大江戸えねるぎー事情 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854314

感想・レビュー・書評

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  • 「九尺二間に過ぎたるものは 紅のついたる火吹き竹」3.75坪のワンルームマンションw、二人で過ごせば「神田川♪」ですね(^-^) 石川英輔 著「大江戸えねるぎー事情」、1993.7文庫です。行灯の明るさは60w電球の50分の1もなかったそうです。じつに無駄のない省エネ都市、江戸。確かに、現代人は目もくらむような便利な生活をしてますね。3.11の後の計画節電で、ないときの暮らしを少しだけ経験しました。江戸は、井戸や上水、下水はしっかりしてましたね。当時のパリはセーヌ川に下水を、そして飲料水をだったそうです。

  • 江戸時代と現代日本社会での消費エネルギーを比較した本。

    江戸時代の人々がいかに慎ましく成熟した文化を築いていたかに気づかされた。江戸時代をお手本に現代に応用出来ることはたくさんあるのではないか?

    昔の日本人が築き上げてきた知恵を知れる一冊。

  • 原発を動かす・止めるを論議している「今」こそこの本は読まれるべきではないでしょうか。

  • 無から有は生じない
    逆に、有から無にもならない
    ミクロコスモ。それは小さな生態系。

    戦乱の世が終わり、200年もの間、人々は平和に暮らしていた江戸時代。現代のように電気水道ガスのインフラがなく、あらゆるものを人手で行っていた時代。現代人からみたら大変な世の中だろうけど、当時の江戸人はそれが当たり前。それ程不便と感じずに生きていたに違いない。鎖国をしていたおかげで自給自足の技術が発達した江戸人の超節約術と、平和な時代だからこそ発達した娯楽事情が記されている。

    日常生活が便利になったからといって人が幸せだとは限らない。江戸時代の人だって幸せだったはず。その筆者の考え方には賛成。

    江戸の日常が垣間見えて興味深い本でした。

    江戸の用語メモ:
    経済が発展していた関西を「上方」
    関西から送られてきたものを「下りもの」
    「くだらない」は関西から送ってもらう程ではないことが由来。
    「富士見酒」は上方から船で輸送されてきた酒。船に揺られておいしくなるらしい。

  • エネルギーの比較はやっても仕方ないと思ったりしたが、当時の文化や技術に触れられるのは素晴らしい。

  • ミクロコスモスの実験というのがあって
    小さいガラス容器に水、空気、小石や砂を入れて環境を作り
    そこに小魚、水草、バクテリアを入れて密閉して
    外部からの光と熱以外に入らない状態にして
    どのくらい生存出来るかなんかを見るんだけど
    うまく連鎖させられればそれぞれがバランスを取り合って
    思いのほか長く継続出来るとのこと。
    その小さな世界を地球に置き換えて考えてみると
    地球も規模が違うだけで同じような環境だと言えて
    その中でのエネルギーの消費に目を向けた本でした。

    江戸時代は人力以外のエネルギー消費はほとんどなくて
    燃料や資材も自然が再生できる範囲だから
    ミクロコスモスと同じようにうまくサイクル出来てたけど
    現代の文明社会は便利さと引き換えに
    莫大な量のエネルギーを消費していることが
    「あかり」「水」「米」「野菜」「住まい」など
    23の項目による比較によって明らかにされる。
    中には効率よく使えているエネルギーもあるけれど
    現代人の活動の多くはエネルギーを消費するばかりで
    そこから生み出されるエネルギーは少なく
    リサイクルされるエネルギーも少ないことがよく分かる。

    著者は現代の便利さを捨て去ることは不可能だと理解しているし
    今すぐに江戸時代に戻るべきだとも言わないので
    押し付けられている感じではないのが好感を持てた。
    あくまで「エネルギー」という特定のものに限定した話で
    付加価値やその他について言及されたものではないし
    江戸時代の価値観と現代の資本主義社会の価値観は
    そもそも「価値」があると定義される対象が違うため
    同一に語れないことは間違いないけれども
    それでも地球上に存在可能なエネルギー量が限られている以上は
    少なくとも考えてみる価値のある内容だと思う。

    まぁ個人的にはエネルギーの対比よりも
    江戸の暮らしが垣間見えたところのが楽しかったけど(笑)。



    いつも思うことだけどガイア説みたいな考え方をしてみると
    人間という種族は地球にとって癌細胞みたいなもんだと思う。
    地球上の既知の生物は約140万種と言われていて
    未知のものも含めれば数百〜数千万種と言われている。
    100年前は年間に絶滅する種はその中で1種くらいと言われていた。
    いわゆる進化(進化って言葉は嫌いやけど)の過程で
    適応できずに滅びる種は必ずあるはずやから
    年間で1種類ならそれほど驚きはないけど
    それが今では年間に4万種が滅びていると言われている。
    それもほとんどが人間の営みによって。
    便宜的にこのままの絶滅数が続くと考えて見ると
    数十年後には人間と家畜くらいしか残らない計算になる。
    また地球上にある物体の質量の総量は変わらないはずなのに
    人間がこれだけ爆発的に増えているということは
    それだけ他の存在を吸収しているということでもある。
    人間が耐えられないくらいに環境が悪化した頃には
    人間の数が減ってバランスが取られるんかもしれんけど。
    だからと言って環境問題を声高に叫ぶ気はないけれど
    そゆことは忘れずに生きていたいなと思う。

  • 省エネ。日本って無駄のない国だったのねぇ。

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