十一面観音巡礼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061961869

作品紹介・あらすじ

"女躰でありながら精神はあくまでも男"荒御魂を秘めて初々しく魅惑的な十一面観音の存在の謎。奈良の聖林寺の十一面観音を始めに、泊瀬、木津川流域、室生、京都、若狭、信濃、近江、熊野と心の求めるままに訪ね歩き、山川のたたずまいの中に祈りの歴史を感得し、記紀、万葉、説話、縁起の世界を通して古代と現代を結ぶ。瑞々しい魂で深遠の存在に迫る白洲正子のエッセイの世界。

感想・レビュー・書評

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  • 「崩れ(講談社文庫)」 のレビューで幸田文と白洲正子が重なる、ってことを書いたのですが、実際に、この本の中で、お二人の邂逅が描かれていて、感慨無量でした。白洲正子は、幸田文が「五重塔」に取憑かれた、と書いていますが、同じように白洲正子は「十一面観音」に取り憑かれています。最大限の憧憬の言葉として、私もいつかは何かに取り憑きたいものです。

  • この本持って、京都奈良をまわりたいです。
    お水取りとか、絶対行きたくなります。
    鋭い観察とキレのいい文章。
    白州正子さんは、カッコイイですね。

  • 繼體天皇之時,近江有大洪水,從高島郡的深山一棵大樟木流向琵琶湖,想砍伐他就引起災禍,因此沒人敢靠近,就在大津的湖上漂流數十年。後來大和國住人發願用這個巨木雕十一面觀音,拖到當麻,但其人過世之後巨木又被丟在那邊風吹日曬雨淋八十餘年,有人認為這巨木使當麻住民患病,想托又托不走,該住人的遺子一托就動,但拖到初瀨川也是丟著一丟就二十年,德道上人入手這個樟樹千年靈木後,結庵焚香祈求靈木可以自成佛體,正好屆時藤原房前來初瀨,因此後來促成最終聖武天皇敕許下開始建造,729年完成,是為高達二丈六尺金色燦然的觀世音菩薩。德道上人發掘夢中神諭的瀧蔵山的巖石運回長谷把觀音像安置其上,至今十一面觀音依然站在這片岩石上。944年的火災,從灰燼中搶救出十一面觀音菩薩頂上佛面一體,安置在新刻的十一面觀音菩薩胎內,之後又遭受歷次火災,依然搶救出來安置在菩薩胎內。為了重建復興,長谷寺的和尚們遊歷各地勸進,因此也推廣了長谷信仰,日本各地也有很多地方稱為長谷,鎌倉也有長谷寺(白洲正子著作集第四卷,頁38-41)。以靈木造觀音,佇立於岩石上,是神佛混淆的象徵。外來的佛教,已經在日本紮根成為一個新形態的神。

    同樣也是這位德道上人,還有另外一個逸話,就是他病死在冥界入口遇到閻羅大王,閻羅大王說你太早來了,要他回去人世普渡眾生宣廣觀音靈場,給了他三十三個寶印。然而復活的德道上人宣講推廣但沒人理他,上人感到很失落就把寶印埋在攝津的中山寺。後來平安時代,花山院把寶印給挖出來,就開始有三十三所巡禮(白洲正子著作集第四卷,頁41)。

  • 長い巡礼の旅だった。白洲正子が訪ねた当時と比べると風景は一変しているだろうし、場所・風土と信仰を重ね合わせることは難しいかもしれない。

  • 昔から好きなので。また感想追記します

  • 霊場会などの組織によるでもなく独自の巡礼で見事に十一面観世音の本質へと向かう著者の行動と文才に脱帽した著作だった。白洲正子と聞いて白洲二郎しか浮かばなかったかつてはこれで綺麗さっぱり別れられる。ここに来てようやく武相荘のセンスへと興味関心が向かうのは因果応報因縁によるものなのだろうか?

  • 19/02/25。

  • 十一面観世音の深淵な世界にはまる。
    室生寺などまだ行ったことのないお寺に白洲さんがいざなってくれる。


  • だいすきな十一面観世音菩薩さまが勢揃いです。

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著者プロフィール

1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。

「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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