アイドルは名探偵〈3〉愛してるっていわせたい (講談社X文庫―ティーンズハート)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 20
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061903401

感想・レビュー・書評

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  • ミスディレクション、レッドへリングの泳がせ方、情報開示のタイミングと演出がやたらにうまい。ティーンズ文庫と侮るなかれ。

    アイドルの八手真名子(やてまなこ)とボーイフレンドで歌手の藤原克樹が、日舞の名門桜童子(おうどうじ)流の後継者争いにまつわる殺人事件の謎を解く。文体は80年代ラブコメといった感じで、いまの中高生が読んだらドン引きかもしれません(AKB主演で映像化したら案外ハマるかもしれないが)。
    しかし、メインとなる殺人のトリックが見事。それがラブコメ調の物語の主題と絡みあっていて、ストーリー運びの巧みさに感心。さりげない伏線も効いています。

    某所で某氏のおすすめをみて、騙されたと思って読んでみました。若干舐めていたせいもあってか、恥ずかしながらまんまとやられました。甘めの採点での★★★★ですが、思わぬ掘り出し物です。

    調べてみたらこの作者、島田荘司氏推薦でのデビューらしいです。

    • kwosaさん
      九月猫さん! おはようございます。

      いわゆる「新本格派」って、ほとんど読んでないんですよね。
      九月猫さん激オシの有栖川有栖さんもまったくの...
      九月猫さん! おはようございます。

      いわゆる「新本格派」って、ほとんど読んでないんですよね。
      九月猫さん激オシの有栖川有栖さんもまったくの未読で。
      『孤島パズル』読んでみたいんですけど、まず『月光ゲーム』を読まなきゃ。そしたらシリーズ全部読まなきゃ、っていろいろ考えていたら二の足を踏んでしまって。
      大体がいつもこのパターンです。

      梶龍雄(梶竜雄名義もあり)さんはブクログで教えてもらった『龍神池の小さな死体』ではまりました。
      それからちょこちょこ集めていたのですが、なぜかいま中古市場で価格が高騰していて驚いています。
      時代によって文体がかなり「アレ」なものもあるので要注意ですが、それでも内容は本格マインド溢れ、伏線の回収がすばらしい作品が多いです。
      ブックオフで見かけたら、即ゲットです。

      西村京太郎さんはトラベルミステリにはノータッチですが、初期作品がいいみたいですね。
      個人的には『殺しの双曲線』がおすすめです。
      「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです」
      1ページ目に挑戦的なこの文章が!
      長らく絶版だったのですが、最近講談社文庫から新装版で復刊されたようです。
      ご興味があればどうぞ。

      九月猫さんのレビュー、僕も楽しみにしています。
      おたがい読みたい本がたくさんあって大変ですね。でも幸せなことですよね。
      2013/05/10
    • 九月猫さん
      kwosaさん、こんにちは♪

      冒頭からメイントリックに言及ーーっ!?
      『殺しの双曲線』めっさ気になります。
      復刊されたとの情報もい...
      kwosaさん、こんにちは♪

      冒頭からメイントリックに言及ーーっ!?
      『殺しの双曲線』めっさ気になります。
      復刊されたとの情報もいただいたことですし、読んでみたいと思います。
      梶龍雄さん『龍神池の小さな死体』もブックオフで見つけたら捕獲します!

      有栖川有栖さんは、便宜的に「新本格派」に入れられることが多いし、
      便宜的にはわたしもそういう前提でお話するのですが・・・
      有栖さんご自身もちょこちょこおっしゃっておられるように
      ほんとうは「新本格派」ではないと思っています。
      カーやクイーンに例えられるだけあって、ロジックを大切にする、
      クラシックでスタンダードな作風の「推理作家」さんだと思います。
      学生アリスシリーズは冊数があまり出ていないので、
      もしお気が向いたら読んでみていただけると有栖さんファンとしてはうれしいです。
      (やはり刊行順がおススメです。)

      つい長々とお邪魔しました(*_ _)ペコリ

      読みたい本にたくさん囲まれているのも幸せ(そしてもちろん大変!)ですが
      本のお話ができるっていいですね(*´∇`*)
      2013/05/13
    • kwosaさん
      九月猫さん!

      ブックオフで梶龍雄をみかける僥倖があれば、タイトルの如何を問わず即ゲットです!

      「新本格派」の定義に始まり、ジャンル分け等...
      九月猫さん!

      ブックオフで梶龍雄をみかける僥倖があれば、タイトルの如何を問わず即ゲットです!

      「新本格派」の定義に始まり、ジャンル分け等にもまったく疎いもので......
      でも、九月猫さんの解説でますます「学生アリス」シリーズが読みたくなりました。
      刊行順にチャレンジしてみますね。

      本の話ができるっていいですね。
      いつでもお越しください。大歓迎です。
      こちらも時々お邪魔しますね。
      2013/05/13
  • 日舞の師匠にして17歳の未亡人によって持ち込まれたパーティーの席での変死事件の解決依頼に真名子と克樹が乗り出すミステリ。ミステリの王道テーマである衆人環視の宴席での毒殺トリックに真っ向から挑んだ作品です。少女小説ならではの説得性に裏打ちされた物語はあまりに切なくやるせなく、それ以上に犯人の冷徹なまでの残酷さと執念の深さを感じさせます。レーベルがレーベルだけにミステリファンの間での知名度はほぼ皆無に等しいですが"美しすぎる毒殺トリック"として広く読まれて然るべき質の高さです。

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