魯迅 (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (1994年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784061962897

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  • 講談社文芸文庫
    竹内好 「 魯迅 」

    魯迅の人物像を「文学者→啓蒙者→永遠の革命者」と捉え、近代中国が自己革新を図る上で 重要な役割(思想史的に孫文を毛沢東に媒介する役割)を持っていたとしている。


    外国からでなく、国内から革命者が次々と出てくるところが中国の凄さと思う


    著者が上げた魯迅理解のキーワード
    *寂寞
    *文学の無力性〜文学と政治の関係
    *魯迅の根本思想「人は生きねばならぬ」
    *絶望の虚妄なることは正に希望と相同じ(絶望も希望も真実でない)


    文学と政治の関係性について、文学は政治に対して無力としながら、文学による自己革新性を信じており、政治の変動が激しいほど、文学の純粋さが深まり、革命や抵抗を生むとしている



    寂寞について
    *人の主張は、賛成を得れば前進を促し、反対されれば奮闘を促すが〜一向反応を示さない場合〜手の下しようもない。自分の感じたものを寂寞と名づけた
    *寂寞は、一日一日成長し、大きな毒蛇の如く、私の魂にまつわって離れなかった
    *自分自身の寂寞は駆除しなければならなかった。それは私にとって苦痛であったから


    永遠の革命者
    *永遠の革命者にとって、あらゆる革命は失敗であり〜革命の成功は、永遠の革命を信じて現在を「革命成功せず」として破却すること
    *革命とは当面の政治目標であるである。それは 抗戦にも救国にも変わりうる〜革命や救国に対して、文学は無力である

    文学と政治の関係
    *魯迅の文学は、現れとしては政治的〜その政治性は、政治を批判することによって与えられた政治性
    *魯迅の得た自覚は、政治との対決によって得た文学の自覚
    *文学は政治に対して無力なのである〜政治に対して有力なものは文学ではない
    *文学を生み出すものは政治である〜文学は政治の中から自己を選び出す〜革命は「文学の色彩を変える」のである
    *政治に迎合するのは文学ではない、真の文学とは、政治において自己の影を破却することである〜政治と文学の関係は、矛盾的自己同一の関係である
    *文学の生まれる根元の場は、常に政治に取り巻かれなければならない。それは文学の花を咲かせるための苛烈な自然条件である
    *政治の振幅が大きいほど、政治に自己破却を行う文学の純粋さが深まる








  • [ 内容 ]
    “絶望の虚妄なることは正に希望と相同じい”と魯迅を引用し「絶望も虚妄ならば、人は何をすればよいか。
    …何者にも頼らず、何者も自己の支えとしないことによって、すべてを我がものにしなければならぬ。
    」と魯迅を追尋しつつ論及、昭和十八年遺書を書く想いで脱稿。
    そして応召。
    僚友武田泰淳の『司馬遷』とともに、戦時下での代表的名著。

    [ 目次 ]
    序章 死と生について
    伝記に関する疑問
    思想の形成
    作品について
    政治と文学
    結語 啓蒙者魯迅

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 卒論のテーマでした。大変お世話になりました。

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著者プロフィール

1910年長野県生まれ。中国文学者・評論家。魯迅の研究・翻訳のほか、アジア的な視座から多くの文化・文学評論を手がける。主な著書に『魯迅』(日本評論社)、『現代中国論』(河出書房)ほか。1977年没。

「2018年 『中野重治・堀田善衞 往復書簡1953-1979』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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