月下の一群 現代日本の翻訳 (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (1996年2月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (652ページ) / ISBN・EAN: 9784061963597

作品紹介・あらすじ

 

みんなの感想まとめ

言葉の響きやリズム、漢字の形が織りなす美しさが、まるで芸術作品のように感じられます。詩の力に圧倒され、心に深く響く体験は、まさに日本語の魅力を再確認させてくれます。新たな言葉との出会いは、世界を広げ、...

感想・レビュー・書評

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  • 堀口大學によるフランス詩の訳詞集。本書は1952年(昭和27年)発行の白水社版を底本にした、1996年(平成8年)発行の講談社文芸文庫版。ルビが振られ、一段書きなのでとても読みやすい。
    普段は、同作の新潮文庫版(1955年(昭和30年)発行)をよく読むのだけれど、訳が違う部分が多く面白い。
    たとえば、ルミ・ド・グウルモン作の「時計」の結びは、この講談社文芸文庫版では

    “針と歯車とは、いつまでも、/恋と思ひの時刻を、/示す仕掛になつてゐる。”

    だが、
    新潮文庫版では

    “針と歯車は、いつまでも、/戀と思ひの時刻を、/現はす仕組。”

    となっており、講談社文芸文庫版の方がリズムが良い。
    また、ギィヨオム・アポリネエル作「ミラボオ橋」のリフレインを見てみると、講談社文芸文庫は

    “日が暮れて鐘が鳴る/月日は流れわたしは残る”

    であり、
    新潮文庫版では

    “日も暮れよ 鐘も鳴れ/月日は流れ わたしは殘る”

    と、今度は新潮文庫版の方が情感深く思われる。
    他にも、アンドレ・スピイルの「鴉」に登場するカラスの一人称が、“私”がいいか、“おれ”がいいかは好みが別れる部分だろう。各版にそれぞれ良さがある。
    朗唱したくなるような、洗練されきった美しい訳詞集。

  • フランス文壇の詩人のロマニズムを日本語の美しい訳で綴って行った人。
    中学生の時に、レイモン・ラディゲ詩集に感動し、その訳が「堀口大学」だった。
    原著は、改訳と再構成によって、大正14年の第一書房初版本より改変されわかりやすくなっている。美味しいとこどり。

    大好きな一編。

    レイモン・ラディゲ(「肉体の悪魔」で有名)

    「頭文字」

    砂の上に書いた
    僕らのように抱き合う頭文字
    僕らの恋は消え去るだろう
    このはかない頭文字よりも先に

  • 描かれし季節の写真。
    華麗な人間心理。
    天を見上げれば何が降る?
    嗚呼、これ以上美しいものはないであろう。
    月に反射する太陽の光は、
    きらきらとした詩に変わり、
    僕たちにふりそそぐ。
    清浄に。
    正常に。

  •  言葉の響きや、句読点のリズム、漢字のかたちや、行間のたたずまいが、もう芸術的です。

     心血を注いだというのか、魂魄をとどめたというのか、とにかく言葉の持つ力に圧倒されます。心に迫ってきます。読んだときは、ほんとに日本人に生まれて良かったと思いました。
     
     広辞苑を傍らにおいて読まないとわからない言葉もありますが、次々と新しい言葉が目の前に現れて、世界がひらけていく感覚は、新鮮で、驚きの連続です。

     いままで曖昧とした感覚でしかなかった世界が、言葉を持つことによって、はっきりとしていくこと。それが詩の持つ力で、与えてくれる感動なんだと思います。



  • 2019年6月29日に紹介されました!

  • ポオル・ヴァレリイ/ポオル・クロオデル/ギィヨウム・アポリネエル/シャルル・ヴィルドラック/アンドレ・サルモン/ジュウル・ロマン/マックス・ジャコブ/レエモン・ラディゲ/ジャン・コクトオ/ポオル・モオラン/ジャック・バロン/ロオヂェ・アラアル/ヂョルヂュ・ガボリイ/フィリップ・スウポオ/フランシス・ピカビア/イヴァン・ゴル/フランシス・カルコ/ギイ・シャルル・クロス/マリイ・ロオランサン/モオリス・ヴラマンク/ヴァンサン・ミュズリ/アンドレ・スピイル/トリスタン・クリングソオル/アンリイ・ド・レニエ/エミル・ヴェルアレン/ジャン・モレアス/ジュウル・ラフォルグ/シャルル・ボオドレエル/ポオル・ヴェルレエヌ/フィリップ・ヴァンデンビル/ルミ・ド・グウルモン/ポオル・フォル/フランシス・ジャム/アルベエル・サマン/ルネ・ヂョルヂヤン/シャルル・ゲラン/シャルル・ヴァン・レルベルグ/フィリップ・シャヴァネックス/ルヴェル・レニエ/ピエル・ルヴェルディ/シャルル・アドルフ・カンタキュゼエヌ/ガブリエル・ムウレイ/アドルフ・レッテ/ルイ・マンダン/フェルデナン・エロル/エプレエム・ミカエル/レオン・ヂェルス/ル・ラッスウル・ロンゼエ/アンリ・ド・ボルニエ/ジャンヌ・カチウル・メンデス/ロオラン・タイラッド/ピエエル・ルイス/ジュリアン・ボカンス/エドモン・ロスタン/ノワイユ夫人/ヂョルヂュ・ヂュアメル/ジャン・ラオオル/ジャン・マルク・ベルナアル/モオリス・マグル/ポオル・ヂェラルデイ/アンドレ・ミレ/ギイ・ロベエル・コスタル/フェルナン・グレエグ/ステファヌ・マラルメ

  • 立ち読み:2011/2/5

  • 480夜

  • 日本語をここまで美しく表現できる人がいることを、
    同じ日本人として光栄に思います。
    素晴らしいです。
    グールモンさんにであえたことも光栄です。

  • 一日一堀口大學。

  • やっと手にはいった。


  • 《日本語を外国語の文脈のなかに生かし、
     日本語の表現に無限の可能性を与えた詩人》

    この言葉通りの表現が鏤められていた。

    (2009.03.22)

  • 上田敏「海潮音」とツートップを成す現代日本の名訳詩集です。タイトルが美しいですね。「月下の一群」。もうそれだけで満足(笑)。「海潮音」は英仏独伊各国の訳詩集ですが、こちらは出版当時、日本にはほとんど紹介されていなかったというフランスの詩に絞って訳されています。それぞれの詩が柔らかな口語で訳されており、親しみやすいながらも穏やかな気品あふれる表現を楽しむことができます。仏文学の野崎歓さんがお若い頃にコクトーの「私の耳は…」の原詩をあたったら、あまりのそっけなさに拍子抜けなさったという話もあるように、詩情豊かに訳されています。「海潮音」と同じく、ヴェルレーヌの「Chanson d'automne」の訳が収められていますので、読み比べてみるのも面白いと思います。こちらも外国語に携わるかた、携わりたいかたには読んでいただきたいのはもちろんのこと、もう、ただぱらぱらとめくるためだけに持っているだけでもいい1冊です。

  • 言葉ってすごい。

  • 寝るまえ本。気に入った詩はページを折っていますが、後々見直すと「何故ここで?」って思うときもある(笑)。

  • 先にあげたグールモンと出会ったのは、あまりにも有名な堀口大學のアンソロジー、この傑作訳詩集のお陰でした。何度読み返したことでしょうか。堀口大學は自身が詩人でしたから、彼の選び取った言葉が勝手にダンスを踊るのです。不朽の名訳!

  • 口語・文語を交えた翻訳詩集。訳者のセンスが冴え渡る一作。

  • この人凄い。

  • この表紙になる前の絶版になっていたのを 偶然図書館の市民サーヴィスの箱の中で見つけたときは感動ものだった、願えば叶と思った一瞬だ。これをきっかけに堀口にはまる

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著者プロフィール

詩人、歌人、フランス文学者。1892年(明治25年)1月8日~1981年(昭和56年)3月15日。


「2018年 『無伴奏女声合唱のための 3つのessais(エッセ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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