螺旋館の殺人 (講談社文庫)

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著者 : 折原一
  • 講談社 (1993年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854581

螺旋館の殺人 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • タイトルを見ると綾辻行人氏の館シリーズを思わせるが、さにあらず。叙述ミステリの第一人者折原氏による館物ではなく、叙述ミステリである。

    ミステリ講座を開いているロートル作家が再び世に大作を問わんと執筆活動に専念するため、山小屋に閉じこもる。そこへ現れた若く美しい女性。彼女は作家志望者で自分の書いた作品を男に見てもらいたいがためにその小屋を訪れたのだった。
    その女性と親しくなり、英気を養った男は活発な創作意欲を発揮し、『螺旋館の殺人』なる自信作を見事完成させ、出版担当者に渡すが、その担当者は電車で移動中に居眠りしてしまい、原稿を紛失してしまう。
    後日、ある女性が『サーキュラー荘の謎』という作品で新人賞を受賞する。その女性はなんと男を訪れた作家志望の女性であり、受賞作は彼の『螺旋館の殺人』そのものであった。そして受賞者は浴室で死体となって発見される。

    とまあ、『倒錯のロンド』から派生した姉妹編のような作品だ。もともと折原氏は『倒錯のロンド』に始まる「倒錯」シリーズを三部作で構想しており、すでに2作目の『倒錯の死角』まで発表していた。本書はしかしそのシリーズの番外編と位置づけられており、「倒錯」シリーズにカウントされていない(ちなみに3作目は『倒錯の帰結』)。
    作中に主人公のロートル作家の手になる『螺旋館の殺人』が断片的に挿入されるが、これが片手間で書かれたとしか思えないレベルの物で、読者の期待に応える出来ではない。一応本家綾辻氏を意識した文体で書かれているが、出来栄えは悪い。これでよく再起を賭けたものだと思うくらいだ。

    御得意の作家志望者を軸にした盗作疑惑ミステリはその後、事実が二転三転はするものの、読んでてどうでもよくなってくる。最後のエピローグの落ちは個人的には不要だと思う。綾辻氏張りの館物を期待した読者は全くの肩透かしを食らうだろうし、折原氏の叙述トリックを期待した読者は物足りなさを感じるだろう。
    折原氏の作品はどれも設定が似ているので続けて読むには面白みが半減してしまう。あの手の話が読みたいなぁと思った頃に読むのが得策だろう。

  • ラスト数ページの「逆転に次ぐ逆転劇」に、ミステリスキーのカルマを痛感しました(今更感…)。ここまで推理作家が趣向をこらしても尚、「あ~成程ね~そうきちゃいます~?」ってなってしまうのですよねえ(・・;)どんなに破天荒なトリックでも、「どこかで読んだことあるなコレ」感が生じてしまう悲しさよ…(ToT)おお…

    とまれ、本編感想~\(^o^)/
    主人公である老作家と不審死を遂げた女性の「どちらかが書いた」作品を巡って、老作家と女性の恋人が丁丁発止を繰り広げる、という内容の本作。
    亡き恋人の無念を晴らす為に、老作家の悪事を「作品の中で」暴き立てるという作中作の趣向が凝らされています。
    この辺までは良くある叙述ものかな~と軽く構えていたのですが、後半のアクションシーン(笑)と「螺旋館」というタイトルを絡めたファンタジー展開(笑)と、そして最後の最後でまさかの××オチ!!!!!う~~ん、超展開…。
    「だって、すれっからしのミステリスキーの虚を突くには、これ位やらないとダメだよね~ダメでしょ~?」という折原先生の嘆息が聞こえてきそうな気がしたのでした(^^)


    10年ぶりの新作を発表するため、山荘にて執筆を開始した老作家のもとを、作家志望の女性が訪れる。彼女が自作の小説を読んでほしいと告げたその瞬間、「盗作のロンド」は幕を開けた!「螺旋館の殺人」の真の作者、そして盗作者とはいったい誰なのか? 

  • 10年間筆が進んでいない老作家の田宮竜之介。

    彼は受け持っていた小説講座が終わり、創作意欲が出てきたため山にこもって創作活動をすることに。

    編集者の沢本に豪語するも、鬱状態で筆が進まない。

    そんな中、講座を受けていた中の一人である白河レイコが、作品を見て欲しい、と山荘までやってくる。

    彼女の作品を容赦なく批判した田宮だが、その後魅力的なレイコにおぼれる。

    鬱状態を脱し、ようやく執筆を完成させた田宮は、沢本に『螺旋館の殺人』と題した原稿を渡す。

    しかし沢本は電車を降りるとき、隣に座った女性に原稿を持っていかれたことに気付く。


    とっても面白かったです。続きが気になってどんどんページが進みました。

    登場人物の視点が変わっていって、視点によって事件が全く違う角度で解釈されていくところ、すごく好きです。

    ただ、一番のトリック(?)である、沢本と田宮が入れ替わっていて、というのは、
    無事本が出版された後、沢本が田宮を訪れる場面で想定していたので意外ではなかった所が少し物足りなかったです。

    それでも田宮を恨む大久保が目にした人物はずっと田宮に変装していた沢本というのを、終盤で明かされるまで読者が気付きにくい文章力はすごいなと思います。

    大久保が山荘に戻って沢本を目にした理由が、崖から落ちて這い上がって山荘まで戻っていた、

    というのは少々拍子抜けしましたが、全体を通して作者の茶目っ気が読んでいておもしろかったです。

  • 館もので、折原さん。
    おもしろくないわけがない。

  • やばいです。

    折原作品が多すぎて、整理しようと再読始めたここ数日。
    読んでも読んでも折原作品に、ハズレがこない‥

    これじゃ、片付かない!

    でも、本当にこれもすごいんです。
    きっとこうだよね?と思いながらかなり疑って読むのに、
    最後の最後でええ、え?!

    Gが来るんじゃないんだけど、すかんと気持ちよいだまされ感。
    いいないいなぁ、やっぱこの本も、捨てられないや。

  • 作者との高度な頭脳戦が味わえる一冊。

    プロローグで「おかしい」と気づいていたのになぁ・・・悔しいぜw情報を読み解く力をつけるという意味では「教科書」ともいえるほどよく出来ている。

  • う〜ん。私はあんまり好きじゃない。残念。

  • 20150208

  • 2007年3月27日購入

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  • ブックオフで105円

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