炎立つ 弐 燃える北天 (講談社文庫)

  • 講談社 (1995年9月6日発売)
4.12
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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784061857643

作品紹介・あらすじ

黄金の輝きが招いた戦乱を制した安倍頼良・貞任父子だが朝廷は源氏の総帥源頼義を陸奥守(むつのかみ)として任命した。安倍一族と源氏の永い宿命の戦いがいま始まる。朝廷側に身を置きながらも、蝦夷たちの真実に触れ、藤原経清(つねきよ)はもののふの心を揺さぶられる。後に「前9年の役」と歴史に記される戦いへと時は流れる。(講談社文庫)


黄金の輝きが招いた戦乱を制した安倍頼良・貞任父子だが朝廷は源氏の総帥源頼義を陸奥守(むつのかみ)として任命した。安倍一族と源氏の永い宿命の戦いがいま始まる。朝廷側に身を置きながらも、蝦夷たちの真実に触れ、藤原経清(つねきよ)はもののふの心を揺さぶられる。後に「前9年の役」と歴史に記される戦いへと時は流れる。

みんなの感想まとめ

歴史の裏側に迫る物語が展開され、朝廷の権力者たちの欲望が地方の人々に与える影響を描いています。前九年の役という歴史的な戦いを背景に、安倍一族と源氏の対立が緊張感を生み出し、物語は緩急を持ちながら進行し...

感想・レビュー・書評

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  • 東北で起こった前九年の役については学校の歴史でサラっと触れた程度だけれど、この本を読んで、朝廷のオジさんたちの自己承認欲求とお金(黄金)や地位に対する執着が平和に暮らしていた地方の人たちを苦しませてきたことによる1つの帰結なのだな…と思い、正史のみを語る歴史はつまらない、学校教育の歴史はやはり勝者の歴史なのだな…とつくづく思いました。

    ※谷崎潤一郎さんなみの長文で感想を書いてみました。
    ※物語としては、ちょっとバタバタしている感じだったかな~。

  • 戦には必ず終わりがある。その終わりをどこに定めるかで将の器量が問われる。


  • 壱に引き続き緩急がありとても引き込まれた。前半、中盤、後半に空気がガラッと変わるポイントがあり飽きさせない。火が二つで炎、の部分は気持ちが熱くなった。

  • 綺麗すぎる経清より、ワイルドで蝦夷を感じる貞任が好き。蝦夷の概念が広がっていく。こうして東北が生まれてくる。

  • R4.7.24~

  • やっと…やっと心を決められてよかった。だがしかし経清、此奴が見逃したせいで、、、!と思えてならない。
    大河ドラマの方見始めたら原作読まなくなっちゃうだろうなーと悩みどころ。

  • 源頼義が陸奥守に任命され多賀城へ。
    安倍のため、奥六郡のため忍耐を貫く頼時ら安倍一族だが、源氏の名を確固たるものにし義家に継がせるという頼義の執念が再び戦さへと向かわせる。
    経清は頼時の娘・結有と結ばれ、従五位の位を授けられて亘理権太夫となった。そして陸奥守代理に。
    頼時からは、安倍の血を守るためにも安倍と縁を切るよう申し渡されたが、頼義の謀略により永衡を失ったことが安倍への離反を決意させる。
    永衡の最期が辛く、涙した。
    経清の士道は真のものだが、それ故に散るのだろうなぁと、黄海での義家との邂逅から思う。

  • 浅い。

  • 陸奥守として着任した源頼義、安倍頼良、貞任の安倍一族との死闘が始まる。
    どうしても蝦夷、安倍一族を滅ぼしたい朝廷。阿弖流為らの闘いがよぎります。おそらく、勝つことは不可能であるとわかっている闘いに、藤原経清は、もののふとして、安倍一族とともに、決起する。
    歴史物であり、結末はわかるのに、どうしてこんなにも心を揺さぶられるのでしょう。

  • 2巻目にして怒濤の展開を見せる。
    今まで奥州の歴史に殆ど知識がなかったのに、本書を読むことで活き活きとした明確なイメージを持つことができている。
    何て楽しい作品なんだろうと思いながら読み進めており、続きが楽しみです。

  •  まず、五巻で収まるのか?。そして、本巻で描かれる義家のキャラが後三年の役とぶれそうな気がしてならない。
     ただし、若年ながら老獪な藤原清衡にしてやられる少年貴公子というのなら、判らないわけではないが…。

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • 東北にスポットを当てた歴史戦争もの。西国が日本史の主流だけど、東北でこそ雪をも熔かす熱い戦いが繰り広げられていた。



     戦が始まった!源頼義との闘いが始まったぞ!!アツイ!アトゥイ!!心昂るぅ!!!謀略、謀略ぅ!!!

     源頼義のずるさが出る。でも、武士は武士だった。この頃からこんなに武士の倫理はあったのかなぁ?

    ______
    p9 鬼切部の後
     藤原登任というアホ陸奥守を安倍頼良が誅伐してその後、新たな陸奥守の着任は遅れた。朝廷は登任という誤った人選をしたことを自分たちの責任と認めてはいけない。次の陸奥守はきちんと実力のあるものを選んで、安倍氏を力でも支配における者を置かないと、後の反逆の種を撒いたままにしてしまうことになる。

    p21 戦しかない
     源頼義が新たな陸奥守に決まった。朝廷としても武士団の伸張は快く思えない。しかし、東北の東夷の勢力がこれ以上大きくなるのも快くない。目には目を、武士には武士をということか、頼義の派遣が決まった。これはもう、戦になることを見越しての人選である。それも、勝てる戦を見越しての源頼義の派遣である。
     朝廷の貴族は自分たちでは戦をしない。他人事だから東北の地の戦乱も軽く決める。この戦争で何万の兵士が死に、その家族が悲しみに暮れ、苦しい生活を送るようになるのか。考えもしないのだろう。そういう時代だった。

    p36 噂で尾ひれをつける
     頼義が陸奥守に任じられてから、それまで東国のことなど何も知らないような京の民に、俄かに東国に危機が迫っているという噂が広まった。東国で安倍氏が挙兵すれば京に攻め込み政権を奪う大合戦が起きる。そうなる前に朝廷は軍を派遣して平定してほしい。そういうように派兵はもはや民の要請になっているようだった。
     この噂はおそらく源頼義から発信されている物だと経清はいった。もし頼義がさくっと東国平定を成し遂げも「なんだ大したことなかったんじゃん」で終り、手柄にならない。仕事をする時は、手柄を大きくするために、敵は大きく仕立てるのができるやつの仕事である。

    p223 発端
     源頼義は何としても安部氏と戦をしたかった。何もしないまま帰ったところで何もない。問題はどうやって戦の口実を作るかであった。在任中、何度も安部氏に挑発をかけるも、無為に終わった。
     そこで頼義は安倍貞任に罠をかけた。頼義の軍団に護衛で就いた貞任の部隊に「頼義は貞任を罠にはめて夜討ちにかけるつもりだ、逃げろ。もし逃げなければ、頼義を奇襲したという罪を捏造され、戦争開始のきっかけにでっち上げられるぞ、逃げろ。ちなみに、陽動に使うから安部氏の旗を貸してくれ。」と密告を装い、貞任から安倍の旗をもらい、それで貞任軍を装い頼義軍に襲撃を捏造しようとした。
     ところが、義家が天然ボケを発揮してこの罠をかける前に、工作員に出会って殺してしまった。計画台無し。それでも頼義はゴリ押しで貞任の奇襲作戦を捏造し、開戦に持ち込んだ。

     不正義!!

    p285 試される
     藤原経清と藤原永衡は安倍と懇意になったが、自分の職務に順じて義頼側に付いた。しかし、頼義は二人が敵方に密通していないかを試した。そのために初戦は二人に命じた。
     経清としてもこんな戦はやりたくない。初戦もできるだけ小規模なものにしたかった。それはうまくいった。でも流れ矢で負傷した。でも、その傷のおかげで疑いは晴れた。
     しかし、永衡は無傷だった。ということで疑念は晴れず、処刑されてしまった。とはいえ確証はないのでほぼ暗殺だった。切腹ではなく背中からブスリと。
     自白を強要し、それでもだめで、「逆心を疑われるとは武士の恥だから腹を斬れ」という無理強いをした。それでも聞かず、殿の前でなら腹を切るというところまで粘った。だからもう、背中からブスリと。

     経清はこれで頼義に愛想を尽かした。


    p302 切腹の意味
     永衡にそこまで切腹を迫ったのは、あくまで逆心の罪を認めさせたかったからである。今も昔も取り調べの方法は変わっていない。自分で罪を認めさせて、正義を作り上げるのである。
     とはいえ、切腹させることには失敗した。背中の傷を隠せるように全力で工作した。

     ああ、不正義。

    ______


     結局、頼義は敗走した。正義は勝つで終わってすごくスッキリだった。

     でも歴史では安倍氏は敗れる。このあとが楽しみでしょうがない。

  • 一巻の続き。一件落着したと思いきや、今度は源氏が陸奥に乗り込んできた。
    名を挙げるため戦に持ち込みたい源氏と、戦を避けたい安部氏の策略の応酬。
    でも防ぎきれず戦に。安部氏強い!☆

  • 頼時が恐れていた源頼義が陸奥守として着任した。頼義と頼時との戦の中で頼義側に居ながら頼時の娘を妻とした経清とながひらは立場が悪くなって行く。 そして、ながひらは誅殺されてしまう。 頼義を見限った経清は頼時側につき、頼義を破った。

  • 第二巻は源頼義の陸奥の守赴任から、頼義の策謀による戦いの再開と黄海の合戦での敗退まで。
    前九年の役は詳しい資料があまりないとの事。アテルイもそうでしたが、史実以外はかなりの部分が作者の高橋克彦氏の想像(創造)で、それがかえって制約なく、面白さにつながっているように思えます。

  • 真の大河作品。

  • 源頼義&義家親子がついに陸奥入り。

    ここから長きにわたる蝦夷と源氏の戦いが始まる。

    藤原経清は安倍家へ。

    そして、源氏と安倍との戦が火ぶたを切る。

    この駆け引きは面白い。

  • 2014/02/08完讀

    源頼義受封為陸奧守,由於他已經邁入老年,身為人父希望可以留給自己兒子一些東西,因此不斷地試圖要掀起戰爭。但是安倍家買通藤原経輔,讓天皇宣佈大赦且禁止動武,暫時阻斷他的陰謀。但共計六年的陸奧守任期終將結束時,他再度製造假事故栽贓到安倍身上,安倍頼時終於決定反抗,源頼義也獲得大義名分。経清暫時身為陸奧守代理,勸永衡暫時先留下來觀察源頼義的舉動。但後來出兵之後兩人被當成棄兵誘餌,且永衡還被源頼義所殺,経清終於決定離開源頼義帳下投靠安倍,源頼義遇到大荒年,在冬季決意出兵突襲安倍,卻反而被反制,慘遭大敗,幾位重臣都戰死,但経清放過他們的性命。另一方面,安倍頼時由於爭討同族重忠被暗箭射死,貞任扛起了安倍一族的興亡。


    経清在永衡被殺之後,決意叛變,在假夜襲時對帳下士兵說:「武士とは、心の持ち様だ。まずは子や親のために武士を貫く。その上に国への忠誠があろう」,這是他一個很大的轉變,一直看到他終於願意走到這一步,身為讀者的我很焦急也鬆了一口氣。在書中可以看到好幾種類型的武士,例如老奸巨猾的源頼義,單純地相信武人之道的義家和経清,太過溫柔的永衡,一心一意為主公著想不惜濫殺無辜的源家重臣(但戰爭的時候確實很令人尊敬)。但,雖然有陰濕的陰謀和私心在其中流串,不過讀起來原則上還是很爽朗明快的作品。上一次看アテルイ,也是這種感覺,不禁覺得這位作者真的很會寫武將(看到第一卷卷末的介紹最愛蛋和浮世絵,還在大學教歷史,就覺得這真是個不可思議的人)。

    進入第二卷的時候開始覺得有點不妙,是因為整天都想要趕快回家開始看小說,一方面也很開心又可以再與這種令人上癮的作品相遇。這位作者的書其實內容很濃密,但是很意外的是讀起來節奏又很流暢明快,在充滿陰謀和貪婪的世界裡,不知為何裡面的人物卻讓人覺得清々しい。這真是很不可思議的事。

    期待第三卷。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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