- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061879331
作品紹介・あらすじ
「中国行きのスロウ・ボート」「螢」など初期短篇群。数篇には改訂を加え、単行本未収録作品をも含む13篇。
感想・レビュー・書評
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初期の短編が13編収められています。
「午後の最後の芝生」の、薄暗い室内に外からさす光の中を舞うほこりを眺めているような、気だるい雰囲気が好き。
「納屋を焼く」や「踊る小人」の肌があわだつような不気味さには、初めて読んだときよりも冷静に向き合えた気がします。
それに「シドニーのグリーン·ストリート」!
このハードボイルドを気取った、コミックのようなライトなストーリーにめろめろでした。
以前どこかで読んだことのある作品が多かったですが、ストーリーそのものよりも細部を覚えている作品ばかりだったのが自分でも意外でした。
山手線のホームにあるベンチでの会話、どろどろに溶けたチョコレート、二人組による国旗掲揚の場面。
そんなキーになるシーンを読むたびに以前の読書のことが思い出されるのです。
著者独特の世界観のせいか、デジャブのような非現実感がともなって足元がふわふわしているような感覚でした。
実は夢の中で本を読んでいたのですよ、と言われたら信じてしまいそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どこからストーリーを語り始めるか。単純なようで奥が深いこの問いを、若き村上春樹は問いながら慎重に作品を書き始める。あまりにも「(ウェルメイドな)小説らしく」なりすぎないようにさり気なく、だがしかしキマった書き方をしようと……「貧乏な叔母さんの話」を読むと特に「なぜこの話を書かなければならないのか」という(多分に自問自答めいた)問いが鼻につく。だが、その真摯さというか批評家的視点があるからこそ彼が凡百の作家と(レベルの高低はさておき)違った立場に立てるのかもしれないと思うから端的に困る。なるほどユニークだが
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ノルウェーの森の原型である蛍が印象に残った。
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「中国行きのスロウ・ボード」と
「螢・納谷を焼く」の2つの本の短編が
収録された本。
村上春樹の本の良さは、
登場人物がみな魅惑的なところだなあと改めて実感。
穏やかさと健康さにはたとえ文面であれ惹かれるものだな。
「土の中の彼女の小さな犬」が好き。
自分の弱さを語りながらもそんな自分が嫌なのだろう。
一人で旅する理由も強くありたいの気持ちなのかな。
孤独に無抵抗であろうとする彼女の姿が素敵で。
またひとつ影響を受けた。 -
「カンガルー通信」の頭のイカれ具合に笑った。
村上春樹さん面白い。
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村上春樹の短編は、長編のウォーミングアップみたいなとことがあるが、韓国映画を見て気になって「納屋を焼く」を読み直した。ついでに、結局、一冊読みなおした。何も解決しなかった。気になったことは解決しなかった。
やっぱり「蛍」がよかった。そうなると「ノルウェーの森」を読みなおすことになるのかな? -
「踊る小人」のような独自の世界をつくりあげるところが気に入った。だいたいの物語の語り手は一貫して似ている。もの静かで、若干根暗であり、世の中の歯車と合わない人物像が共通している気がする。
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村上春樹の初期の短編集『中国行きのスロウ・ボート』と『螢・納屋を焼く・その他短編』を収録したもの。巻末の短編集未収の「雨の日の女#241・#242」を目当てで。『スロウ・ボート』の中では今回は「シドニーのグリーン・ストリート」が気に入った。『螢』のほうはやっぱり『ノルウェイの森』の雰囲気を感じる。
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<閲覧スタッフより>
大手前大学 交流文化研究所主催 文芸講演会
村上春樹と『阪神間文化』の周辺-私がめぐりあった作家たち-
講師:ノンフィクション作家 小玉武 先生
文芸講演会記念 特集展示本
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所在記号:918.68||ムハ||1
資料番号:10139602
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短編集。おもしろい。
著者プロフィール
村上春樹の作品





