解決まではあと6人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061857131

作品紹介・あらすじ

次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。いったい、彼女の本当の目的は何なのか?やがて、それぞれの調査報告が、ひとつの輪のように繋がって隠された大事件の全容が明らかになっていく。斬新なスタイルで、読者に挑戦する華麗なるメドレー・ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 岡島二人はうまい作家だ。
    ミステリーを読み始めた時に立て続けに作品を読んだが、どれもよく練られていて堪能した記憶がある。
    未読の本作も期待に違わず面白かった。奇妙な依頼を続ける女。異なる興信所がそれを追う。そして最後にどんでん返し。プロットが素晴らしく、小気味良い。
    今は井上夢人しかいないが、まだ未読の彼等の作品を読んでみよう。

  • 先日読み終えた歌野さんの本の解説で知った著者。変わった名前だなと思っていたのだが実際に2人で書いておられるらしい。井上泉(井上夢人)さんと徳山諄一(田奈純一)さん。井上さんは知っていたが徳山さんは初耳。そしてその徳山さんは2021年に他界されていると。まぁ詳細はWikipediaで読んでください。

    この作品、ミステリの完全版、パーフェクトミステリのように思える。5W1Hを駆使した謎解き。1人の女性が各章で探偵事務所に依頼をもたらす。各章を読むだけではその大きな謎には辿り着けない。そして終章で初めて全てがつながり、犯人が炙り出される仕組み。カセットテープのデータに時代を感じる。最後、犯人はちょっと反則気味だけど構成がとても面白かった。

    岡嶋二人さんの作品はまだこれが初読みなので、今後も楽しませてもらおう。

  • 作者の積んできた経験が作品に活かされると思っているので、本書を読んで作者の多才に驚いた。と思ったら、作者はお二人なんですね。
    それにも驚かされましたが。
    だからなのか、ご都合主義な展開は特になく、違和感もなく読了。

    やはり身体に特徴のある人は、特徴のない人より気をつけて行動しないといけませんね。
    車のナンバーを1111などわかりやすい番号にする人は善良な市民だと聞いたのを思い出しました。

  • 30年近く前のミステリだけに、舞台設定はだいぶ昔感があるなぁ(公衆電話がすごく時代感)。
    WHEREとHOWの話がすごく面白かった!途中までは全く「平林貴子」の目的がわからなかったので、すごくワクワクできた。

  • よくできた物語。犯人もわからないし、展開が最後まで読めなかった。さすがです。

  • 5W1Hに沿って話が進む。どこへ進んでいくのかさっぱり分からないまま、予想外の結末にびっくり。女がいつ、どこで、に纏わる依頼を異なる探偵事務所に持ち込みそれを調べる探偵達、という構図が面白い。最終探偵オールスターで謎解きすると思ったけど外れた(笑)

  • やっぱり岡嶋二人作品は自分には読み易いし、次の展開がどうなるか気になってしょうがない構成も堪りません。右手の小指の付け根に大きなホクロなんてあると大それた事は出来ませんね。

  • 素性を隠した一人の女が、様々な興信所に妙な依頼をしていく。
    依頼の目的は何なのか、事件性があるのか、最後の1ページまで目が離せない面白い構成だった。
    あと読みやすい。

  • 構成に惹かれて手に取った初見の作家さん。

    それぞれ別の探偵事務所に持ち込まれた依頼。それらは一見なんの繋がりもなさそうだけど、回を追うごとに場所や人物がリンクしてくるのがわかる。
    四半世紀前の作品だから色々と時代を感じるところはあるけど、依頼人の目的や、隠された事件が少しずつ明らかになっていく様は結構リアルに感じた。中でも暗号解読編では丁寧に図で解説もしてくれて、その道の素人でもわくわくしながら読み進められたので1番のお気に入り。

    こういう連作短編は初めてで、思わず一気読みしてしまった。最後だけちょっと雑感はあったけど、それでも充分面白かった!

  • 「5W1H」の“探しもの”を、それぞれ6つの探偵事務所に依頼をした女・平林貴子。不可思議な依頼はやがてある一つの真実を浮き彫りにしていく。

    貴子からポンと投げられた難題は手がかりすら与えられず、探偵たちは八方塞がりからスタートします。しかし探偵のプロたちは限られた情報と知恵を働かせ、少しずつ“調査結果”に迫ります。6つの探偵編はどれも秀逸で、読み進めていくたびに連作小説のように話が繋がり、徐々に全貌が明らかになる過程はわくわくします。いよいよ解決編は…!というと個人的には不完全燃焼。饒舌すぎたかな…。
    そこを差し引いても全体として面白かったので満足です。

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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