樹影 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 24
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061960091

作品紹介・あらすじ

被爆地長崎。敗戦後3年目の夏、華僑の女柳慶子と画家麻田晋は出遭った。原爆病に脅かされる二人はいたわり合い、自らの生を確かめるように愛し合い、十数年の苦痛の果てに死んで行った。著者の故郷長崎の、酷く理不尽な痛みを深い怒りと哀惜をこめて強靭に描く。原爆を告発した不朽の名作。野間文芸賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 長崎で暮らす妻子ある画家と、喫茶店を営む華僑の女性の十年にわたる恋を描いた作品。
    深く愛し合った二人がそれぞれに抱える絶対的な孤独、健康への不安の根底に、1945年8月9日に長崎に投下された原爆の存在がある。
    戦後、深い傷跡から次第に回復していくかに見える長崎の町を舞台に、潜みつづけたまま癒えない傷をさらす原爆という暴力が描かれていた。
    また、画家と華僑の女性の恋の描写、絵画という美術に関わる描写、サークル活動、日中関係、華僑組織という複雑な様相が巧みに描かれていて、内容の濃い一冊だった。

  • 再読。
    地元の春節祭を機に10年振りに本棚から出しました。
    激動を生き抜く女の生き様は、実に見事で有り、物悲しい。

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