帰らざる夏 (講談社文芸文庫)

著者 :
制作 : リ-ビ 英雄 
  • 講談社
4.06
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本棚登録 : 323
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (638ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061962354

感想・レビュー・書評

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    http://opac2017.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/BB50110196

  • 陸軍幼年学校もの

  • 裏表紙のあらすじで実に潔くネタバレしてて、「え、ああ…えっ?」って二度見。
    主人公が最初っから抱かれたがっててヤバイ。

  • 玉音放送が流れる前後の描写が興味深かったです。昨日まで当たり前であったことが突如として当たり前でなくなり、誰もが、何もかもが変わっている。終戦ってこんなに呆気ないものなのか。体験したことが無いからわからない感覚だけれど、読んでいてとても不思議な気がしました。
    16歳の少年が、それまで信じていたもの全てを否定されたとき…真っ直ぐで純粋故にそうせざるをえなかったという結末なんでしょうか。
    当時の軍国主義やここに出てくる若い将校達の思想、考え方生き方は現代から見ると異常にも思えますが、この本を読むと、それらは作られるべくして作られた、完成されたものなのだと少しだけわかったような気がします。

  • 非常にリアルな、戦争の情景だけでなく幼い青年の心情の極めてリアルさが重苦しく、酩酊を覚える。難関の幼年学校に合格して教育を受け、生徒たちからも感化される。戦争を知らない世代に、当時を異常とは決して思わせないものがある。2.26事件をきちんと処理していれば太平洋戦争に避け得た、というのに興味。調べてみたい。14.1.18

  • …何か、何で?という感じ…。

  • 終了日 2009・12・20、2度目のカナダの冬に読んだ。2009年夏の衝動買いシリーズからの1冊。あの頃、私は日本語に飢えていた…(だからといって森茉莉、加賀乙彦、江戸川乱歩のセレクションは我ながら結構ヘビーだった)

    以下、当時の日記から抜粋。ほんと日本語おかしいな…そして読後の興奮状態で打ち込んだので支離滅裂。って、今更か。


    『解説も貪る様に読んだのだが、まったくもって、現代の「日本」に生きる、しかも今現在はその土地すら離れたところでこれを読み終えた自分にとって、この本は「酩酊」の一言につきると思う。
    久々にこの文体に触れ、ナラティブに引き込まれ我を忘れていたが、それは解説で言う「ロジック」と「言語システム」に飲み込まれていたということで、それこそ著者の掌の上で踊っていたことを思い知らされる。
    何を持って善とするのか悪とするのか、大いなる歴史という流れと一個人の認識の食い違いとは、信ずるべきは何か、何だったのか、わけがわからなくなる。だがそれがこの作品の根底にあるのかなと、私は、思う。
    解説が無ければ、熟考する事もなく、それこそ「酩酊」のままで終えたのだろう。
    あまり、巻末の解説は気にかけない方だが、必要はあるのだなと痛感した。
    しかし本当にそうだ、この結末はなんとも理にかなっている。少なくとも、省治の精神構造にどっぷり浸かってしまって、これはこれで完結してるんだなとしか思えない。
    そして私としては、最後の数ページは、何とも美しい。だがこの数ページを読んでいる間の心拍数はそれこそ駆けるようだったし、頭も破裂寸前で文字をうまく理解していなかったと思うけど、なんとも壮大だったという印象が強い。
    最後の最後は、それこそ私の中で「美」の一言に集結した。
    私としては、なんていうんだろう、もう言葉が浮かばない。
    言いたい事は山ほどあるんだけど、言ったところで多分ありきたりで破綻してるはず。
    今、表面上はかなり無表情で、うつ伏せで2時間くらい動かず読んでたから関節が痛いけど、何だかんだで読み終えた興奮ですごく感情的になってるんだと思う。

    しかしこれは、かなり不純な動機で読み始めたのだが、むしろそういう目的は読むにつれ薄れてった気がする。同性愛が何より、私個人としては天皇主義とか戦時下の精神とかそういった事ばかりに気を取られてしまった。むしろ溺れていった。私みたいな者には理解が到底及ばない、例えば迷って足を滑らせて溺れた、といったところか。
    結構ブランクが開いたし、8月末頃読み始めてやっと今終わったから4ヶ月かけて終わらせた事になるけど、読み終えてよかったと思う。これは、一読の価値あり。


    あ、全体的に重いので特に就寝前にはオススメできないよ。』

  • 2012年8月30日読了。
    作者は第二次世界大戦の時、実際に幼年学校にいたそうで、かなり自伝的要素の強い小説だそうです。
    主人公省治(昭和2年に生まれたのでこの名前)は、戦死した親戚に憧れ、親は「どうせ戦争に行くのなら将校になれば生き残れる」という思いがあり、幼年学校に14歳で入りますが、2年の間に一気に戦況は悪化していくことに。気が弱く、軍人らしいところもない省治でしたが、玉音放送の後に周囲が簡単に考えを変えていく姿についていけず、悲劇的な最後を迎えます。
    主人公の内省的な心を繊細に描き、若いころにありがちな死への憧れや、恋愛感情の代償としての同性愛描写はちょっと少女漫画的でもあります。
    後の世から見れば、なぜ戦争が終わってうれしくないのか?とも思ってしまいますが、当時の心境を詳細に描いており、玉音放送の後に「生きろというなら、なぜ玉砕する前に死ぬなと言わなかったのか、おかしい」と叫ぶ生徒たちの姿は、大人のずるさをずばり指摘していました。

  • 気になりはじめてから一年。ずっとずっとずっと読みたかった本。

    大きな書店を何件か廻ったものの、なかなか見つからなかったので結局自分が働いているお店で取り寄せ。
    大事に読む。

  • 省治は百倍の難関を突破し陸軍幼年学校へ入学するが敗戦を迎える。聖戦を信じた心は引裂かれ、大混乱の只中義に殉じ自決することを決意する。


    悲劇としか言い様のないストーリーです。15、6で死に急ぐ彼らが痛々しく、見ていられなかったです。敗戦後、源が亡霊だ、と言ったところが胸に痛かったです。

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プロフィール

加賀 乙彦(かが おとひこ)
1929年、東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、精神科医として勤務のかたわら、小説の執筆を始める。『フランドルの冬』で芸術選奨文部大臣新人賞、『帰らざる夏』で谷崎潤一郎賞、『宣告』で日本文学大賞、『湿原』で大佛次郎賞、自伝的小説『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞、自伝的大河小説『雲の都』で毎日出版文化賞特別賞を受賞している。その他の著書に、『錨のない船』『不幸な国の幸福論』など多数ある。
近年は、殉教者を描く歴史小説『ザビエルとその弟子』、ペトロ岐部の生涯を描いた『殉教者』などを発表。

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