耳をすませば (世界の子どもライブラリー)

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  • Amazon.co.jp ・本 (53ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061947528

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  • 夏休みのはじめ11才だったカタリ-ナ(小さなケーテ)が、汽車に乗って田舎の農場で暮らすハンス叔父さんの処に向かう途中、ロスヴィ-タという動物と話のできる不思議なおばさんとの出会いに始まるドイツ人作家エルテ・ハイデンライヒの心に響く物語。 「動物が話すのって、聞いたことないんだけど」「その気になってじっと耳をすませたことがないからよ。 ただ辛抱強く、じっと耳をすませばいいの」・・・ハンス叔父さんの飼う動物たち(リュ-マチを病むイヌ、改名を望む老いたロバなど)とカタリ-ナとの心のふれあいに、切なさがこぼれる。

  •  図書館で借りました。

     ファンタジー。児童書。
     不平不満の愚痴の多い母親を持つ女の子が主人公。犬としゃべれる女性と汽車の中で知り合い、小さなゲーテは動物と話せるようになる。農場をしている伯父のところにゆき、老いた犬や猫たちとしゃべり、楽しい夏を過ごす。その女性は伯父と結婚する。
     伯父はうんと年を取っていたので、その奥さんを残して先に死んでしまうが、奥さんは墓の前であったことを報告する。
     ゲーテはなんで?と思うが、女の人はおじさんには「聞こえている」という。
     でも返事は聞こえないよね、というゲーテに対して、「聞こえる」というのだった。
     動物としゃべれることを教えてくれた女性であるからゲーテは信じる。
     やがてゲーテの母親が死んで、墓参りにゆく。母の好まない人生を歩んでいるゲーテは報告しながら、母親が文句を言いそうだなと思う。そして背中を向けると、墓から母の声が。
    「ほんとうにもう」

     終わりの一言がいい。この一言のために、お母さんはずっと文句を垂れ流してきたわけだから。
     この中で、自分はたぶん、このお母さんに近いんだろうなと思う。
     でも、そのどうしようない愚痴を墓場の中から吐いたのを、聞いてくれる娘がいるって幸せだよな。
     
     これは、宮崎の映画とは無関係。

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