新太平記(5) (山岡荘八歴史文庫 山岡荘八歴史文庫 9)

  • 講談社 (1986年11月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (470ページ) / ISBN・EAN: 9784061950092

作品紹介・あらすじ

恨みをふくんで比叡の後醍醐天皇の許から冬の北陸路を落ちる義貞。前途には敦賀金(つるがかな)ヶ崎城の、史上に残る飢えと寒さの地獄の籠城戦が待っている。足利兄弟の策にはまった天皇は義貞を退け京へ還ったが、その処遇は苛酷をきわめた。吉野への脱出には成功したものの南朝側に陽がまた昇る日は来るのか。完結篇。

みんなの感想まとめ

物語は、後醍醐天皇のもとを離れ、義貞が厳しい冬の北陸路を進む姿を描いています。飢えと寒さに苦しむ籠城戦や、足利兄弟との確執が織り交ぜられ、理想と現実の対立が浮き彫りになります。特に、楠木正成と新田義貞...

感想・レビュー・書評

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  • 吉川英治『私本太平記』と山岡荘八『新太平記』を続けて読んでみた。

    足利尊氏を主に前半では佐々木道誉を絡めて、室町幕府の成立と、その後の足利兄弟、高師直との確執までを描いて、足利の一族である覚一検校の引き回しで物語を終えた吉川『太平記』に対して、楠木正成、新田義貞の親政の理想派と、足利兄弟の武家幕府再興の現実派との対立を描いて、新田義貞の死を持って物語を終えた山岡『太平記』。

    二作を読んだ後に、先に読んだ吉川太平記の意味がわかりかけてきた。

    時代や、主題の捉え方はともかくも、吉川太平記の方が気に入った。とにかく文章が綺麗だと思った。先に吉川英治を読んで『太平記』という時代に興味を持っていなかったら、山岡荘八は読み通せなかったかもしれない。
    山岡荘八はかなり昔に織田信長を興奮しながら読んで以来の作品だったけれど、もちょっとこの先はなかなか読めんかも知れん。

    本作品中では、理想の人として楠木正成、新田義貞実利の人として足利尊氏という対比で描かれていたが、山岡が前者を、吉川が後者を主人公として太平記を描いたという対比もまた、二人の作者の捉え方として面白いかなと思った。

    古典『太平記』は読んだことはない。

  • 太平記を新田義貞や楠木正成、名和長年等、後醍醐天皇側視点から描いたシリーズ。
    公家と武士との関係は、この太平記の肝であり、やるせなさを感じる。
    楠木正成の最後に向けての展開にはグッと来るものがあるが、それ以降の新田義貞の最後にかけての展開は、なんとも盛り上がりに欠けて、ちょっと残念。

  • 前巻の湊川での楠木正成の死を皮切りに、本巻では後醍醐天皇の頼りにしていた武将や公卿が立て続けに死んでしまい、最後には新田義貞も道端で遭遇した軍勢にあっけなく討ち取られ、舎弟義助と勾当内侍はそれをまだ知らずに福井へ向かっている、、という切なすぎる終わり方。

  • 坂本に引きこもって京の足利軍を迎え討ち、京を奪い返すために攻めかかるも連携できず名和長年も討死する。足利方の調略に乗ったふりをして後醍醐天皇は還幸したが、東宮たちを義貞に預け、義貞は北国からの再起を図った。足利直義は後醍醐天皇を幽閉する。主上を失った新田勢は兵を集めることができず、金ヶ崎城で絶望的な籠城戦を続けた。後醍醐天皇は吉野に脱出、義貞も落城前に落ちて再起を図る。東宮は脱出したものの捕まってしまった。陸奥の北畠顕家は西上を開始、鎌倉を落として雪解けを待たずに単独で美濃へ進撃したが洲俣で敗北、伊勢路へ逃れた。男山八幡に新田義興が立て篭もり、後詰めしようと北畠顕家も高師直勢と戦い敗死。越前を手にしようと戦っていた義貞も討死し、物語は終わる。

  • 山岡太平記のファイナルステージである。
    北朝方の足利尊氏、直義、高師直らが、南朝側の後醍醐天皇を取り入れようとし、幽閉し、また吉野へ逃げる。
    その間に新田義貞、脇屋義助らは気比氏の力を借りて北陸で再起をかける。一進一退の攻防の中、北畠顕家らが鎌倉を再度攻略し、京へ向かうが敗北し、次々と南朝側の戦士が倒れる。山岡太平記のファイナルステージは、新田義貞の死で終わるが戦いは続いていく。

  • 山岡荘八版太平記完。
    楠木正成、新田義貞ら、南朝方を主軸に展開。
    断然、足利尊氏を主軸としている吉川英治版の方が面白い。
    なんといっても、新田義貞は血筋は嫡流に近いが、田舎武士であり、心意気、覚悟、人望全てにおいて劣っていた。山岡荘八版新太平記5巻は読むに耐えない。お連れした南朝の皇子を置き去りに、死に場所を失った見苦しい最後と言える。

  • 楠正成を読んで興味を持ち読み始めた。
    天皇の政治から武家政治に移行していく中で、互いに主権争いが永く大きな犠牲を強いる戦いへと展開していくが、天皇の系統が2派に分けたのが、そもそもの大失態であった。
    今更ながら世界に類のない皇室がここまで継承されてきているのには、大きな犠牲があったことに感慨深い。
    現在の日本国民の象徴としての天皇は、こうした歴史の変遷を経てきた結果であり、大切にしていかねばならないと考える。
    この本以降の変遷についても読んでみたい。

  • 死に遅れた。虚しい。

  • 消化試合
    新田義貞があっさり死んで終わった
    もうちょっとなんとか…

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著者プロフィール

明治四十年(1907年)新潟県に生まれる。十四歳で上京し、博文館印刷所に文選工として働く。長谷川伸に師事、山岡荘八の筆名を用いる。昭和二十五年(1950年)より、北海道新聞に『徳川家康』を連載開始。昭和二十八年(1953年)単行本の刊行が始まり、ベストセラーとなる、『徳川家康』により、第二回吉川英治文学賞を受賞。以後、歴史小説を中心に創作する。昭和五十三年(1978年)七十一歳で亡くなる。

「2023年 『水戸黄門 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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