走れトマホーク (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 21
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061960190

作品紹介・あらすじ

奇妙なユーモア溢れるアメリカ旅行記「走れトマホーク」。身辺私小説仕立ての「埋まる谷間」「ソウタと犬と」。中国の怪異小説家に材を取る「聊斎私異」など、多彩な題材と設定で構成されながら、一貫する微妙な諧調-漂泊者の哀しみ、えたいの知れない空白感。短編の名手の円熟した手腕が光る読売文学賞受賞作。表題作を含む9編を収録。

感想・レビュー・書評

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  •  簡潔で、かつ、正確に多くのことを物語る文章はやはり素晴らしく、シンプルなのに、まず真似は出来ないだろうなぁ、と感嘆してしまう。
     特に心情の表現が素晴らしく、下手すると単に自意識過剰なだけのどうでもいい人間の内実と捉えられかねない場面でさえも、読み手の心の奥深くにまでグサリと突き刺さってくる書き方がなされている。
     ただし、当作品に関しては、エッセイ風の小説(あるいは小説風のエッセイ)が大半を占めているので、単純に「面白い短編集を読んだ」という気分にはなれなかった。
     それが悪い、ということではないのだが、安岡章太郎初体験となる「ガラスの靴・悪い仲間」があまりにも面白かったので、ちょっと肩すかしを食らわされた気分、ということなのだろう。

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著者プロフィール

安岡章太郎(1920年5月30日~2013年1月26日)小説家。高知県生まれ。1941年慶應義塾大学文学部予科入学、44年に陸軍に応召、満州へ送られるも胸部疾患で現役免除。戦後復学するが、脊椎カリエスを患い、48年英文科を卒業。51年、文壇デビュー作「ガラスの靴」が芥川賞候補となり、吉行淳之介、阿川弘之らとともに「第三の新人」と呼ばれる。53年、「悪い仲間」「陰気な愉しみ」により芥川賞受賞。60年、『海辺の光景』で野間文芸賞、67年、『幕が下りてから』で毎日出版文化賞、74年、『走れトマホーク』で読売文学賞、82年、『流離譚』で日本文学大賞、89年、『僕の昭和史』で二度目の野間文芸賞、91年、「伯父の墓地」で川端康成文学賞、96年、『果てもない道中記』で読売文学賞(随筆・紀行賞)、2000年、『鏡川』で大佛次郎賞等、数々の文学賞を受賞。2001年、文化功労者。

「2018年 『僕の昭和史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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