黄昏のベルリン

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 18
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061939585

感想・レビュー・書評

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  • 職場の先輩が飲み会で教えてくれた本。
    飲み会で本の話をするのはすごく珍しくて、とても嬉しかったので読んでみることにした。

    誰かに薦めてもらった本は、その人の印象と重なり合う。
    なるほど、あの人はこういう本が好きなのだ、と。

    場面や語り手が次々と移ってゆくのと、1文の長さが最初は少し読み難かったけれど、だんだん物語の中の謎に引き込まれていった。
    無知な私でもいくつかのことをしっているアドルフ・ヒトラーという人物の影響が強く残っている世界(時代?)の話。
    物語の中に登場するような組織が現実に存在するのかどうかは知らないけれど、あっても不思議ではないなと思える。
    ただ、人間を自分の理想のための駒としてしか見ていないことと、それを平然と言い放つ神経が不快だ。

    物語の途中で魅力的に思えた謎は、結局歴史そのものが持つ魅力であり、実在した1人の人間の魅力だった。
    物語の登場人物と彼らの思惑は、その裏側が明らかになった途端にその魅力を失ってしまった。
    最後自分とその子供の未来を犠牲にする女性の決断さえも、意味があることに思えなかった。

    でもこの本を読んで、初めて史実に興味を持てた。
    史実と言っても、今私が触れることの出来る情報が私の知りたいことであるかは分からないのだけど。
    それでも今の気持ちが薄れる前に他の本も読んでみたいと思う。

  • 久しぶりに現代小説を読んでみた。どうしてもベルリンという文字に目を取られて購入してしまったのだが、否定はしないが肯定もしない。ただ慌ただしくストーリーが流れていくだけだった。

    「黄昏のベルリン」

    女の色気に惑わされた日本人の画家に、ゆとりなどまるでない。東京とドイツを舞台にしてあっても人間の心…だけを中心に美しい風景も連想できなければ暖かい食事も出てこない。

    現代人を無理やり過去に引きずり込んだ上に「あなたの父親は…」無理がありすぎる。いやぁ~オチがこれじゃあねぇ~www謎解きの工程が無理やりすぎる上に登場人物を断片的に描いては片付けていく…う~ん……

  • しっとり日本情緒溢れるミステリも巧いのに、本作のように国際色豊かなミステリも素晴らしい!

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著者プロフィール

連城三紀彦
一九四八年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。七八年に『変調二人羽織』で「幻影城」新人賞に入選しデビュー。八一年『戻り川心中』で日本推理作家協会賞、八四年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞を受賞。九六年には『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。二〇一三年十月死去。一四年、日本ミステリー文学大賞特別賞を受賞。

「2022年 『黒真珠 恋愛推理レアコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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