番茶菓子 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061962477

感想・レビュー・書評

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  • 四季折々の暮らしのなかで著者が感じたことや心掛けていることをつづったエッセイ集です。

    父露伴から日々の生活の知恵について厳しく教えられた著者のものの見方が示されており、興味深く読みました。現代とは生活のリズムをはじめあらゆるものが異なる時代のことも多く、実感としてはわからないこともあるのですが、著者の感性のこまやかさは、その文章を通して伝わってくるように感じられました。

  • 2冊目の読書ノート 1993/9/5~2005/4/30に記載

  • 清少納言は、学生時代に古文で習った程度なのだけれど。
    読みながら、この人は、現代の清少納言みたいだな、と感じてしまった。
    凛としていて、才気あふれていて、孤高で、皮肉もビシバシ口にする、強気な人。
    日常のことを書いているのだけれど、どこかはっとさせられる。
    同じ時代に生まれていたら、気が合ったんじゃないか、と思うと、しんと面白い。
    できることなら、この人が生きている時に、読んでみたかった。

  • 15/10/24、神保町・愛書館 中川書房で購入(古書)。

  • 印象に残ったのは、料理で大事なことは、正しい味を知ること、腐ったものの味が分かること、ということ。最近はインターネットですぐにレシピが調べられるけど、野菜やお肉はものによって味や固さが違うのは当たり前。その食材に合わせた作り方ができるようになりたい。あと、賞味期限だけで判断するのではなく、自分で食べられるものと食べられないものを分かるようにならなくては。自分の五感で生活できるようになろう。

  • 戦前、戦後あたりの日常のエッセイ。
    上品で綺麗な日本語。
    きものについてが特に良い。
    ただの衣服を越えたもの。

    おしゃれの考察は深い。
    ただ小奇麗にセンス良く装うだけでない。
    その人に似合わしい装い方、振る舞い、気遣いすべてが
    合わさって印象に残る「おしゃれな人」と呼ばれる。
    現在、文さんのいうようなおしゃれな人は皆無でしょう。
    父である露伴の云うおしゃれや機転にも唸らされる。

    今の住まいにきものはそぐわないけど、
    きものを着なくなってから、日本女性の立ち居振る舞いの
    美しさ、心遣いは確実に無くなったと思う。

  • 2013/1/28購入

  • 短編エッセイ集
    ひとつひとつの情景があざやかで目に残る。重めの本を読んでいるときの息抜きに良いかも。
    ふとした時にある一瞬がよみがえりそうで、いつまでもささやかに記憶に残りそう。あとがきを読んで長編を読んでみたくなった。

  • 「番茶菓子」は、○○の小品という章立てに分かれて、短いエッセイがつまっています。花、夏、きもの、・・・など。
    この中で、強烈に記憶に残ったのが梅のエッセイ。
    その決め台詞は、「奥さん。どこへ逃げたって、あなたのからだからは梅の花の匂いがするんですよ」ちょっとどきっとしますね。

  • ▼POPを書くために読み返している本第一弾。▼やっぱり幸田文のエッセイが好き! 心に秋風、と勝手に呼んでるんだけど、軽くて着心地がいいんです。▼更に、この最中みたいな表紙もかわいくて好き。書棚に入れておきたい一冊。(10/2/10 読了)

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著者プロフィール

1904年東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。’28年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚、幸田家に戻る。’47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。’56年『黒い裾』で読売文学賞、’57年『流れる』で日本藝術院賞、新潮社文学賞を受賞。他の作品に『おとうと』『闘』(女流文学賞)、没後刊行された『崩れ』『木』『台所のおと』(本書)『きもの』『季節のかたみ』等多数。1990年、86歳で逝去。


「2021年 『台所のおと 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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