鞄の中身 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 77
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061960817

作品紹介・あらすじ

自分の死体を鞄に詰めて持ち歩く男の話。びっしりついた茄子の実を、悉く穴に埋めてしまう女の話。得体の知れぬものを体の中に住みつかせた哀しく無気味な登場人物たち。その日常にひそむ不安・倦怠・死…。「百メートルの樹木」「三人の警官」ほか初刊7篇を含め純度を高めて角編成する『鞄の中身』短編19。読売文学賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • いわゆる「第三の新人」たちの作品って、あまりメジャーな文庫から出てないからとても歯がゆい。
    この講談社文芸文庫は廃刊を作らない代わりにちょっと値段が割高。元来、吉行の作品は合う合わないが激しいと思うのでまずは図書館で読むことを勧めます。

    この人の作品って、決して正統派じゃないし、何がいいたいのかわからないものがほとんどだけど、何となく手にとってしまう。
    かゆいところに手が届くというか、言語化できないもやもやした感情を代弁してくれる。

    優等生嫌い(中2病)の人におすすめ。

  • 読売文学賞

  •  なんでこの本を選んだのかすっかり忘れてしまったけれど、きっと正統派?日本語に触れたくなったのかもしれない。

     これは、吉行淳之介の短編19編を集めた文庫本である。そして、くるっと裏をひっくり返してみて驚いた。なんと、1cmほどの厚さの文庫にしては異例のお値段1300円と表記されているではないか。

     それはともかくとして、この短編集。短編と呼ぶにはあまりに短い掌編小説と言えるようなものも多々あるが、完成度が高い。文章はたらたらと長く書くものではないんだなぁと、反省させられることしきりである。

     それにしても、昭和の前期〜中期を描いたものでありながら、人の心をとらえるということにおいて、古きも新しきもないのだなあと実感させられる。みずみずしくて、それでいて、すぱっと切れるような研ぎ澄まされた感性は、最近の直木賞などではとうていお目にかかれないものだ。

  • 旅行に持っていった本で一冊だけ薄い短編集がまぎれこんでいて、そのせいでなんかすんごいスケールが狭いように感じるんだけど、『暗室』のイメージしかなかったおれにとって、こういう怪奇譚的なのは新鮮。童謡から物語をつくるってもの好き。あとあんまり関係ないけど、おれの中で余裕だと答えたいとき「余裕のよっちゃん」じゃなくて「余裕の吉行淳之介」って言うのがマイブーム。

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著者プロフィール

1924年、岡山市生まれ。新興芸術派の作家吉行エイスケと美容家あぐりの長男。妹に女優の和子と詩人で芥川賞作家の理恵がいる。2歳の時、東京に転居。1944年、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため4日で帰郷。1947年、東京大学英文科中退後、大衆誌『モダン日本』の記者となる。大学在学中より『葦』『世代』『新思潮』などに短篇を発表、1952年から3回芥川賞候補になり、1954年に「驟雨」で芥川賞を受賞。安岡章太郎、遠藤周作、庄野潤三、小島信夫、阿川弘之らと共に「第三の新人」と呼ばれた。1994年、肝臓癌のため死去。
 主な著書に『原色の街』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』(芸術選奨文部大臣賞)『暗室』(谷崎潤一郎賞)『鞄の中身』(読売文学賞)『夕暮まで』(野間文芸賞)などがある。

「2018年 『廃墟の眺め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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