白痴・青鬼の褌を洗う女 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061960503

作品紹介・あらすじ

"戯作者"の精神を激しく新たに生き直し、俗世の贋の価値観に痛烈な風穴をあける坂口安吾の世界。「堕落論」と通底する「白痴」「青鬼の褌を洗う女」等を収録。奔放不羈な精神と鋭い透視に析出された"肉体"の共存-可能性を探る時代の補助線-感性の贅肉をとる力業。

感想・レビュー・書評

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  • 安吾ほど女という生き物をいとおしんでいる作家もいないと思う。
    この本に出てくる女達は、皆淫乱で不実だが愛らしくいじましい。
    女は女であってほしい。
    そして男は、男であってほしいと思う。

  • 白痴がとても面白かった。ずっと題名だけは知っていて、こわい話なのではないかと構えていたから、いい意味で裏切られた。白痴が女に見える瞬間と、そうでないときのちがいが鮮やかに心を通りすがる。

    恋をしに行くを目当てで買い、何ヶ月か前に本作だけを読んで好きだと思った。けれども今回もう一度はじめから通して読んだときは、知らず知らずのうちに読み終えてしまった。

    波子、続戦争と一人の女が良い作品だと思った。

  • 時代は戦中、戦後すぐくらいの短編集。
    なんだか切ない。時代のせいなのか人間のせいなのか。
    それともそういうものなのか。

  • 再読。安吾の描く女性はどれもとても魅力的。基本的には妖婦タイプなのだけど、一般的な魔性の女、ただひたすら男を誑かすタイプの淫奔さだけではなくて、内側に虚無を抱え込んでいるような、死を内包しているようなところが独特。とくに好きだったのは「木々の精、谷の精」と「青鬼の褌を洗う女」

    ※収録作品
    「ラムネ氏のこと」「ふるさとに寄する讃歌」「帆影」「木々の精、谷の精」「波子」「真珠」「白痴」「外套と青空」「女体」「恋をしに行く」「戦争と一人の女」「続戦争と一人の女」「青鬼の褌を洗う女」

  • 古い言葉は読みづらいからざっと読んだけど、主人公の女性が気怠く魅力的。

  • 坂口安吾の書く女主人公の話が好きで好きで好きで好きで……

    とにかく好き
    どうしたものか

  • 久しぶりに読み返した。やっぱり坂口安吾はすごい。
    高校生の頃は白痴が良かった覚えがあるけれど、今読んだら断然青鬼…の方が好きになっていた。傑作。

  • 堕落論も好きだったけど、なぜかこの「青鬼の褌を洗う女」が好きで、何回も読んだ。この主人公の女性、脳味噌がとけてる感じ。女性の本能で生きている。エレンディラもだけど、娼婦で聖女、ってゆうのが文学にでてくるとこうなるのかな。私が男だったら惚れると思う。

    青空文庫で発見。50年たってる?
    http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42877_27761.html

  • 当時友達みんなに勧めた。

  • びっくりした
    安吾やばい
    私もそれがすごく欲しいけど
    どこにあるのかも、存在するのかもわかんないよね

    すべては爽やかでみたされていて退屈
    なのになんでこんなに懐かしいのでしょう

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著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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