毛利元就(1)(山岡荘八歴史文庫 49)

著者 :
  • 講談社
3.52
  • (17)
  • (54)
  • (61)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 342
感想 : 45
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061950498

作品紹介・あらすじ

応仁の乱から30年。世はまさに乱世。中国地方もまた、山口に大内義興(おおうちよしあき)が前将軍足利義尹(あしかがよしただ)を擁して上洛をねらい、出雲には老虎尼子経久(あまこつねひさ)が牙を光らせていた。その二大勢力の間に揺れる小国安芸の毛利家に生まれた元就。かりそめの平和は父弘元の死で終止符を打たれた。10歳のみなし児城主の運命は‥‥‥。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ちょっと地味だが、「3本の矢」の話は、有名。中国地方の大名。関が原の戦いで敗れたが、残る。最近は、戦国BASARAで有名かもしれない。

  • 山岡荘八は初読だが、なかなかおもしろい。
    十歳にして父を失い、城主となった元就こと松寿丸。だが家臣の裏切りで領地を奪われる。兄も謀殺され、その嫡男も早世。聡明な元就は家臣団をまとめ「百万一心」を合い言葉に、宿敵武田元繁を滅ぼし、大内と尼子が二分する中国で着々と勢力をひろげる。

    一巻は本家の家督を二十七歳にして正式に継ぐ。そして大内側に与して、尼子と対立するまでの四十代に。かなり駆け足気味で話がすすむ。

    彼も井伊直弼とおなじく埋もれ木の人材だったのだろう。彼は決して最初から野心を抱いていたわけではなかったし、ただ戦国の世に安寧をもたらしたかった。

    愚弟を失った悲劇が、あの三本の矢の伝説を生んだのだろう。

  • 山岡荘八の中では読みづらい方に入る気がする、というか文体がどうも苦手である。

  • 幼少期に父を亡くし、命を狙う家臣から見を守るため分家、兄が亡くなった折にはその嫡子、幸若丸を後見する立場となるが、その子も幼くして夭逝してしまう。
    百万一心を掲げて家臣団の結束を強め、戦国の非道の中、理想を心に秘め日頃から思慮を尽くして生き抜いていく姿。

    戦国の初期にこうした人物が出たことが、驚き。早くに両親と離れている上に、戦経験も無く初陣で華麗な勝利をおさめ、且つ理想やあるべき姿勢を見失わない。
    大内義興や尼子経久といった強者には、こうした跡継ぎは生まれなかった。時代の流れ、また子孫の出来不出来とお家の繁栄が、この時代を形作っている。毛利家もまた、今後三本の矢がそれぞれどのような道を辿るのか、見ていきたい。

    ひいてはそれが、輝元不出馬の関ヶ原に、大きな影響を及ぼすことになる。

  • この歴史小説は、長州藩の始祖?の毛利元就の一生の歴史小説です。
    この一巻(上巻)では、誕生から隆元出発まで。

  • 毛利元就の半生を描いた歴史小説。1964年と古い作品なだけあって分かりやすい人物設定でサクサク読める。周りの者が虫の眼状態のときに一人だけ鳥の眼で俯瞰できる英雄。勧善懲悪で、驕れる者は久しからずの展開。もちろん「三本の矢の教え」も出てくる。中国地方の武将を改めて認識できて面白かった。そういえば「信長の野望」の開始直後に、陶晴敬が大内義隆を倒す謀反イベントがあったなあ。。

  • 全2巻 ある 2

  • 百万一心 百代一心

  • 応仁の乱から三十年。日本国中手のつけられぬほどに乱れ、文字通り乱世であった。
    中国地方もまた、山口の大内義興が前将軍足利義尹を擁して上洛を狙い、出雲では尼子経久が守護を追放して月山富田城を奪い、山陰一帯に基盤を作っていた。
    その二大勢力の間に揺れる小国・安芸の毛利家の次男として生まれた松寿丸。
    しかし母の病死に続いた父・弘元の突然の死が彼の幸福な時代に終止符を打つ。
    毛利本家の家督を継いだ兄・興元は都に出仕したまま戻らず、松寿丸は十歳にして孤児の城主となるが、将軍家を二分する戦の風は彼の幼い首にも容赦なく吹きつけ、命を奪おうとする――。

    一巻では元就の前半生、重なる身内の不幸と家臣団の裏切り。そして松寿丸を必死に守り育てる、父の側室・杉の方と一部の心ある家臣の奮闘から毛利本家相続まで。当主の早世が続き、家臣団が分裂する毛利領を狙う各軍との戦いが描かれています。
    童門先生版ではその境遇から世を拗ねた人間不信の子供に描かれていた松寿丸ですが、山岡先生版ではからりと無邪気な甘え上手な子に……!!
    武士嫌いの杉の方の心も奪ってます。
    でも、ある程度成長してからは苦労のせいか随分慎重派に、そして理想と目的を持って戦う武将になりました。

    しかしこの山岡先生版、歴史的資料とは一致しない部分が多数あります。作中での経過年数とか年齢の計算がおかしい…かな? と思うところも。
    歴史に題材をとった「創作」と割り切って読むのがよろしいかと。

  • 毛利家の家督を継ぐ歳の戦略はみごと

全45件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

明治四十年(1907年)新潟県に生まれる。十四歳で上京し、博文館印刷所に文選工として働く。長谷川伸に師事、山岡荘八の筆名を用いる。昭和二十五年(1950年)より、北海道新聞に『徳川家康』を連載開始。昭和二十八年(1953年)単行本の刊行が始まり、ベストセラーとなる、『徳川家康』により、第二回吉川英治文学賞を受賞。以後、歴史小説を中心に創作する。昭和五十三年(1978年)七十一歳で亡くなる。

「2023年 『水戸黄門 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山岡荘八の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
司馬 遼太郎
司馬 遼太郎
和田 竜
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×