- Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061950290
作品紹介・あらすじ
長篠の役は織田・徳川連合軍の圧勝に終わり、武田騎馬軍団は潰滅した。この戦いで、日本の戦術を一変させた信長の武名は天下に轟き、家康も日増しに貫禄を加えた。しかし戦国の世は甘くない。信長の疑惑をこうむった家康は嫡子信康を切腹させ、正妻築山殿を斬らねばならなかった。哀しきかな戦国!
感想・レビュー・書評
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「家康は妻と子を信長に殺された」、歴史の教科書ならこんな一文になってしまうのかもしれないけど、こんなドラマがあったのかと。こういう小説で読むと昔の人の命に対する考え方の軽さに驚く。
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信康の死は家康にとって大事件だったことを改めて認識した。
武田家の滅亡と糸を織りなして進む巻だった -
長篠城を少数で死守する奥平九八郎の話、
武田勝頼と信長家康連合軍が対決した長篠の合戦、
築山御殿と信康の最期、
高天神城の牢に幽閉された大河内源三郎の話、
最後は武田の滅亡。
内容の濃い巻だった。
そして、家康と信長の関係性が、盟友から天下人(家来と主君)に変わっていく。 -
人間はみな完璧ではない。家康も、築山殿も、信康も。そういう中でもがいているのが人間だ。
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矜持。信康切腹の信長からの命令も、人の指図は受けぬとして、命を受ける前に自ら切腹させる家康の矜持。すごいの一言。しかし信康が、こんな性格の悪い奴だったとは、この小説で初めて知りました。でも最後は可哀想。それをいえば、勝頼も可哀想。ほんと戦国時代って残酷な時代と改めて感じさせられました。そして信長。天下人として、振る舞いが変わりつつあり、終わりの始まり。本能寺で死ななかったら織田家と徳川家はどうなったのか、ということも考えさせられました。
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長篠の戦い、信康の死、武田家滅亡と、かなり感情を揺さぶれる一冊だった。特に信康を処断する時の心の読み合いとか、謎かけとか心理戦とか、凄いな。登場人物一人一人の心理描写が微に入り細に入り。
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家康を父に持ったが故の苦悩、懊悩、葛藤、焦り、迷い。
それが、全て愚の行動へ出てしまった。
そして、最後には父の偉大さ、己の愚行を悔い、自害。
信康、21年の生涯を閉じた。
そして、武田家でも同じようなことが勝頼の身に起きる。
武田家が滅亡して、信長がまた一歩、天下取りに近づいた。
ここまで、分かりやすく、面白く話を紡ぎ出せる山岡荘八に脱帽である。 -
長篠合戦~武田家滅亡まで。
武田家の最後のシーンは、やや冗長か。 -
長篠の合戦の模様が面白かった。一対一で名乗りあってから戦うものから、隊列を組み銃を使って一撃で大量にダメージを与える手法に変わったとのこと。
この戦で敗れた武田勝頼一族の滅亡は悲劇。家康の嫡子 信康の切腹もここで初めて知った。
小侍従を信康に斬られた姫が、信康とよりを戻すのは納得いかない