夕べの雲 (講談社文芸文庫)

著者 :
制作 : 阪田 寛夫 
  • 講談社
3.96
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  • 本棚登録 :234
  • レビュー :19
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061960152

作品紹介・あらすじ

何もさえぎるものない丘の上の新しい家。主人公はまず"風よけの木"のことを考える。家の団欒を深く静かに支えようとする意志。季節季節の自然との交流を詩情豊かに描く、読売文学賞受賞の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 初読時に感想を書かなかったので、こちらに2回目の感想を。

    4年ぶりに読み返し。新聞連載の家族小説にせつなさを感じ過ぎだろうか、なにかここに自分の弱点があるよなあと心配になりながら、やはり名作であったことに安堵と喜びを感じた。

    控えめでやさしい奥さん、しっかり者のお姉ちゃん、バカ男子ふたりの家族を見つめる大浦さんの生に対する覚悟が、何にも起きないほんわりした日常の描写を通じて伝わってくる。いつまでも憧れ続けるにちがいない世界。

    梨、ぎんなん、風邪のときに飲む大根おろし入りのお茶の話が好き。

  • 丘の上の新しい家に越してきた家族が、その土地になじみ毎日を過ごしていく様子を穏やかに描いています。

    この小説には、萩、金木犀、山茶花、ムカデ、梨・・・といった季節季節の自然が出てきます。
    自然と交流しながら成長していく子供達、子供とのやりとりを楽しみ支えていこうとする主人公の父親、家族にそっと寄り添う母親が目に浮かびます。

    一見して、平凡で当たり前で目立たない、落ち着いた生活を見つめた作品です。
    しかし、作者の柔らかく美しい文章が、そうした生活の尊さや深さに気づかせてくれます。

  • 最後の解説を読んで納得した。
    のちに「我が家の園芸部長」と言われる長女が学生時代、園芸部だったことちょっと面白かった、筋がね入りだなって。

  • 静かだけど、毎日変化している 自然と 家族を リンクさせて記述した短編集。各章のタイトルが出てきたところを起点に 物語が転じる


    「うまくいかないことは目立つが、うまくいっていることは案外 目立たない」が この本のテーゼ



    風は 大きな変化、自然破壊、戦争 を意味するのではないか。そんな中でも 静かに 毎日変化している自然と家族は 案外うまくいっている というふうに 解釈した

  • 特別大きな事件が起きるわけではない。多摩丘陵のひとつである丘の上に引っ越してきた大浦家の日常を、淡々と描いたお話。
    大浦家の温かさが心地よく、何気ない日常がどれだけ愛おしいものか考えさせられます。時代は違うのに自分が子どもだった頃を思い出し、懐かしく、少し切なくなりました。
    『方丈記』の冒頭が頭に浮かんでくるのは私だけでしょうか。
    きっとまた読みたくなるときが来ると思う。
    安雄と正次郎、可愛かったな。

  • ずっと読んでみたかった本、読み終えてしまった。
    少しイメージとは違った。
    何となく緊張感があり、少しカタさもあった気がする。
    もっとも、一気読みする類の本ではないだろうから、
    読み返したら印象も変わるだろうけど。

  • 息子達の小学校の新聞で、校長先生が紹介していた本です。

    私が住んでいる地区のむかしの頃の様子を書いたお話です。
    日々の生活が書かれているのですが、何か優しい感じがして楽しく読めました。
    庄野潤三さんは今でも、この地区にお住まいで私が良く行くスーパーにもお買い物にいらっしゃるそうです。

    長男の同級生のママが、
    「庄野潤三さんを見かけたら、教えてあげるわね」と言われて楽しみにしているのですが・・・
    なかなか、タイミング良くお会いできません。

  • <poka>
    小田急線生田駅近くの西三田団地が舞台の家族小説。
    大学がその近くだったので懐かしかった。
    文体は穏やかで疲れることはありません。こんな文章を書きたくなります。

    <だいこんまる>
    ビートたけしは、生田大学のあの階段を上るのが面倒で大学を辞めたとか。

  • 小説だが、自分の家族のことを描いている。大好きな作品。

  • 毎日の生活と並行して展開してゆく、リアルタイム私小説。

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