- Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061854697
感想・レビュー・書評
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今は亡き児玉清氏のおすすめ。
正月あけの寝ぼけた雰囲気をぶっ飛ばすような冒頭。
しかし、決して暴力性が強いわけではなく、
とても面白かった。
登場人物の姿かたちだけでなく、氏育ちの描写が具体的で、
しっかりと彫り込まれた三次元で立ち上がってくる。
解説によると、著者は現役のFBI捜査官だということなので、
実際の人物を参考にしているのだろう。
特に、
デトロイト市警の刑事ガナー・ブラコフの描写にはほれぼれする。
途中からの精鋭を集めたチーム捜査では、
あまりのドリームチームっぷりに、
その中に裏切り者がいるのではないかと疑心暗鬼になった。
ある意味、その心配はあたったが。
難を言えば、
ちょっとラストが復讐に走りすぎたかな。
「目撃」という和訳もピンと来ない。
直訳の「真実の証人」の方が良いかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デブリン捜査官シリーズ1
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1994年発表
原題:Witness to the Truth -
パトリシア・コーンウェルや児玉清さん絶賛との事で
初めて読んだポール・リンゼイ作品。
主人公はカッコ良いしストーリーも面白くてヒットだと
思ったので全作読む予定。
ただ今作は章が少なく、回想と現在が入り組んだ感じで、
ページを戻って細かいシチュエーションを確認したいと
思った時など該当箇所がなかなか見つからなかったので
★は4つで。 -
現役FBI捜査官が書いた小説なので
支局内の上下関係や捜査方法がリアル。
ラストがちょっと良くあるパターンで
取ってつけた感が否めない。 -
現役FBI捜査官が書いた! ということで、『検死官』シリーズの帯に載ってた紹介文につられて購入。これが、もう本当に面白かった!
何と言っても一番のよさはキャラクター。主人公も、彼とタッグを組むハミダシ者の仲間たちもすごくいい! ストーリーはこの時期、大流行していたサイコ・シリアル・キラー絡みの事件解決がメインだけど、上層部から隠れて密かに捜査と進めて行く手口やコンビネーションが生き生きと描かれていて魅力的。一癖も二癖もある登場人物(ほとんど、おっさん)がとにかくいい。映画化したら、このキャラはあの俳優で~~とか、いくらでも妄想できてしまう。
残念なのは同じ主人公の続編のテンションが低くなったということ。やっぱりキャラで持ってた話だからか、この仲間達の登場する『宿敵』は真面目なFBI小説で面白いけどもう一つ。やっぱり色んな個性を持った仲間が一致団結する話って何度読んでも面白いなあ! -
翻訳が読み辛く、途中で×
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2009/05/22読了。
一人ハードボイルド祭り!ということで、このところ、自分的にこれはハードボイルドっぽいと思われるものを読んでいる。
といいつつ、警察+海外+ミステリだとだいたいハードボイルドなのでは〜?というかなりゆるい定義のもとでなので、たぶんこの作品も厳密なハードボイルドではないのかもしれない。
そんな最近、最高に当たりだったのがこの本。
至高のキャラクター小説でした!!
もう、その辺のラノベが真っ青なほどにキャラが立っている。しかも頭を抱えたくなるほどかっこいいのである。
主人公は、FBI捜査官でベトナム帰りで一匹狼というお約束な設定。
上司は「踊る大捜査線」くらい腐っててしかも邪悪で出世しか考えていないからさらに始末が悪い。
そんな上司たちは、FBI職員の娘の失踪事件を、出世に響きそうだからとあっさりと握りつぶそうとする。
そこで、主人公マイク・デブリンが、FBIやら市警やらから、はみ出し者を集めてきてチームを組み、上司への命令違反で、ばれたらいつでも首すれすれという状況のなかで、秘密捜査を始めるのである。
ああああ!こういうパーティもの大好きだよ!!指輪物語とか!
チームメンバーのキャラ分担がまた良い。そしてかっこいい。
新入り、強面、堅実実直、女たらし、軽薄ムードメイカーな副官(アッテンボローみたいな)、技術屋と、これまた素晴らしい性格付け。
で、このメンバーが顔をつきあわせては、こじゃれてかっこいい上司の悪口にみちた会話をたたきあっているのだ。おもしろくないはずがない。
日本語訳がまた秀逸で、各キャラそれぞれの口調をちゃんと設定して書いている。
とにかく、作者はキャラクター優先主義らしくて、第一部はまるまる導入部分、主要メンバーの性格描写に割いている。
ミステリファンからは、「そんなことどうでもいいから早くミステリしろ」というツッコミが多いようだが、キャラ小説・エピソード付きにはたまらない構成。
表紙にイラストレーターにでも、かっこいいにいちゃんたちを書かせて、相棒とか踊る大捜査線とかのノリで売り出せば、もっと売れると思うのだけど。
小説自体の内容も面白いです。
後半、主人公があまりにロマンチスト+かっこいいのでおもわず涙腺がゆるんでしまったほど。
かっこいい男がよみたいときに、本気でおすすめの本。
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舞台はデトロイト。FBI内部にスパイ?!FBI職員の娘の誘拐事件と、FBI内部の腐った権力争い。FBIに入った当時のままに正義を貫く魅力的な男たち。時々盛り込まれたジョークが笑いを誘う。面白いです。
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FBIを中心にした警察小説。
事件は捜査当局内部に侵入したマフィアのスパイが盗んだ警察協力者リストを取り戻すことと、誘拐された捜査官の娘を探すことの二つが主流になっている。
話は地味に進み、内容は骨太でしっかりしている。
捜査云々以上に、現職のFBI捜査官である作者が書きたかったのは、上層部の腐敗なんだろうなあと思わせる展開になっている。
途中で気が遠くなるところも。
終盤の捜査官たちの仲間意識がありがちだけど良かった。
ただ、猟奇殺人に至る犯人の心理なんかを期待すると肩透かしを食らうかと。