ムーミン谷の彗星 (ムーミン童話全集 1)

制作 : トーベ・ヤンソン  Tove Jansson  下村 隆一 
  • 講談社 (1990年6月22日発売)
3.79
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  • 82レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061882218

作品紹介

赤く長い尾をひいた彗星が地球にむかってすすんできます。ムーミン谷は大さわぎ。ムーミントロールは遠い天文台へとでかけます。

ムーミン谷の彗星 (ムーミン童話全集 1)の感想・レビュー・書評

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  • ムーミントロールが小さいスニフと彗星のことを調べるために遠い天文台へ旅にでるの。
    途中で、スナフキンや、スノークのおじょうさんたちと出会い、怖い思いをしながらも、無事に、ムーミン谷まで帰ってきた。ちゃんと宇宙と彗星のことを理解してね。
    ムーミンの成長や、スナフキンの名言など大好きな場面は、多々あるのだけれど、今回わたしはムーミンママに乾杯!そう、ムーミンの世界って訪れるたびに心に響く言葉や、キャラクターが変わってしまうのだ。だから、何度も読み返したくなる貴重な物語なのであ~る。

    いつ地球がこわれるかわからないときに、ムーミンママは、ムーミントロールを旅にだしちゃうの。
    それが、ちょっといってらっしゃいよと、近所にお使いを頼む感じなんだわ。
    当然、ムーミントロールは、こんなときにイヤだよと断っちゃう。
    だけど、ママは天文台で宇宙や彗星のことがちゃんとわかったら、みんなが助かるし、ママも安心するわと言ってね。
    だいすきなママが不安じゃなくなるなら、ぼくはがんばる!男の子ならきっと勇気をだしちゃうよね。

    ママは、おなかのくすりやウールのズボンなどなど持ちきれないほどの旅の準備をしてくれる。
    かわいい子には旅をさせよとの諺もあるよね。
    本当は、ママもこんなときに大好きなこどもと離れたくないのだろうけれど、地球が滅びることしか考えられなくなっているムーミンたちを、どんと背中を押すように旅へだしちゃう。

    おいしいグラタンをつくって待っているよ、日曜日には、おうちに帰ってくるのよってね。

    その言葉のとおり、ママは彗星がどんどん近づこうが、地球が滅亡すると世界中がパニックになっていようが、いつものようにおうちしごとを続けるの。くちぶえをふきながらね。
    ムーミンたちを出迎えるために、しょうがビスケットをやき、デコレーションケーキをしあげながら。
    ちゃんとおうちで、ムーミンたちを待っている。
    ムーミンママが、子どもたちの帰るおうちなんだよね。

    ママの笑顔は太陽だ。

    わたしもママというおんなじ立場として、子どもがどんなに困難なことや、災難に見舞われようとも1日のおわりに、おうちにかえろうと言ってくれたら。
    それが一番どんなにほっとすることでしょう。

  • 大好きです!

    この淡々とした語り口とユーモアの中に、自然や家族への愛が散りばめられている!

    物語の始まりは、ムーミンと、小さなどうぶつであり、家族でもあるスニフとの幸せな小さな冒険から始まる。
    「いつかはわからないけど、ちゃんと帰ってくるからね。」と、ムーミン。
    「気をつけてね。」この一言で送り出すママ。
    このシーンでこの一家のお互いを尊重し合う関係を思いった。無理に干渉せず、信じあっている家族の形が本当に素敵で羨ましい。

    そこにおかしな哲学者のじゃこうねずみがやってきて、地球が滅びると預言する。パパとママは、ムーミンとスニフを旅に出すことにする。遠い山の天文台に行き、宇宙がどんなかを調べてくるようにと。

    天文台への旅の途中で出会うスナフキン、彼の存在がとても大きく、自由と真実を私たちに語り、教えてくれる。
    「何でもでも自分のものにして、もって帰ろうとすると、むずかしいものなんだよ。ぼくは、見るだけにしてるんだ。そして、たちさるときには、それを頭の中へしまっておくのさ。ぼくはそれで、かばんをもち歩くよりも、ずっとたのしいね。」
    このセリフが本当に彼の全て。そして、現代人の私たち読者へのメッセージ。なぜそんなに所有するのか?
    …物語の中で何度もスナフキンは所有することの馬鹿らしさを語ってくれるのだけど、同時に誰よりも愛と強さを示して、安心させてくれる存在なのだ。

    ワガママで子どもらしさ全開のスニフとは違い、ムーミンは前向きで、ママを、家族をしっかり信じて己の道を進む男の子。
    まだ会ってもいないスノークのおじょうさんのことを話に聞き、すっかり恋してしまう。
    「彗星なんか、ママが何とかしてくれる、でも今はスノークのおじょうさんのことたすけなくちゃ」と、恋に奔走するムーミンもまた愛おしい。ママの大きな愛を知っているからこそ、恋をし、女の子を大切にできるのかもしれない。

    天文台からの帰り道の旅は、それは辛いものなのだけど、最後までママを信じて歩き続ける。それこそがこのムーミン一家のお話の核になるのではないかしら。こんなふうに、私も子育て出来ただろうか…大人になってしまったので、そんなことを考えながら、またおかしな登場人物たちに笑いながら、とにかくワクワクと最後まで読むことができた。

    子供の頃に見たアニメのムーミンのことはすっかり忘れ、この物語に没頭することができた。それにしても、子ども向けのお話で、哲学者をだしてきて、さらにカタストロフィについてまで語り始める…北欧のなんというか自然の懐の深さを感じずにはいられない!!

    おっと、スニフの大切なひみつ、上が『ね』で、下が『こ』のことも、お忘れなく(・∀・)

  • みんな自由ですね。
    文句ばっかり言うスニフをそのまま受け入れつつも「そうかんたんに、自分の責任はなくならんぞ。」と釘を刺したり。
    自分の息子でも、必要があれば危険の中に送り出したり。
    自由には責任があるという事もしっかり書かれています。

  • 作者生誕100周年でよくみかけるけどそういえば読んだことなかった!アニメも世代じゃないし。さすがの面白さ。続きも読みたい。

  • 自分の好きなことをきちんと知っていて、ひとを咎めたりせずに、自然体でいられるのが、ほんとうに「自由」だな、と、ムーミン谷のいきものたちを見てて思います。

    自由と孤独を愛するスナフキン、物語のなかでも特異に魅力を発揮してます。
    「海が帰ってくるのを、見ていようよ。」のシーンがお気に入りです。
    児童向け書籍ですから、ひらがな中心のやわらかな文体が、いつもいいな、と思います。

  • 実はいままで読んだことがなかったムーミン本。ほんわかメルヘンなお話というイメージがあったのに、なんと第1作は、彗星が地球に衝突するという「地球滅亡話」であったとは。すべてのものがどす黒くなって、赤い星がだんだん大きく迫って来て、海が干上がって海の底までさらけ出されてしまうという終末の世界の様相が、ほんとにこわい!そして、そんななかでもいつもどおりにケーキをやいて、洞窟にまでバスタブをもっていきたがるムーミンママの偉大さにひれ伏したい思いです。
    いちど地球が滅んだあと、洞窟の外に出てきてみる世界は、元の地球に見えて、もしかしたらほんとは違う世界になっているのかもね。でもふだん通りに生活をまわしていく気持ちさえあれば、そんなこと大した問題ではなくなるのかもしれませんよ。ママ、おそるべし。

  • 大雨、暗闇、太陽の接近。ムーミン谷が何だか普通ではありません。赤い彗星がやってくるのです。ムーミンとスニフは遠いおさびし山の天文台に彗星観測に向かいます。衝突まであと4日、ムーミンたちは無事に逃れることか出来るでしょうか…登場人物たちが皆、可愛らしさだけでない、人間味や個性を備えています。自信がなくてネコに執着するスニフ、時々ひねくれるムーミン、ネガティブなじゃこうねずみ…そこへスウェーデンの深い森や洞窟などが登場するので、全体的に不思議でじっとしりた独特の空気が流れています。子どもの頃はよくわからなかったけど、今読んでその不思議さに魅かれていきました。スナフキンの台詞が魅力的。スノークのお嬢さんがムーミンにメダルをあげるシーンが好き。冒険はハラハラドキドキ。挿絵が物語にピッタリ。

  • はじめてムーミンの物語を読んだ。ムーミンはわりと嫌な奴で、スナフキンは思っていたより格好良くなかった。だけど人間らしくて(トロールだけど)、彗星どうなるんだってわくわくするし、これこそ児童書だ!と思った。もし自分にいつか子どもができるようなことがあれば、5歳の誕生日にプレゼントしてあげたいと思う。
    ムーミンの物語にはよく知られているように、素敵なセリフがたくさん出てくるんだけど、中でもいちばんぐっときたのは、ムーミンがアンゴスツーラを罵倒して言った言葉。
    「おまえは、死んだぶたのひるねのゆめみたいなやつだな。」

  • 2011/05/23
    このシリーズは子どもの頃から大好き。
    哲学的なスナフキンと、それに憧れつつも、でもやっぱり自分らしく生きるムーミン。
    なんて、素敵な世界観。

  • 2014.7/8 ムーミン作品としては一番古いものから始めようと思い、こちらを手に取った。彗星衝突という事態を目前に控えた不穏なムーミン谷、それぞれが支離滅裂な思惑で動いているなか、揺るぎないのは皆のムーミンママへの信頼。子どもを持ついち母親としてあるべき姿を見た。

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