落花・蜃気楼・霊薬十二神丹 (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (1992年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (286ページ) / ISBN・EAN: 9784061961630

感想・レビュー・書評

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  • 「落花」のみ中編であとは短編。「落花」は表題から何か純文学的寄りのものを予想していたら意外にもエンタメ寄り(?)の石川淳で、長編として展開しても面白そうな題材だった。主人公はカメラマンの助手をしている福三、彼は上役より有能な助手のみが加盟できる秘密結社「手の会」の一員であるのだけれど、その「手の会」の幹部と、新興宗教団体の教祖をめぐる陰謀に巻き込まれてしまう。精神病院の地下牢に閉じ込められた元教祖、それを助け出そうとしている無神論者の娘とその手下の紳士、精神病院で実験(手術)をしては被験者を死なせてる怪しい医者、新教祖として祀り上げられるオペラ歌手志望の狂った少女など、ある意味安部公房的なスラップスティックともいえる世界で繰り広げられる悲喜劇。

    短編は時代ものが多めで、心中もののモデルにされた娘の幽霊が作者の近松に苦情を言う「近松」や、戦国時代まで遡る霊薬の由来が口碑として伝えられる「霊薬十二神丹」、江戸時代に流行った疱瘡の薬として生胆をとられそうになった狐たちが会議をする「狐の生肝」などが、意外なオチもあって面白かったです。

    ※収録作品
    「落花」「近松」「今はむかし」「蜃気楼」「かくしごと」「霊薬十二神丹」「狐の生肝」

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著者プロフィール

作家

「2020年 『石川淳随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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