警視の隣人 (講談社文庫)

  • 講談社 (1995年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (380ページ) / ISBN・EAN: 9784061859616

みんなの感想まとめ

物語は、主人公ダンカンの隣人の死体発見から始まり、彼女の過去や周囲の人々との関係が徐々に明らかになっていく過程を描いています。独特のテンポで進行し、クライマックスに近づくにつれて一気に事件が解決へと向...

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズの特性が徐々にわかってきました。

    ゆっくりと物語は進み、もう少しで残りのページが無くなるという頃に、急に話が進んで事件が解決するというパターンな模様です。まぁ、そういうパターンもあるでしょうね。

    さて、この作品ですが、イギリスという国家ならではの歴史も踏まえて書かれています。なんだかんだ言っても、七つの海を支配した国ですからね。

    それと、イギリスにおけるご近所さんとの付き合い方も、興味深いですね。とはいえ、この作品が最初に出たのは20世紀で、いまは21世紀ですからね。いまもこの通りかは不明です。

  • ジャスミンの孤独が自分と重なって、深い海の底に沈んでいくような感じだった
    謎解きがそのまま人物の人生を解き明かしていくような〜
    このシリーズはどれもそんな気がする

  • 主人公ダンカンの隣人が死体となって発見される。致死量を超えたモルヒネが検出され肺癌末期で余命いくばくもない彼女が何故?ダンカンの人に対する気持ちの優しさが沁みます。

  • 警視の誠実な人柄に惹かれる。ジェマとの恋愛も少しづつ進展しそうな気配が感じられた。イギリスの景色が目に浮かぶような描写に引き込まれる。ジャスミンの部屋の佇まいも居心地が良さそう。このシリーズは大切にゆっくりじっくり読むことにしよう。

  • また、刑事としてではない、個人的に関わった事件。
    ダンカン・キンケイドの警視シリーズとしては2冊目なのだけれど、1冊目も、警視の休暇という題名のとおり、休暇中の管轄外の出来事でした。
    このシリーズは、そんなふうに、本職としてとり扱う事件というより、たまたま出会ってしまった事件と関わっていく話なのでしょうか?

    今回は、同じアパートに住む、下の階の住人にまつわる事件です。

    ダンカンの住む住宅は、3階建てで、それぞれの階にひとりずつの住人が住んでいます。
    どの住人も、ひとりで暮らしています。
    この住人同士が、交流があって、知人というより友人というような関係が当然のように描かれているのですが、そういう関係が当たり前なのでしょうか。イギリスでは?
    年齢も、性別も、まったくバラバラですが、隣人とはある程度仲良くしていくというのが、生活の仕方なのかもしれません。

    さて、ミステリーとしては、あまり派手な事件ではなく、あれ?そんなことだったの?というような結末ではあるのですが。
    読了後、数時間たらずの今思い返しても、なぜあの人が犯人だったのかすぐには思い出せないくらい。
    動機がそれほどハッキリ見えてこなくて、偶然の重なりでこうなってしまったという感じです。

    被害者というか、今回は、はっきり事件性があるのかどうかもわからないまま、話は進んでいきます。
    被害者らしい人物と関わりのある人物と話をしていく中で、ボンヤリ犯人がみえてきます。
    どの関係者についても同じくらい丁寧な描写がされます。生活環境や服装、顔立ち、話す言葉の特徴まで細かく。
    どの人が怪しいというような見当をつけることも、ほとんどできません。

    こんなふうにちょっとスッキリした事件解決に至りづらい本作なのに、シリーズの次を読んでみようと思うのは、キンケイドとジェマの人となりに興味があるコトやイギリスの地方都市や田舎の描写が目に見えるようで魅力的だから、ということでしょう。

  • 警視キンケイド・シリーズの第二作。

    2作目で警視の私生活を明らかにしてしまって、
    今後の展開は大丈夫なんだろうかと、
    余計な心配をしてしまったが、とても面白かった。

    (前作も休暇中の事件だったので、
    私生活と言えば、私生活だったが)

    2階の部屋のテラスからは北部ロンドンの街並みが見え、
    半地下の部屋の老人が手入れしてくれる美しい庭があり、
    1階の病身の女性ともプライバシーを保ちつつ交流する。
    素晴らしいお住まいだ。

    女性は肺がんを患っており、キンケイドは度々見舞っていた。
    その死は病死かと思われたが、大量のモルヒネが体内から見つかり、
    キンケイドが捜査をすることになる。
    自殺なのか、殺人なのか。
    弟や、元仕事仲間の女性やその恋人、階下の老人との関係が、
    明らかになっていく。

    仕事仲間の女性が悪い男を手を切って、
    弟と付き合う展開は全く予想していなかったが、
    良かった。

    若い頃、老女と働いていた女性が、
    ロンドンに行って仕事で成功した彼女を妬んでいたが、
    田舎で平凡な生活を送っていた自分の人生を見直すところも。

  • キンケイド警視シリーズの2作目。1作目を読んだときにはとてもクラッシクな感じと現代的な雰囲気が巧く融合した作品だと思ったが、今回は作家の円熟を感じる。通常このような展開はシリーズが回を重ね定着してきたところで、趣向を変えてといった感じで出てくるような展開。キンケイドの隣人が死亡してその過去から現在まで関係者たちの背景が丁寧に描かれている。ミステリでなくてもこういった展開で作品が成り立つのではないかと思えるほどだ。逆に推理や最後の謎解きは本当に付け足しのように最後の15ページ位くらいで決着してしまう。3作目ではどんな展開を見せてくれるのか楽しみだ。

  • ジャスミン・デントは、病に冒された身体と長い間、向き合ってきた。病気が自分にもたらす苦しみや痛みから逃れる術を求めながらも、アパートメントの窓から見える、美しい一日の終わりに、心動かされる。隣人のダンカンは、今日も部屋のドアをノックして来てくれるだろうか? 彼の訪問を心待ちにしている自分に気付く。こうして、静かに自らの時間を過ごしていたいと思っていたはずが、彼女には、再び、目覚める朝は来なかった・・・。ジャスミンの遺体を発見したダンカン・キンケイド警視は、彼女の死が、病死ではない思いを強める。では、いったい、誰が何のために、余命短い彼女を死に至らしめたというのか? キンケイド警視は、早速、捜査を始めるが・・・?◆キンケイド警視シリーズ2作目です。シリーズの中で、私が一番好きな作品です。隣人として付き合っていた女性の死に向き合い、その死をきっかけに、彼女の過ごしてきた人生とも向き合うことになったキンケイド警視。1作目では、まだ表現されていなかった、彼の優しさが滲み出ている作品だと思います。キンケイド警視とともに、ジャスミンという女性の人生を探り、彼女の記した日記を元に、彼女の過去に触れていくにつれ、切なさが溢れそうになります。こういう細やかな描写は、女性作家ならではかな、と思います。切なくて、哀しい、そんな味わいのミステリです。

  • 警視キンケイド・シリーズ第2作。

    末期がんに侵されていたキンケイドの隣人が亡くなった。病死と思われたが、遺体から致死量のモルヒネが見つかる。自殺か他殺か判然とせず、捜査が始まる。

    この著者は女性の描き方がうまい(男性は類型的)。特に印象的なのがジャスミンで、冒頭で亡くなってしまうものの、彼女の日記や人々の思い出話のなかに鮮烈な足跡を残している。前作ではそのよさがわからなかったキンケイドだが、本書では優しい人柄がにじみ出ていて好感度アップ。

  • シリーズ二作目。
    キンケイドの階下に住む孤独な女性が亡くなる。末期がんだった彼女は自然死だと思われたが、不自然さを感じたキンケイドは独自に捜査をはじめる。

    あいかわらず女性全般に優しい警視ですが、1作目よりは控え目で紳士的でした。ジェマとの関係は進展なし。

    古本で続刊をもう1冊入手してるのですが、あいだにもう1冊続きそうなので調べてから読む予定!

  • 三月は深き紅の淵を

  • シリーズ1作目を読んだときはなんだか印象が薄かったんだけれど、この2作目はなんだかすごくおもしろく感じた。主人公の警視があまり前に出てこない感じが、今やなんだか新鮮で。警視の隣人である被害者、容疑者やそのまわりの人々のことが、その人々の視線で丁寧に書かれてて、だんだんいろいろなことが明らかになっていく。警視が大活躍するというわけでもなく、地味なんだけど、穏やかさがここちいいというか。そうはいっても、警視の過去や、同僚でシングルマザーのジェマの状況なども少しずつ書かれていて、シリーズもののおもしろさもちゃんとあって。すごく好きなシリーズになりそう。

  • ?1994

  • シリーズ2作目。大好きな英国が舞台で、大好きな猫まで出てきて大満足☆

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著者プロフィール

【翻訳】西田佳子
名古屋市生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。翻訳家・大学非常勤講師。訳書に『わたしはマララ』(金原瑞人氏との共訳)『マララが見た世界』『ぼくがスカートをはく日』『赤毛のアン』『小公子セドリック』『警視の慟哭』(ダンカン・キンケイド警視シリーズ)など。

「2024年 『ユードラ・ハニーセットのすばらしき世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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