アイドルは名探偵 (講談社X文庫 95-1 ティーンズハート)

著者 : 井上ほのか

• 講談社 (1988年4月1日発売)

感想・レビュー・書評

[shuwachoさんの感想 · 2013年3月8日]

　この挿絵を車内で広げるのはかなり恥ずかしい。
14歳のアイドル、真名子が、大作映画の主演俳優がらみの殺人事件に挑む。
この時代のアイドルっていう空気がなんとも懐かしい。
展開は速いし、2ﾄﾞﾗ並にバタバタ人が殺される。とにかくスピーディ。ある意味考える猶予を与えないって感じ？
登場人物があまりいないので、早々に犯人はわかるけど、赤川次郎なみのモノを求めているわけではないので、まあまあ面白かった。
これが作者18歳のデビュー作というからプラス★１つ。
欲をだせば、犯人の動機にもう一ひねりあったら、とか克樹との関係ももう1歩進めてほしかったかな、とか思うけど、シリーズらしいので今後どうかなるのかも。
とりあえず、何も考えずに楽しめる１冊。2ﾄﾞﾗでやったら面白いかも。

[はろーすみすさんの感想 · 2016年8月15日]

事故死した大物俳優が主演を務める映画の代役に名前の挙がる若手俳優3人が次々と命を狙われる80年代ライトノベルミステリ。トレンディな少女漫画テイストと侮るなかれ。なかなかどうして本格です。カラクリそのものは月並みながら撮影所という場を活かし、トリック成立のための舞台を仕立てる周到さにポテンシャルの高さが窺えます。作中、真名子たちがお遊びで披露するクイズの裏を掻いたような“正解”にはコンゲーム的なケレンもあって、本筋以上に唸らされました。