風の歌を聴け 1973年のピンボ-ル (村上春樹全作品1979~1989)

  • 講談社 (1990年5月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784061879317

作品紹介・あらすじ

『風の歌を聴け』から11年間の全小説。

1979年、群像新人賞を受賞した著者の全小説を網羅。
1巻目は、処女作と第2作目を収めるが、ちょうど小説を書きはじめた頃の事を別刷のエッセイで語る。

みんなの感想まとめ

青春の揺れ動きや人間関係の複雑さを描いた作品が、読者の心に深く響きます。最初期の2作品は、ポップな雰囲気と重苦しいテーマが交錯し、時に懐かしさや切なさを呼び起こします。特に『風の歌を聴け』では、197...

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹最初期の2作品。

    ◾️風の歌を聴け

    全体的にポップな雰囲気を纏った一作。不完全な小説であると著者自身は評しているが、それ故に青春時代の揺れ動く心がより良く描写されていると感じた。1970年の夏の19日間の物語であり、読後には過ぎ去った時を思い切なくなる。『あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風にして生きている。』

    ◾️1973年のピンボール

    前作と異なり、やや重苦しい雰囲気の一作。「僕」は死んでしまった直子への想いに、「鼠」は自身の在り方に思い悩む。『物事には必ず入口と出口がなくてはならない。』

  • 処分する前に読む母の村上本 その⑥
    として『羊をめぐる冒険』を140ページほど読んでから
    これは村上春樹のデビュー3部作だったことを思い出す

    そういえば初めて村上春樹を読んだのが『羊をめぐる冒険』
    その時は3部作だと知らなかったのに違和感なく楽しめ
    新しい!楽しい!とわくわくしながら読んだことを覚えてます

    ところがこの歳になってから『羊をめぐる冒険』を再読しはじめると違和感が

    母はなぜか最初の2冊を持っていなかったので図書館で借りることに
    1冊に収まっているこの作品集を検索で見つけたので読んでみる

    内容に関するレビューはいろんな方が書かれているのでさておき
    この作品集には小冊子がついており 
    これを読めたことがなによりの収穫でした

    この作品集が発行された1990年ごろに 
    小説を執筆した当時(1970年代)を振り返ってご本人が感想を書かれているのです!

    なぜ小説を書き始めたのか
    『群青』新人賞に応募して賞をとったいきさつ
    この2作品が夜中に台所のテーブルで書かれた最後の長編小説であること
    全集の収録にあたって多くの短編は多少の加筆を行ったが
    この2作についてはまったく手を入れなかったこと

    他の作品集にも小冊子ついてるのかな
    図書館で調べてみよう

  • 神秘的ななんとも言えないような小説だった
    おもろしろい

    ジェイズ・バーのようなところに行ってみたい

  • とりあえず、「風の歌を聴け」について書いてみました。
    https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201910070000/

  • 風の歌を聴けは良かった。
    ピンボールはちょっと意味不明。

  • 『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』、二つの作品が収録された本作。
    散文的でどことなく纏まりが無い小説の様に感じました。まるで風の様な。『僕』が自己療養の為に小説を、文を書いているんだな、と感じ、だからこそ存在するリアリティ。素敵な作品でした。昨今の作品よりもストーリーの要素は大分薄いのですが、それでも読んでいて楽しいです。

  • 風の歌を聴け
    最後の一言のための、小説だったのかなあ。
    1973年のピンボール
    ピンボールへの執着というか、、、こういうの面白いな。
    最近では「正欲」でのモノへの性癖みたいなのあったけど、こんな昔から書いてる人がいたんだ。
    村上作品を読む順番を書いているブログがあったけれど、登場人物がかぶるというか、同じ登場人物が出てくるんですね。

    村上さんが、自作を語るミニ冊子みたいのがついてて、それがよかった。

    「テーゼなるが故に不充分であり、不充分であるが故にテーゼに成りえた。」
    「シンプルな言葉を重ねることによって、シンプルな文章をつくり、シンプルな文章を重ねることによって、結果的にシンプルではない現実を描くのだ」

  • 『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』を収める。
     いずれも、再読。1985年に読んでいた。
     先日、村上氏の『職業としての小説家』や幾つかの随筆を読み、氏の処女作『風の歌…』創作に際しての試行錯誤、執筆していたときの心情についてふれ、改めて『風の歌…』を読みたくなったのであった。

    ・『風の歌を聴け』は、あっさりしている。初読後、内容記憶がきれいさっぱり消えてしまっていたのも、その淡泊さ故かなと思う。

    ・『1973年のピンボール』は、前作に比べると、哀感や翳りが増していて、手触りも読後感もちがう感じをうけた。
     夕暮れのゴルフ場を散歩する僕と双子姉妹。光と季節感の描写が巧みで、うっとりするような心地よさと美しさを感じた。
     (※85年3月に読了していたが、その翌月に、自分が実際にゴルフ場のすぐ近くの下宿に住まうことになるとは、初読していた当時は思いもよらなかった。ただし、実際のゴルフ場は金網を越えて中を散歩することは出来なかったが…。)
     ・僕の章と、鼠の章が交互に置かれて進行してゆく。『風の歌…』に続いて、鼠が登場しているのである。
    「僕」の章は、双子姉妹との生活が、配電盤を貯水池に「埋葬」することを含めてどこかファンタジーみたいな面白さがあり、さらには失われた「ピンボール台」を探し、それら無数の「ピンボール台」が保管された倉庫に出会う場面など、映画的に彩り豊かな展開が多く、楽しめた。
     一方、鼠の各章は、女との出会いと別れをじめっとたどってゆくだけで、わりと平板であった。

    ・『風の歌…』につきあった女子大生がその後自殺した、という一節がある。
    ・『1973年…』には、直子という女のコが出てくる(冒頭3pめ)。「僕」はカントの「純粋理性批判」を読んでいた。

  • 今の目で読むと、確かに私はここにスコット・フィッツジェラルドの残響を感じ取ることができる。理想に燃えた時代があり、そこで味わった敗北を噛み締めて、それでも生き続けるということ。そうして生きることが結局のところはそれこそ「崩壊」の過程でしかないとしても……その意味では『風の歌を聴け』も『1973年のピンボール』もひねくれているようで、斬新でもあるようだけど実はなかなかオーソドックスな青春小説なのかもしれないと思った。ギャグがスベっていたりアイタタタなところがあったりするのも、今の目で読むと愛らしいとも思える

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18479

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN0510177X

  • 処女作と2作目、筆者にとって未熟ではあるが再度手を入れたくない、入れられないという解説での記載が印象に残った。

  • よくわからなかったけど、なんか雰囲気イケメンな小説。

  • 風の歌を聞け

    ハートフィールドの火星の井戸を探索する小説で、
    少年の問いに風は笑い、少年は死んだ。

    時の流れは止まらない

  • (風の歌を聴け の単体が見つからない)
    相変わらず登場する人物のキャラクターや発する言葉は好きだけど、ストーリーとしてなんかこう、平坦に進んでく感じがする。

    おかげでザ・ビーチボーイズにはまる2020年夏

    2020/8/16追記
    1973年のピンボール も読んだ。
    村上春樹さんの作品はなんの変哲もない日常(変哲もなくはないのかな、耳鼻科のくだりとかその先のストーリーにあまり影響を与えそうにもないシーン)の描写→異世界への没入っていうイメージなんだけど、それはその「日常」だけが描かれているように感じた。

    半ば作業的に読んでしまってちょっと哀しい。

  • 淡々と青春の数日を記す。どうも春樹ストにはなれないみたいで、テンポに乗れない。

  • 年内に村上春樹の全作品を読み切るプロジェクト。
    持ったも初期の作品が含まれている、この本。
    シンプルな文面、メタファーたっぷりと、村上春樹の作品だなぁという感想。内容はちょっと難解で感想は書きづらいのですが。

  • 初期の村上作品を読んでみようと思い立ち、処女作と2作目の入った全集をチョイス。

    2作とも、あらすじを説明するのは、私にはちょっと自信がありません。
    ストーリーというよりも、数々の断片が積み重なったもの、という印象なのです。
    冴えた比喩や暗示的な表現、コケティッシュな女性たち、それに食欲を刺激する描写といった、後の村上作品に通じる要素はすでに健在。
    冷えたビールとフライド・ポテトが恋しくなりました。

    付録の小冊子には、著者が執筆当時のことをふりかえっての感想を綴っています。
    なるべく文章をシンプルにするために実験的に英語で書いてみた、というエピソードが印象的。
    「シンプルな言葉を重ねることで、シンプルな文章を作り、シンプルな文章を重ねることによって、結果的にシンプルではない現実を描く」という試みに、村上作品の魅力の秘密を見た気がしました。

  •  村上春樹を読み返してみたい。とのことで、『風の歌を聴け』。素晴らしい、古びていない。この文体の、軽やかさと楽しさは、本当に素敵だ。でも、『1973年のピンボール』は、普通の文体に思え、重苦しく、読むのがつらい。結論として、主人公も鼠も(多分著者自身も)、とてもいなや性格なのが、こん回よくわかった。むしろ、人間は原理的にみんな嫌なやつばかりなのだ。だから、井戸を掘り進むか、暗闇へ向かうのだと思う。『風の歌を聴け』には、のちに展開する物語の種がたくさん見つかると思う。

  • 「1973年のピンボール」
    村上春樹にイラつく人の気持ちがちょっとわかるような気がした。そうは言ってもこの作品が好きじゃないとは言えない。むしろ好きの部類。
    出口を求める気持ち。

  • <閲覧スタッフより>
    大手前大学 交流文化研究所主催 文芸講演会
    村上春樹と『阪神間文化』の周辺-私がめぐりあった作家たち-
    講師:ノンフィクション作家 小玉武 先生

    文芸講演会記念 特集展示本
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    所在記号:918.68||ムハ||1
    資料番号:10139602
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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。『風の歌を聴け』(1979年)で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。『羊をめぐる冒険』(1982年)で野間文芸新人賞受賞。『ノルウェイの森』(1987年)がベストセラーとなる。海外でも高く評価され、2006年フランツ・カフカ賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞を受賞。その他受賞多数。

「2016年 『村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村上春樹の作品

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