御手洗潔のダンス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1594
レビュー : 116
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854383

作品紹介・あらすじ

人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。そして四日目、彼は地上二十メートルの電線上で死体となっていた。しかも黒い背広姿、両腕を大きく拡げ、正に空飛ぶポーズで。画家に何が起きたのか?名探偵御手洗潔が奇想の中で躍動する快作集。

感想・レビュー・書評

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  • 御手洗潔という人物とその性格を知るにはちょうど良い1冊

  • 2018.5.12

    御手洗シリーズ5作目。短編2作目。
    まだ5冊目か・・・っていう気分。読み疲れ。
    御手洗シリーズぶっ通しで読んできたけど、一旦脱線して、森博嗣を読んでみたら、まあスラスラ読めること・・・。ミステリは総じて読みづらいと思っていたけど完璧勘違いだった。御手洗シリーズが読みにくい部類ということがここにきて判明した。言い回し?説明の長さ?とにかく森氏は会話が多くて文章も短いことに比べて、島田氏は圧倒的に文章が長かった。社会派色が強いことも要因。
    今作を読み終えて、うっすら気づいていたけど私はその社会派な部分を御手洗シリーズに求めいていることがわかった。
    バカミスと呼ばれているけど、御手洗の性格や感性を発揮するには奇妙奇天烈な事件が必要。御手洗を通じてガツンと来る島田氏の社会的思想を読みたいから、読みにくいことを承知で次作以降も読まざるを得ない・・・。

    前置きが長くなった。以下本書内容。

    ★山高帽のイカロス
    空飛ぶ人間の絵を描く画家が空中で死んでいた(電線に乗って)。電車に引っかかっていた片腕。結局犯人の犯行不手際による偶然の重なりで複雑になってた。散らかった要因が回収されるところが気持ちいい。
    ★ある騎士の物語
    オタサーの姫。姫の敵討ちにトンネル内線路をレースカーで爆走。犯行時間のアリバイとなる。姫は犯人を知らず(感づいてるかも?)。悲しませる系で微妙。このシリーズたまにこういうのあるな。異邦とか数学錠とか。感動雰囲気好きじゃない。
    御手洗が最後、姫に言う辛辣な発言は好き。レビューでこういう女嫌い意見多かったけど私は姫別に悪くないと思った。
    ★舞踏病
    夜になると踊りだすおじいちゃん。事件の説明が難しい。歯に隠したダイヤモンドを探すため、息子と偽った犯人が痴呆じいちゃんに探りを入れる。ホームレスと戯れる御手洗にドン引きしてる石岡くんの描写が可愛すぎた。本気で萌えた。石岡君に。
    医療現場に対する社会派発言あり。薬の過剰摂取。
    ★近況報告
    島田氏のあとがきだと思って読み始めたら違った。石岡君の近状報告だった(笑)。普段の御手洗の様子。とはいえ期待のあとがきと同じく、島田氏の社会派発言炸裂で楽しめた。戦争、国家間問題など。とにかく話長くて難しい。読みづらいわあ。

    舞踏病が一番好きかな。2人の御戯れが微笑ましくて(笑)。
    ところで前作まで石岡君のことをボロクソ言ってたと思うけど、今作で一気に株爆上がり。石岡君かわええ・・・
    石岡君の態度が変わったわけではないと思うけど・・。急に。ここまで読んでよかった。
    御手洗シリーズは今作まで根気よく読んでもらいたい。
    刑事の相変わらずの胸糞っぷり。イカロスと舞踏病に出現。
    シリーズ一旦休憩。

  • この本を読むのは2回目だが、「舞踏病」以外の他の3編は内容を憶えていた。実はよく考えるとこれは凄い事で、これは如何にこの短編集が自身にとって印象深かった事を須らく証明していることになる、のだが、「今」読み終わった感想としては、いささか荒唐無稽に過ぎる内容だなと認めざるを得なかった。
    しかし、「ある騎士の物語」のセンチメンタリズムは今なお健在だった事、「近況報告」の難解さは久方振りの頭脳労働を楽しめた事を付記しておこう。
    これは偽らざる感想なのだから。

  • 今作も御手洗がやたら跳ねたり不機嫌になったり忙しく楽しめました。トリックも驚かされました。山高帽は今回もロープだな、とそれだけわかりましたが、それ以上の具体的なトリックは何も考えつきませんでした。まさか序盤にちょろっと出てくるのろのろ運転の電車もトリックの一部とは…。ある騎士はトリックがやっぱり楽しそうでわたしも一回やってみたい。電車の線路を使った超高速ゴーカートとか楽しくないわけがないですね。やや命の危険を感じますけど。舞踏病はまさか歯がダイヤモンドなんて全く思いつきもしませんでした。この出てくるものすべてが事件に絡んでいて最後すっきり糸が解ける感じがたまりません。
    近況報告は…これ必要だったんでしょうか笑。御手洗がとても頭の良い人だということはわかりましたが、チートというかなんというか。占星術もう飽きてしまったんですね。初対面の人の出生時間をいきなり言いつけるアレが結構好きだったんですが。この話を読んでわたしも勉強しようという気になりました。

  • 御手洗潔の奇人変人ぶりにはすでに免疫が出来たものの、人間離れした頭脳にはまだ驚かされてばかりだ。「山高帽のイカロス」と「舞踏病」ではよく知る東京の下町が舞台となって島田流大カラクリが繰り広げられているのに大興奮だった。精神医学のことは一般常識程度にしか知らない私だが、島田先生の巧みで自信満々な文章に「そうなのかー」と丸呑みしてしまいそうになる。ところで成人男性が同居するところまでは理解できるが、お気に入りのケーキ屋さんへ二人仲良く連れ立って行くのは「同居人」の範疇なのだろうか・・・?

  • 山高帽のイカロス
    空を飛べると信じた画家の死

    ある騎士の物語
    一人の女性を取り巻く男達
    15年前の事件の真相

    舞踏病
    浅草
    大金を払ってでも父親を定食屋の二階に強引に居候させる意図とは

    近況報告
    御手洗潔の趣味嗜好
    犬の嫉妬
    間取り図

  • 奇妙な謎に奇抜な御手洗がよく映える。最後の⌈近況報告⌋でのフォローも小粋。内容も先を見通してる感じが、今読むことでかなり伝わってくる。

  • ああー…読み終わってしまった。
    御手洗シリーズを順番に読み進めていて、これが5冊目。
    なるべく事前情報入れないように努めてるけど、それでも御手洗がどんどん当初の設定からかけ離れていくって噂は耳に届いてしまって、だとすれば本作品あたりが古き良き世界観を保ててるギリギリのラインかな~と、読んでしまうのが惜しい気持ちを抱えつつ読了。
    御手洗は相変わらずハチャメチャでカッコイイ。
    全体的にミステリ要素はしっかりしてるけど、キャラ小説みたいな要素が強くなってきてる。

    短編ミステリが3編と、「近況報告」と題された書き下ろし1編。

    「山高帽のイカロス」…空飛ぶ絵ばかり描いていた画家が、空中の電線に引っ掛かって死んでた話。御手洗は状況を聞いただけで仕掛けが分かっちゃったっぽかった。
    こういう、ある計画が失敗した結果作り出された一見不可解な状況、ってワクワクする。

    「ある騎士の物語」…一緒に事業していた青年4人とマドンナ的女。女はうち1人と恋仲になるがやがて裏切られ怨むようになり、ある時その男が殺される話。女がクズ。

    「舞踏病」…1989年の話。「異邦の騎士」から11年も経ってる! 御手洗もう41歳? ってところに愕然とした(笑)。
    関東大震災直前に盗まれたダイヤが、一味の一人だった老人の歯の詰め物になって隠されてる。なかなか複雑な背景を持つ事件で、これは解けないわ。
    冒頭のモノローグは凌雲閣のことだとすぐに分かった。それにしても凌雲閣再現させるイベントがあったなんて知らなかったなぁ(事実を踏まえてる訳じゃないのかな?)。 見てみたかったなぁ。

    「近況報告」…御手洗ファンにとってこういうキャラ話は嬉しい反面、ある程度謎めいているままの方が魅力的だったりして、事件簿の中でチラッと垣間見える御手洗の素顔がイイんだよと思ってる身としては、これはちょっと暴露しすぎた感を強く持った。
    御手洗の根底には常に優しさがある、って分析は、その通り。そこが彼の揺るぎない魅力だ。
    占星術師だった御手洗がとても好きだったので、もう飽きたなんて残念だなぁ…。

    ていうか、女性にこんなに受けるなんて想定外だったらしいけど、腐女子の萌えるツボだらけなんですけど、島田先生。認識が甘いですよ。

  • 「山高帽のイカロス」★★
    トンデモトリック。バカミスの走りか。

    「ある騎士の物語」★★★
    短くて良いが、トリックはやはりなんだかなあ。

    「舞踏病」★★★
    冒頭で読みにくいなあと。サスペンス的な展開は良い。

    「近況報告」★★
    ファンブックかな。何も起こりません。

  • 相変わらず御手洗さんはすぐに事件を解決してしまうので警察いらずですね。
    題名通り2人でダンス始めたところはなかなか印象的です。石岡さんの心配具合も板についてきているような気もします。

    最後のおまけの部分で御手洗さんの普段とか色々石岡さんが書いていましたが、ほんとに石岡さんがいなかったときはどうやって暮らしていたのだろうというそっちの謎が深まるばかりです。

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著者プロフィール

1948年広島生まれ。武蔵野美術大学卒。『占星術殺人事件』での衝撃的なデビューから現在まで日本ミステリー界の旗手として傑作を多数刊行。同時に新人の発掘にも力を尽くしている。現在その読者は世界に広がる。

「2020年 『改訂完全版 毒を売る女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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