鞄の中身 (講談社文芸文庫)

著者 : 吉行淳之介
  • 講談社 (1990年5月2日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061960817

作品紹介

自分の死体を鞄に詰めて持ち歩く男の話。びっしりついた茄子の実を、悉く穴に埋めてしまう女の話。得体の知れぬものを体の中に住みつかせた哀しく無気味な登場人物たち。その日常にひそむ不安・倦怠・死…。「百メートルの樹木」「三人の警官」ほか初刊7篇を含め純度を高めて角編成する『鞄の中身』短編19。読売文学賞受賞。

鞄の中身 (講談社文芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いわゆる「第三の新人」たちの作品って、あまりメジャーな文庫から出てないからとても歯がゆい。
    この講談社文芸文庫は廃刊を作らない代わりにちょっと値段が割高。元来、吉行の作品は合う合わないが激しいと思うのでまずは図書館で読むことを勧めます。

    この人の作品って、決して正統派じゃないし、何がいいたいのかわからないものがほとんどだけど、何となく手にとってしまう。
    かゆいところに手が届くというか、言語化できないもやもやした感情を代弁してくれる。

    優等生嫌い(中2病)の人におすすめ。

  •  なんでこの本を選んだのかすっかり忘れてしまったけれど、きっと正統派?日本語に触れたくなったのかもしれない。

     これは、吉行淳之介の短編19編を集めた文庫本である。そして、くるっと裏をひっくり返してみて驚いた。なんと、1cmほどの厚さの文庫にしては異例のお値段1300円と表記されているではないか。

     それはともかくとして、この短編集。短編と呼ぶにはあまりに短い掌編小説と言えるようなものも多々あるが、完成度が高い。文章はたらたらと長く書くものではないんだなぁと、反省させられることしきりである。

     それにしても、昭和の前期〜中期を描いたものでありながら、人の心をとらえるということにおいて、古きも新しきもないのだなあと実感させられる。みずみずしくて、それでいて、すぱっと切れるような研ぎ澄まされた感性は、最近の直木賞などではとうていお目にかかれないものだ。

  • 旅行に持っていった本で一冊だけ薄い短編集がまぎれこんでいて、そのせいでなんかすんごいスケールが狭いように感じるんだけど、『暗室』のイメージしかなかったおれにとって、こういう怪奇譚的なのは新鮮。童謡から物語をつくるってもの好き。あとあんまり関係ないけど、おれの中で余裕だと答えたいとき「余裕のよっちゃん」じゃなくて「余裕の吉行淳之介」って言うのがマイブーム。

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