わが切抜帖より・昔の東京 現代日本のエッセイ (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (1991年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (282ページ) / ISBN・EAN: 9784061961579

みんなの感想まとめ

昭和の東京を舞台にした随筆集は、穏やかな筆致で読者を魅了します。著者が引用した記事を通じて、当時の人々の生活や心情がほんわりと伝わり、まるでその時代を共に過ごしているかのような感覚を味わえます。特に、...

感想・レビュー・書評

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  • うす甘い和菓子みたいな、フルコースの途中で供されるシャーベットのような随筆集ふたつの合本。おだやかでおっとりとした、ときどきにっこりさせられてしまう文章。最近癖のある本ばかり読んでいたので、あたまがリセットされた。

    『わが切抜帳より』は、永井さんがおやっと思った記事を引用しつつ、思うところをつらつらと述べる形式。総じて今より人が忙しくない、昭和30年代の空気がほんわり伝わってきた。また、引用されている正宗白鳥の随筆「知人あれど友人なし」がとてもよかった。「みんな死んじゃったし。てか若いころから親友っていなかった」って、いい。そういうタイプの人の存在には、知るたびに勇気づけられる。

    『昔の東京』は戦前の東京の思い出話。東京オリンピック開会式の浮き立つような気分から、大正時代の隅田川の川開き、文藝春秋社での若き編集人時代を綴る「二昔三昔」が特によかった。当時の直木三十五がオトナすぎて困惑。今の私と対して年が変わらないのになあ。

  • 古い本だが、とても面白いかった。私が古いからもしれないが、東京が真から変わった実態を、手に取るように感じられる。前のオリンピックのことも出ていて、今の情勢とも比較できた。魚市場の日本橋から築地への移転騒動も詳しく記されていて、豊洲への移転とつながった。直木三十五など名前を知っている作家の人も、普通の人のように出て来て興味深かった。

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