今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3909
レビュー : 482
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061856271

作品紹介・あらすじ

薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。甘酸っぱく、すがすがしい香りがひろがり、それを一口ふくむと、口の中で冷たい玉がはじけるような…。アルコールにとりつかれた男・小島容が往き来する、幻覚の世界と妙に覚めた日常そして周囲の個性的な人々を描いた傑作長篇小説。吉川英治文学新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • おそらく4回くらい読んでいる。

    とことんダメ人間な僕にもそっと手を差し出してくれるような、そんならもさんのどこか優しい物語が好きだ。

    今となってはとても古い小説だけど、色褪せることがない。
    巻末の刷数を見て、この本売れたんだなぁとか思いながら、
    同時に悲しさと寂しさも感じた。

    僕はお酒は全く飲めないけれど、いい小説だなぁ。

  • アル中男の独擅場。泥臭くて、傲慢で…ああ、こんな小説が好きだと言ったら自分の性格を疑われそう

    赤河医師がいい。
    終わり方もすてき。


  • ほろ酔いの中、読み終わった。
    アル中のおはなし。

    沈んで、沈んで、底について、見上げる。
    首が痛くなるくらい遠くて、光すら届かなくて、苦しい。

    道が横にも、ナナメにもつながってることに気がつくのはまだまだ先のことなのだろう。

    沈んでいったそこにも世界があって、道がある。

    ここにいるからこそ死ねる。

    今日はもう少しお酒を。それが何になるとしても。

  • 中島らもが読みたくなって久しぶりに手に取った。最初にこの作品を読んだのは高校生の時かなぁ。すごく魅力的な文章があり、忘れられない作品。なんだけど、ラストは私の好みではなくて星3つ。ドラマティック過ぎて、あぁ、シラケる。正直な感想。でもこういうのが、らもさんなんだなとも思う。そしてこうして読み返してみると、やっぱり乾燥した美しい文章があり、一番イヤな湿度を孕んだ会話がありほっとした。でも、今回読んで新たに気がついたけど、主人公の頭の良さはらもさんの頭の良さそのままなんだけど、物知りな感じが鼻について好きになれなくなってた。こういう人を現実で知ってしまって好きじゃなくなって、今に至る。次に読む時は何に気がつくかなぁ。

  • >「自由」というのがどんな手触りで、いかなる気配のものなのか、おれは知らなかった。

  • 自身のアルコール依存症の経験をもとにした小説
    安いトリスウイスキーを飲みながら読みたい

    かなりおしゃれな題名だが主人公はアル中患者
    アルコール依存症に関する資料が詳細に引用されていたり
    禁断症状による幻覚もとてもリアルで
    酒飲み人間には勉強になると思う
    文章からもアルコールに酔った臭いがするのに、どこか醒めた視点の小説
    酒を飲まない人にはおそらく酒に溺れたダメな男の物語

    「社会生活が問題なんですよ。一歩病院を出たら、飲み屋やバーや自動販売機だらけなんですよ。病院の外はね、アルコールの海なんですよ」


    病院で出会った他の患者や、担当の医師との会話でアルコールについて一緒に考える

    クライマックスの『アルコホリック家族とネットワーク・セッションによる援助・症例(一)』という資料
    アル中患者が周囲にどれほどの悲劇を生んでしまうのか主人公は思い知る
    それがきっかけで退院し、トリスバーでミルクをストレートで頼むラストはとても感動的だった。

    お酒はほどほどに。

    • のぞみさん
      らもさん好きです。
      私の身近にアルコール依存症の人が居るので興味深い内容でした。
      時々コミカルだけど内容に深さがあるよね
      考えさせられます
      らもさん好きです。
      私の身近にアルコール依存症の人が居るので興味深い内容でした。
      時々コミカルだけど内容に深さがあるよね
      考えさせられます
      2013/05/26
    • yuzlogさん
      >のぞみさん
      一時期ハマってエッセイや小説をいくつか読みました。リアルタイムでは知りませんが、中島らも、すごいですね。

      博学でいろんな視点...
      >のぞみさん
      一時期ハマってエッセイや小説をいくつか読みました。リアルタイムでは知りませんが、中島らも、すごいですね。

      博学でいろんな視点を持っていて、でもそれをひけらかすことなく笑いにしてしまったり。この人の頭の中は一体どうなっているのだろう…。
      2013/05/27
  • ずっと前、そう学生の頃だったかな、今宵すべてのバーでという本を読んだ(まちがった)記憶があって、古書店でこの本を見つけた時に「今夜」?と思いながら購入しました。
    中島らもさんの「明るい悩み相談室」はたのしみに読んでいた連載でした。この本のはじめの部分のアルコール中毒の記載には、ワタシにもあてはまる部分が多くてどんどん読み進みました。そだね〜こんなことあるね〜と自分を戒めながら、アル中の行く末について思いを馳せた次第であります。

  • 夜ごと飲みくだすウィスキーは、心にあいたその穴からことごとく漏れてこぼれ落ちてしまうのだった。

  • 既に500件近いレビューが有るので箇条書き。
    ・著者のアルコール依存に関連した入退院を軸にした記録的エッセイ、かな。
    ・脚色してないか?と思うほど個性的な面々が登場する。
    ・"小説を読んでいる"気分になるが、事実なんだろうなあと思い直すことしばしば。
    ・自分も精神的にはアルコール依存なので他人事ではない気もするが、比較にならない。

  • 実はまだ、中島らもさんを読んだことがなくて…と言ったら、まずはこれから、と勧められたのがこの作品。その人は正しかったと思う。
    アルコール依存症の治療が題材ながら、悲壮感なく皮肉混じりに淡々と、後半にはちゃんとずんと響く展開も用意されていて、さらっと、でも楽しく読めた。何度も繰り返し夢中になるというタイプではないけど、これからもふとした時に手に取りそう。

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著者プロフィール

1952年兵庫県生まれ。大阪芸術大学放送学科卒。92年『今夜、すべてのバーで』で第13回吉川英治文学新人賞、94年『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞を受賞。
主な著書に、『明るい悩み相談室』シリーズ、『人体模型の夜』『白いメリーさん』など。2006年7月に短編集『君はフィクション』を刊行。2004年7月逝去。

「2014年 『ロカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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