村上春樹全作品 1979~1989〈4〉 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
- 講談社 (1990年11月20日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (594ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061879348
作品紹介・あらすじ
二つの異なった物語が並行して展開する僕と影の行きつく果ては-。谷崎潤一郎賞受賞の長篇小説。
感想・レビュー・書評
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『ハードボイルド・ワンダーランド』で理不尽な目にあい続ける計算士の「私」と、『世界の終わり』で夢読みとして一角獣の頭骨の光をたどる「僕」。
交互に書かれる二つの物語。
SFであり、ファンタジーであり、ロマンスであり…シリアスな展開にもどこかユーモアがあって、ほんとうにもう、はじめの一行から、終わりの一字までずっとおもしろかった。
現実は、だれにとっても納得し難いことに溢れているけど、なにを強要されても心だけは自由というか、死に場所は自分で決めるんだっていう心意気というか。
村上作品の主人公の頑なさにいつも憧れます。
どうでもいいですが、作中の季節は秋と冬なのに、いつも夏に読んでしまう…たぶん、最初に読んだのが夏だったから夏に再読したくなるんだろうなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて読む村上作品。『ハードボイルド・ワンダーランド』と『世界の終わり』の二つの話が交互に描かれて話が進んでいく。二つの世界が織り成す静と動の対比の中にどんどんハマっていきページをめくる手が止まらなかった。二つの円が少しずつ重なっていくように二つの世界がつながっていくのを感じた。かなり細かいところまで綿密に描写されていてその精巧さに驚く。是非再読してより理解を深めたいと思った。
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私がずっと心の中で訴えたかったものを代弁してくれた作品.
村上春樹に好感が持てた.
「世界の終り」がなんと静かで穏やかなものか.
自分たち一人一人にもこんな世界があると考えると,なんだか今の目の前にある現実が,無意味とまでは言わないが,必死になって縋り付いてそこで生きなければならないというほどものではないと感じられるようになり,生きるのが少し苦痛じゃなくなった.否,苦痛が嫌いじゃなくなった.
ついつい色々考えてしまう.なので★5つ. -
村上作品の中で 私はこれが一番好きだ
世界の終わり と
ハードボイルドワンダーランド という
まるで 裏表のような ふたつの物語が交互に同時進行
最後は 涙が出た
続編があったら いいのにな~ -
村上春樹で好きなのはこれと「ねじまき鳥クロニクル」と「ダンス・ダンス・ダンス」。
そもそも図書館で働くことにキュンとしたのは村上春樹が原因である。
そしてたまたま今吸ってる煙草が赤ラークのロングサイズ…。
シンクロしやすい村上春樹。
ビールとサンドウィッチを食ったのは言うまでもない。ウィスキーも。大人になったもんや。 -
数十年ぶりに読み始めたが本が重くて読みづらいためか、はたまた村上春樹の気分になれないためか前半でザセツ。
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改めて読み返すと実に理不尽な話だ(私が「私」だったら黒幕を一発殴ってると思う)。だが、その理不尽さを生きる主人公の生真面目さと優しさにこちらを感情移入させる手付きはやはり流石としか言いようがない。だからこそ『カラマーゾフの兄弟』を援用したラストの「祝福」が(そして「世界の終り」パートでの「再生」が)心を打つのだろう。今から30年以上前の高校生の頃に読んだ時はここまで考えられなかったけれど、その意味では酸いも甘いも噛み分けたオトナのための「ライトノベル」なのかもしれない。あるいは「引きこもり」小説なのかも?
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