晩年の子供 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1668
レビュー : 179
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061858299

感想・レビュー・書評

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  • 「ひよこの眼」が読みたくて手に取りましたが、どれも素晴らしかった。何回でも読み返したい。
    少女のなかに眠る、少女が出会う、生と死と性愛をここまで美しく描くエイミーはやっぱりすごいな。自分が少女のときに出会いたかったと強く思う。

  • ちょっと変わった女の子のちょっと変わったエピソードの短編集。
    自分は男だからよく分からないけど、女の子にはこういった視点があるのかな。女の子の方が早熟だっていうし。
    「花火」は好きだな。「桔梗」のはかなさもいい。

  • 自分の考え方や、感じ方によく似ていて、心情を重ね合わせてよむことができた。とても面白い。

  • 何年も前に読みかけて放置してたのを手にとった。たまたま夏に。夏に読んで良かった。山田詠美の幼少期から思春期を主人公・テーマにした本はとてもいい。子供のダークな部分がピリッと入ってるのがいい。女の子はこうして男の子よりも早くオトナになってゆくんだなぁ。「花火」「桔梗」「海の方の子」「迷子」「ひよこの眼」が好きなお話し。

  • 2015.8.16

  • 子供ながらに死期を悟り、晩年を迎えてしまった、と思い込む少女のお話が表題作の短編集。

    何よりもまず、晩年の子供という言葉のチョイスが素晴らしいと思う。まるでMr.Childrenのような、正反対の言葉同士を掛け合わせたことで生まれる不思議な魅力を持った言葉に感じられてならない。

    表題作は表題作で好きだけれども、『海の方の子』が1番好きだと思った。これは高校生の頃、授業でもやった記憶がある。その頃からこの主人公・久美子の気持ちがよくわかると思っていた。偽善というものは、自分に酔っている人間がする行いでしかない。見抜ける人には見抜かれているものなんだよ、と、突き付けられる感じが、痛くて、だけども心地のいい作品。誰かにわかって欲しい、見抜いていて欲しいと感じる部分をどすっと突いてくれる秀作だと思っている。

  • 詠美さんの子供の話はよいなぁ。ほとんどが同級生よりも大人びた子供が主人公だけど、感情の無秩序な動きやら特有の感覚やらが、やっぱり子供なんだと感じさせて
    記憶ではなく感覚でなつかしさ切なさを思い出す。

  • 山田さんの作品でいちばん好き。深い。

  • とても、いい!

    「ひよこの眼」が入っているから購入したのだが、まず表題作「晩年の子供」から素敵さが溢れ出ている。

    飼い犬チロに噛まれたことで、遠くない未来に自分は狂犬病に罹って死ぬと悟ってしまう「私」。
    そんなこと起こり得る訳がないと知る私たち、大人の目を嘲笑うかのように、自身を苛み、晩年の子供を自称する彼女。
    それまで自分が生きてきた道筋に対し、一枚外側から見つめる視点を獲得する所がすごくいい。

    また、「堤防」も非常に面白かった。
    海に呼ばれた「私」が、その声に逆らうことなく落ちてからというもの、彼女の運命論者としての人生がスタートする。
    運命は決められているものなのに、そこに抗おうと奮闘する人間の姿に不思議を覚えてしまう、そんな素直な彼女が素敵なのだ。

    「蝉」では、少女が苛立ち紛れに破った蝉の腹が空洞だった、という場面にヒヤリとする。
    単純な残酷さだけではなく、そこには彼女なりの生命に対する衝撃が現れていて、その衝撃に私もしばし立ち止まってしまうのだ。

    山田詠美の描く子供は、鋭く面白い。
    子供「らしくない」ように見えて、私たちには皆、世界を裏切る力を普遍的に持ち合わせていたのだろうと思う。

    その眼差しの描き方が上手い!と感じた一冊。

  • 一人称だからか、主人公の思考の海を共に渡って往く感覚が心地よい。特に「晩年の子供」は思考回路にシンクロしすぎて、主人公が悟った時は、神の啓示にも思えた。
    また「蝉」が印象的で、子供のときにしか味わえない罪の意識や、まったくの被保護者であったときのあの幸福感が甦って切なくなった。

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著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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