砂漠の思想 現代日本のエッセイ (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (1993年12月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (452ページ) / ISBN・EAN: 9784061962552

作品紹介・あらすじ

可能性を完全開花させずに永逝した文学者安部公房が、衝撃作『砂の女』『他人の顔』を続けて刊行した時点で、自身の初期思考をエッセイの形で発表したものを精選し、全エッセイとして刊行した話題の大著。初期阿部公房が孕む、“ヘテロ”的思考への新たな再評価。早く来すぎた思想者・安部公房の“可能性の中心”。

みんなの感想まとめ

日常の常識や壁を越える思想を探求したエッセイ集で、著者の文芸テーマが浮き彫りにされています。逆説的な表現や豊富な作品タイトルの引用が特徴で、理解には時間がかかるものの、深い洞察が得られる内容です。特に...

感想・レビュー・書評

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  • 著者の文芸テーマを明らかにしようとした創作ノート的なエッセイ

    講談社文芸文庫
    安部公房 砂漠の思想

    逆説と飛躍が目立つ文章で理解に時間がかかるが、「壁」「砂」「地図」「辺境」「幽霊」など 著者の作品タイトルが多く出てくる


    「砂漠の思想」とは 日常性や常識の壁を乗り越える思想であり、著者の文芸テーマは、読者や観客の日常や常識に刺激を与えること、と解釈した


    著者が評価した本や映画
    *サキ 「猫の偉業 」
    *ブニュエル 「忘れられた人々」
    *花田清輝 「二つの世界」
    *カフカ 「アメリカ」



    著者の人間観を示す言葉「他人が自分の陰であるように、自分もまた他人の影にほかならず、一方が薄くなれば、必然的にもう一方も薄くなってしまう」は、なるほどと思う。文学や芸術の社会的意味も含まれてきるように感じた


    「人間というのは〜強く日常性の壁にしがみついている〜昨日のように今日があるという日常感に支えられてこそ、社会や秩序を実在として受けとめることができるが、その壁によりかかってばかりいると、日常の外にあるものが、幽霊や蛇に見えてくる」


    「偏見とは、情緒のステレオタイプ(多くの人に浸透している思い込みや先入観)が、新しい認識に対しておこすアレルギー反応」

    「自我は、果実の種子のように自立して存在しうる実体なのではなく、他者もしくは外部との関係の拡大という、一つの現象的なもの」


    サキ 「 猫の偉業 」
    人類の発展につれて野獣たちは森の奥においこめられ、ごく少数の動物だけが家畜化して滅亡をまぬがれた。こうした中で、ただ猫だけが見事な才能を発揮して、人間社会の中心部に自分を位置付けることに成功した


    「人間は誰でも、自分の内部(地図)と外部(現実)をもっている〜日常生活において、それを区別せず、ほとんど一つのものとして受け取っている。その現実像は、ありのままの現実というより、むしろ実用本位に省略された地図にすぎない」


    砂漠の思想
    「砂漠のようなプラスチックな風景は〜どこをうつしても、同じ砂漠の単調な反復になってしまう〜けじめのない空間を、内部からけじめをつけてとらえるというのは 大変なことである。そこまで想像力を緊張させるには、どうしても対象に肉迫するための方法が必要だ〜その方法は、思想ということになる」

















  •  
    ── 安部 公房《砂漠の思想 1970‥‥ 19931224 講談社文芸文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4061962558
     
    ~ 現代日本のエッセイ
     
    (20231128)

  • [ 内容 ]
    可能性を完全開花させずに永逝した文学者安部公房が、衝撃作『砂の女』『他人の顔』を続けて刊行した時点で、自身の初期思考をエッセイの形で発表したものを精選し、全エッセイとして刊行した話題の大著。
    初期阿部公房が孕む、“ヘテロ”的思考への新たな再評価。
    早く来すぎた思想者・安部公房の“可能性の中心”。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 安部公房のエッセイ集。安部公房の思考の傾向がわかる一冊。逆説的な論理が好きなようだ。
    演劇論や映画論については、わかりにくく難しい所が多かったが、面白く読めた。古い映画の話が多い。

  • 初期のエッセイ集。硬質。

  • エッセイ集。
    映画の話題が多かったので、映画にあまり興味の無い自分にとっては退屈な話も多かったが、LSD、ヘテロの思想、殺人についてなど、考えさせられるようなものも多い。
    しかしそれにしても少しお高い……

  • 2011.02.19 読了

  • 面白かったけれど、頭にいまいち内容が入り混んでこないところもあった。映画評論や創作術について深く勉強になりますわぁ。

  • 2010.11.7

    ・遊びの精神とは、方法をとおして現実を枠づける精神である。
    ・野生児に変化を与えたのは、入浴である。(『アヴェロンの野生児』)
    ・『アンダルシアの犬』『糧なき土地』『忘れられた人々』『眼には眼を』
    ・辺境、砂漠。

  • 「ヘテロの構造」と「殺しが悪なのではない」にとても惹かれた。

    なぜ蛇が嫌いなのかは、嫌いなものは嫌いとしか考えてなかったけどいわれてみれば妙に納得してしまう。

    たしかに日常や足音を想像できない動物って怖い。
    人間も、あまりに生活感の無い人間には親しみを持てないしな。

    「殺し~」のほうは私も同じようなこと考えていて、もっとたくさんこれに関する著作を読んでみようと思う。

  • へび、長すぎる。

  • 人の頭の中を覗く感じ

  • ひろいコラム

  • 芸術論から文学論、雑論まで多岐。

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著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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