどこにでもありそうな事件が違う顔を見せ始める。
楽しく読めたが、頼子が浮かばれず、読後感はサッパリとはいかない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校生の娘を殺された父親の手記から話は始まる。
25年前に書かれた小説だという事だけれど、古さは余り感じず。
堅苦しい感じもなく読みやすい一冊でした。
あとがきなどを読むと作者は何だかナイーブな印象を受けました。逡巡していると言うか。
更に解説で『探偵、法月倫太郎は好きではない』と
ズタボロに言われていて思わず笑ってしまいました。
まぁ、先輩の激励と言ったところなんでしょうが。
『新本格』というジャンルが出来た頃、大御所からバッシングを受けやすい年代だったのでしょうか。
そんな時代背景ありきで作者を見てみると、逡巡している作者にかなり好感が持てます。
シリーズものみたいなので他の作品も読んでみよう。 -
『これを書き始めた最初の夜から、こういう結末になることはある程度決まっていたような気がする。だから私はおまえのために全てを書き残しておかなければならないと考えた。
ここにあるのは私という矛盾に満ちた人間の総体だ。私の哀しみ、私の怒り、私の苦しみ、私の決意、私の欺瞞、私の愛、私の罪悪感、そうした私の心のあらゆる葛藤をおまえに知ってほしかった。私がおまえにしてやれるのはせいぜいこれぐらいのことしかなかったのだ。』
“犯人の手記もの”というジャンルがあれば、これは最高傑作。面白かったなぁ〜。 -
ずいぶん前に買っていたのに何故か放置かましていた本書をようやく読了。
冒頭の手記の吸引力は凄まじく、この悲壮感だだよう物語を著者は20代にして紡いだのかと驚きました。
やがて探偵が捜査に乗り出すのですが、名探偵法月綸太郎初出の『雪密室』を読んだのはずいぶん前のことでいろいろと忘れていました。なんとか記憶を掘り返しつつ読んでいくといつの間にか終盤に。そこで明かされる真相は、なんとも形容し難い物悲しいものですが、本格ミステリに情熱を注ぐ著者らしい仕掛けや伏線、エピローグでの示唆などとても楽しめました。 -
14年前のある不幸な事件から始まった、
悲しき家族とその周りの人々の物語。
男は愚鈍、女は狡猾。
人間美しいばかりではないのだな。
分かってはいるけれど、
やっぱり救いを求めちゃうのが人間なのだと。
残された人たちに光あれ。 -
シリーズの続き。
途中で「実はこうなのでは…」と思ったことと事実としては同じだったのだけど、真実はもっと重くて深くて怖いという…。可哀想でした。いずれにしても理由は愛だもんね。 -
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法月倫太郎探偵シリーズ
一の悲劇に続き2作目かな?
途中までの展開は読めるんだけど
ラストの奥様のくだり、犯人の最後は
全くの予想外でした。
某漫画の主人公も言っているが
推理で殺人者を追い詰めて自殺に
追い込んだら探偵は
殺人者と変わらない。
私のなかで「探偵」は
この精神を持っていてほしいって
勝手に希望してるので
嫌いなラスト。
2017.5.24 読了 -
<頼子のために>
今風に言えば,「イヤミス」というジャンルに当て嵌められるのだろうか.
「ハードボイルド」とも「本格」とも言える.
映像としても見たいけれど,これは女優さんが大変だ.
誰が「頼子」を体現化できそうか考えたけれど,これは中々に難しい.
と,いうわけで,映像化は難しそうなのでこの物語を知るには読むしかない! -
久々にミステリでも…この本の存在は知っていたのですけれども、読む機会のないままここまで来てしまいました…。
で、読んでみたのですけれども、これはなかなかに面白かったですね! 登場人物が多いので誰だか失念してしまう場面もありましたが…
ヽ(・ω・)/ズコー
でもまあ、題材がちょっと…人を選ぶかもしれませんねぇ…悪趣味というか、胸糞の悪い事件を取り扱っていますんでね…。
けれども面白いのは確かかと思います! 氏の作品をもっと読んでみたくなりましたねぇ…さようなら。
ヽ(・ω・)/ズコー -
文句なしに面白かった。お腹の子の父親は予想通りだったけどそこに至るまでの話の持って行きかたとその後のオチが秀逸。ぐいぐい引き込まれるし読み応えあった。
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そうか。真相はここまでむごいか。頼子の寂しさ、母親の業の深さ、父親の浅はかさ。ミステリーとしては最上級だが、家族の物語としては最悪だ。
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読書体験のうち、なんか同じ系統の感覚がする、って割とあったりする。食事のあと、舌から脳につながる感触にもにた読後感は、どちらかといえば体感的だ。
この、頼子のためにについても、ストーリーは「えーと、殺された娘の復讐?」程度の記憶しかなかった。ただカラダ感覚として、舌の上にざらっとしたものが残る後味の悪さと、最後の最後にぴしりと作者の最後の一手が決まって、ああそうきたか、って、だしぬかれたような思いをしたってのが痛烈に記憶にやきつけられていた。加えて人の、負の思いがしみじみと感じられる読後感ということで、前回読んだ『盤上の敵』に続けて読んだのだが、すこしだけ違っていて、すこしだけ近くにあったみたいだ。
頼子のほうが地の文章が文学的
頼子のほうが推理の過程が示されている
愛情か愛憎かがそれぞれキーになっている
探偵物とサスペンス
頼子には馴染みの名探偵が登場する
などなど。
特に最後の、名探偵の登場に関しては、私が読んだ文庫版の解説(の場所で法月綸太郎宛に書簡形式の文章をよせている)している池上冬樹氏の指摘が非常に面白かったので、ぜひ読むことをオススメ。名探偵シリーズを展開する作家がその手法に作品を巻き込むことでついてしまう色、探偵のタグがつくことで一定のバイアスがかかることをズバッと言い切っている、膝打ちの文章だと思った。
うーむ、記憶にあった読後感とはすこし違った。読後感同じシリーズで読む進める予定だったけど、進路変更かな。さて次ははなにを読もうかな。 -
最近では一番早く読めたかもしれない。手記パートの悲壮感、中盤の捜査パートのワクワク感、そしてクライマックスで明らかにされる真相に振り回され事故のアレで泣かされたかと思ったら本当に最後の最後にとんでもないものぶつけられて完全に黙らされました。密閉教室に近い語り口がまた良くて。再調査のアップルパイのくだりとかバンド少年との会話とか上手いのか何なのかすげえ読んでて楽しい。そんで最後にヒヤッとする真相を頭からぶっかけられるの。こいつはえれえもの読んだなぁ。
著者プロフィール
法月綸太郎の作品
