昭和文壇側面史 (講談社文芸文庫 あJ 1 回想の文学)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061963603

作品紹介・あらすじ

若くして、昭和の源流・大正末期の同人雑誌時代に係わり、常に「新しいエッセンシャルなもの」を求め、逸早く梅崎春生、石原慎太郎を認めた著者が、芥川龍之介の死から五木寛之との出会い迄、多くの先輩知友、エピソードを、作家・評論家の確かな眼で捉えた時代の証言。「『文芸都市』の発刊」「『阿佐ケ谷会』の縁起」「太宰治の死と桜桃忌」等々。文学と文壇を深く愛した著者の臨場感溢れる"私の「昭和」文壇史"。

感想・レビュー・書評

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  • 横光利一や井伏鱒二と同世代の早稲田出身ということで、学生時代の彼らの思い出に始まり、石原慎太郎や五木寛之との出会いという、浅見淵が実際に見聞きしてきた大正~昭和40年までの文壇回想録。
    基本的にネタの書き方が淡々としていてドライで、文壇界隈のもめ事などの件を書く時も、どちらのサイドにもつかず知り得たことを記述するスタイルがとても好感が持てる。

    ・大正~昭和初期の頃に乱立した数々の文芸同人誌や雑誌類の関係者の名前や交遊が垣間見られたのが面白い(著者の出身ゆえ、早稲田系に偏っていますが。学生の頃の横光利一や、早世した梶井基次郎辺りの逸話が多いかな)
    ・太宰と交遊があったので彼絡みの逸話が多い
    ・阿佐ヶ谷会のメンバーだったのでソレ関係の思い出話もある。井伏鱒二の「荻窪風土記」に書かれたネタを別角度から眺めるようで良い。
    ・戦時中、マニラに記者として派遣されていた関係で、戦地の事も書かれているのだけれど、他の文豪の著作で同じような時期の外地の随筆を読んだのと比較してもとても装飾せずありのままを書いてて面白い。(作家毎のモノを書くときの目の付け所の違いみたいな)

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