ム-ミン谷の仲間たち (ムーミン童話全集 ムーミン童話全集 6)

  • 講談社 (1990年10月22日発売)
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  • 本 ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061882263

作品紹介・あらすじ

ひとり旅をつづけるスナフキン、すがたが見えない女の子ニンニ、小さなりゅうを見つけたムーミントロール──。ムーミン谷に住むたのしい仲間たちの、心にしみる9つの物語(ナイン・ストーリーズ)。

感想・レビュー・書評

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  • ニンニの話が良かった。
    その後アニメやムーミンバレーの劇を見て
    泣いてしまった。

    私も戦う勇気を持たないとなぁ…(๑•̀д•́๑)

  • ムーミン一家だけでなく、ムーミン谷に住む仲間たちの9つの短編。
    姿が見えない女の子のニンニの話「目に見えない子」が心に残った。そしてスナフキンのやさしさが見える「スニフとセドリックのこと」もすごくよかった。

  • トーベ・ヤンソンの鋭い洞察力と、人の弱さをゆるすまなざしを、この巻では特に感じる。宝物のような短編集。

    「春のしらべ」 スナフキン と ティーティ=ウー
    スナフキンもティーティ=ウーも大好き。

    「ぞっとする話」 ホムサ と ミィ
    空想で遊ぶのが好きなホムサのぼうやと、空想で遊ぶのも大好きなミイのおはなし。

    「この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ」 フィリフヨンカ と 陶器の子猫
    オデュッセイアのナウシカ姫が、海へ洗濯しに行ってオデュッセイアと出会ったのを読んだ時から疑問だったけれど、海の近くに住む人は、海で洗濯をしていたんだな。びっくり。異文化だ。

    「じゅうたんをあらうには、海の水がいいといわれていますのよ。色がちっともさめないんですって。それに浜辺はとてもいいかおりがしますものね……。」p.70

    嵐を乗り切ったフィリフヨンカが、以前の自分には戻らないと誓ったシーンが美しい。

    「世界でいちばんさいごのりゅう」 ムーミントロール と 友情
    スナフキンは、ムーミントロールの気持ちと、彼との友情を守るために小さなりゅうを遠ざけなくてはならなかった。
    けれど、自分を慕ってくれる小さなりゅうを見捨てるのをすまないと思っていたから、せめて、と、大事な帽子でくるんでやったんだ。
    スナフキンは、自分にとって大切なことが何か、わかっている。彼は自分の大切なことを守ることができる。
    でも、大切なことを守るためには、別の人を傷つけることが、避けられない時もあるのだ、とも理解している。

    誰かを傷つけるためにするわけではなくても、人が傷付くと分かっていることを、しなくてはならない時もある…。
    その時に、どうすればいいかの、最良のお手本を、スナフキンは見せてくれている。
    スナフキンはやっぱりかっこいい。
    帽子なしのスナフキンもかわいいよ。一瞬、「誰だ。」なんて、思ってないからね。

    「しずかなのがすきなヘムレンさん」 ヘムレンさん と 子どもたち
    ヘムレンさんが、生まれて初めて自分の家の鍵を開けて、また閉めるシーン、感動する。

    「目に見えない子」 ニンニ と ムーミン一家
    おしゃまさん再び。

    ひとはあんまり辛い思いをし続けると、見えなくなってしまいたいとおもうことがある。
    ティーティ=ウーのはなしとおんなじくらい好きだ。

    「ニョロニョロのひみつ」 ニョロニョロ と ムーミンパパ
    この後、「小さなトロールと大きな洪水」につながるのかな。
    ムーミンパパが、「昔した悪い生活」のことを語りたがらないのは、ニョロニョロたちと過ごした時間が、まったく素敵な冒険ではなかったから、だったのね。

    「スニフとセドリックのこと」 スニフ と スナフキンのおばさん
    フィリフヨンカの話と同じくらい好きだ。

    「もみの木」 はい虫 と すてきなクリスマス
    冬眠して素敵な夢を見ていたのに、おせっかいなヘムルにたたき起こされたムーミン一家は、「クリスマス」を迎えるために、ご近所の人たちがみんな血相を変えて準備しているのに気がつきます。
    どうやら、クリスマスさんのためには、モミの木を飾り付けて、たくさんのプレゼントとごちそうを用意しなくてはならないそうなのです。正体不明のクリスマスさんのために準備を整えたムーミン一家のパーティーにやってきたのは、ちいさなはい虫たちでした。
    この中に、ティーティ=ウーはいたのかな。

  • 短編集。今のところムーミン谷の冬の次に面白い。特に春のしらべ、この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ、しずかなのがすきなヘムレンさん、目に見えない子が名作。

  • SKYでこの間までムーミンやってたと言う事で読む事にしました
    ニンニのストーリーが主題だったそうです

    前から感じてた事だけど
    この世界観は児童書にしておくのにちょっと違和感
    自然災害とか老齢年金とか
    子どもたちの世界にはあまり出てこないワードだもんね

    でも、これを読んだ子どもたちは人生につまづいた時に
    悲観的にならずに歩いていけるかも
    嘆き悲しむより前へ進んでいる印象

    ニョロニョロっていうネーミング日本独自だよね
    親しみを感じるなぁ
    しかしその生態って本当に不可思議
    電気タイプなんだよね
    種で増えるから草タイプでもある笑

    物語に入り込めない時は訳が気になる
    わかりにくい古い表現があって大人っぽい文章だったり
    フィンから英語になって日本語訳されてるから?
    直訳なのかな?
    まぁそれが異世界ぽく感じたりもするんだけど
    最近に新訳が出ているようなので気になります

  • 6巻目。ムーミン谷の仲間たちの九つの物語。
    スナフキン、ホムサ、フィリフヨンカ、ムーミントロール、ヘムレンさん、ニンニ、ニョロニョロ、スニフ、はい虫。個性豊かな面々と、おなじみムーミン一家とのやり取りが軽快で面白い。
    ニンニは知ってたけど、お話読んだのは初めてだった。人はあんまり皮肉を言われると透明になって姿が見えなくなってしまうらしい。自分らしく生きるって、大事だけど難しい。

  • 挿絵が素晴らしい九つの物語。

  • 多様性の許容、素の自分を認めること、許すこと

  •  各話の主人公らの抱える悩みは、いずれも純文学の採り上げるテーマのようだ。
     そもそも、年金の支給を待望する遊園地入場係が童話の主人公になれるものだろうか?
     小国寡民で理想郷のようなムーミン谷も、住民はディスコミュニケーションその他に悩まされ、あいつぐ天変地異に見舞われる点、内憂外患、住みやすいとは言い難い。

     既刊に比べ、イラストがあっさりしている。トーベさん、忙しかったのかな。

  • ムーミン童話を読んで世界性について考える。

    世界へ向けて書くということ、日本の読者へ向けて書くこと、世界市場を視野に入れて書くこととか・・・・、でもそういった姿勢は普遍的なもの足り得るのだろうか?

    あらゆる人へ向け書くこととも違う。そして他者性と言ってしまえばわかったように書けるが簡単にいえるものでもない。

    ただもし人間が悟性的でありそしてそこからの秩序としての理性的なものへ従う義務を見出しその先に学問としての知性を見て取るならばそういったものは普遍的命題=真理として普遍的なものとして世界性といえると思う。

    そういった世界性を視野に入れて創作をしてみたいと考えている。
    ムーミン童話をよみ世界性について少し考察してみた。

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著者プロフィール

1914年、ヘルシンキ生まれ。画家・作家。父が彫刻家、母が画家という芸術家一家に育つ。1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。66年、国際アンデルセン賞作家賞、84年にフィンランド国民文学賞を受賞。主な作品に、「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)、『彫刻家の娘』『少女ソフィアの夏』(以上講談社)など。

「2023年 『MOOMIN ポストカードブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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