静かな生活 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
3.55
  • (11)
  • (29)
  • (39)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 318
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061963436

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大江健三郎が自分の家族をモチーフに描いた作品。叔父の伊丹十三も登場する。
    大江夫妻がアメリカに移住したあと日本に残されたイーヨーを中心とした子供たちの生活を娘のマーちゃんの視点から描く。作風は中心がなくとはいえ、何かしらの精神性をめぐって、とくにイーヨーに向けられる世間の差別をめぐって、マーちゃんの思いに仮託されて描かれる。
    いまこのような中心のない作品を作れるのは保坂和志ぐらいしか思いつかないが、このような作品をつくれるのが大江であり彼の才能なのだと思う。

  • 一番最初に読んだ大江健三郎もので、今でも一番好き。静謐な中に主人公の全身全霊をかけた祈りが全編通して流れていて、静かに胸を打たれる。ところどころのグロテスクさ…内臓の裏皮をひっかかれる感じが、またどきっとさせられる。

  • a quiet life

著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大江健三郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
梶井基次郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×