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Amazon.co.jp ・本 (254ページ) / ISBN・EAN: 9784061962491
みんなの感想まとめ
内親王の詩は、人生の儚さや自然の移ろいを深い感性で捉えた作品として、多くの読者に感動を与えています。彼女の表現は「透明な複雑さ」や「静の中の動」といった特性を持ち、詩を通じて空間や体験を鮮明に描き出し...
感想・レビュー・書評
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筑摩書房 日本詩人選
竹西寛子 「 式子内親王 」
内親王の作品解説の本
内親王作品の特性を「透明な複雑さ」「静の中の動」「すべては 途中という時間感覚」「夢の歌人」という表現で示している。このイメージでよむと 歌の理解が進む
内親王の詩境の推移は、人生を幻と見ることから始まり、後白河院の死を契機に、微かに移りゆく自然から秩序を観るに至り、「夢の歌人」として、闇に誘われ 闇に親和する人間への悔いと怖れを 深い夜の夢に託した
見しことも見ぬ 行末もかりそめの枕に浮かぶ まぼろしの中
*まぼろし=幻影〜人生を幻と見た
*見てきた現実も、まだ見てない現実も、かりそめの枕に浮かぶ幻
*まぼろしの中のかりそめ=二重の間接法→非永続性、流動性を強める
*この世の事物の定めのなさ、運動の途中でしかない人生
浮雲を風にまかする 大空の行方も知らぬ果ぞ悲しき
*内親王が多用する「まかす」「行方も知らず」が同時に使われている
斧の柄の朽ちし昔は遠けれど ありしにもあらぬ世をもふるかな
*後白河院の死にちなむ歌
*ありしにもあらぬ世に生きる〜院と死別して 皇女として表明
山深み春とも知らぬ松の戸に絶え絶えかかる雪の玉水
*透明な複雑さがひろがり続ける
*「静中の動」としての玉水の動き*水(移りゆく自然)を見ることに徹すれば、世界の秩序を見ることができる
尋ぬべき道こそなけれ人知れず心は馴れて行き返れども
*心は馴れて行き返れども=自分一人の思いの行き返り
*道こそなけれ=逢う手段もないまま、一つの面影にひかれては戻る心
しづかなる暁ごとに見渡せばまだ深き夜の夢ぞ悲しき
*深き夜の夢=煩悩の夢、この世の迷い
はかなしや枕さだめぬ うたたねに ほのかにかよふ夢の通い路
*ほのかにかよふ=動の相(静かに動き続けている)
*うたたね=粗雑な目や耳なら気付かない微かな動き
暁のゆふつけ鳥ぞあはれなる長き眠りを思う枕に
*深き夜と静かな暁の対置
*闇に誘われ、闇に親和する人間への悔いと怖れを 深い夜の夢に託した
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永福門院の冷徹な眼差し
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千年も昔のひとの詠んだものを読んで、今の(とはいえ、少し昔になりつつあるか)わたし(著者)が何を思うのか、ということを、学術的論考に頼り切らず、かと言って思い込みに浸り過ぎるわけでもなく書かれた文章のバランス感覚、ということを考える。それを今の自分が読むのだ。千年昔の詠いびとも、少し昔の竹西寛子も、それぞれにおしどどめられない正直な感情がところどころに見られるようにも思えて、だからこそ、響きあうのだろうし、その共鳴の中に(勝手で、勉強不足ではあるが)自分自身も加わるような気持ちになることができたと、思う。
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