新とはずがたり (講談社文庫 す 1-26)

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  • 講談社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (553ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854888

感想・レビュー・書評

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  • 海外に来てから、日本語の本が入手しにくくなったので、めっきり本を読まなくなった。こうなるとたまに本を手にれても読む速度も落ちるし、読むきっかけが作れない。この本も昔ならさくっと読めたのだが、今はけっこう大変だった。

    しかしそんな私の事情はともかく、本としては読みやすいしいい本だった。ぐっとくる本だ。西園寺実兼の言動が現代人すぎる気がするが、それはこれぐらいでいいのだと思う。

    若い頃の話(もとのとはずがたりでいう愛欲編)は、「こんなことしているから武家に放逐されるんだ」「働けよ」と思うが、後半、年を取ってきてからの話のほうがいいな。後深草院の臨終の「お上、二条です」のところや、彼の野辺送りに二条が着いてこられないシーンは、涙が滲んだ。泣いたというのとは違うか。西園寺実兼の述懐と合わせて、ため息をつく感じ。

    さすがは杉本苑子でうまいこと書くなと思っていたら、野辺送りのシーンは原本にあると聞いて驚いた。原文を読む自身は・・・ない。でも現代語訳を公開している人がいた。すごいな。いつか読んでみたいものだ。

  • 西園寺実兼さんの視点から書いてるのですが、原作レイプもいい所。
    オススメはしない。

  • 二条ではなく、西園寺実兼視点で描かれているので、外交、政治に関するところもあって面白かった。

    ただ二条を主人公として描くよりも、世界が広い気がします。
    元のとはずがたりは読んでいないので、そのうち読んでみようかな…と思いました。

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著者プロフィール

杉本苑子

大正十四(一九二五)年、東京に生まれる。昭和二十四年、文化学院文科を卒業。昭和二十七年より吉川英治に師事する。昭和三十八年、『孤愁の岸』で第四十八回直木賞を受賞。昭和五十三年『滝沢馬琴』で第十二回吉川英治文学賞、昭和六十一年『穢土荘厳』で第二十五回女流文学賞を受賞。平成十四年、菊池寛賞を受賞、文化勲章を受勲。そのほかの著書に『埋み火』『散華』『悲華水滸伝』などがある。平成二十九(二〇一七)年没。

「2021年 『竹ノ御所鞠子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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