浅草紅団・浅草祭 (講談社文芸文庫)

著者 :
制作 : 増田 みず子 
  • 講談社
3.30
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本棚登録 : 123
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061963979

作品紹介・あらすじ

昭和はじめの浅草を舞台にした川端康成の都市小説。不良集団「浅草紅団」の女首領・弓子に案内されつつ、"私"は浅草の路地に生きる人々の歓び哀感を探訪する。カジノ・フォウリイの出し物と踊子達。浮浪者と娼婦。関東大震災以降の変貌する都会風俗と、昭和恐慌の影さす終末的な不安と喧騒の世情をルポルタージュ風に描出した昭和モダニズム文学の名篇。続篇「浅草祭」併録。

感想・レビュー・書評

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  • 読むの、大変だった(>_<)引用されてる例えが古すぎて辞書やらネットで調べながらで時間かかったけど、やった甲斐があった!世界観の理解度がぜんぜん違う。ストーリーとしてはあっちゃこっちゃ飛んじゃってややこしいけど、弓子がとてもかっこよくて、彼女が出てくるとぐっと引き込まれる。

    浅草いきたくなった、言問団子も食べたい^^

  • 関東大震災後の昭和初期、インチキ・レビューが活動し、浮浪者と娼婦が蠢く独特のエネルギーに満ちた都市浅草を描いた「浅草紅団」。そしてその六年後を書いた「浅草祭」。

    同じ時期の東京を舞台にした都市小説に、久生十蘭の「魔都」がありますが、あちらは『帝都』を舞台にミステリタッチで当時の東京を描いた印象ですが、川端のこれら2作品は、紅団という虚構の不良集団を狂言回しに使うことで、猥雑で怪しい浅草という街を描いた感じですね。
    今読むと、もう無くなってしまった風景の描写が多く「当時はこうだったんだなあ」と想像するしかないのがもどかしいところもありますが、都市小説かつ群像劇として楽しめました。
    解説にあった、「私」はあくまで浅草にとっては外部から来た「お客様(散歩者・旅行者)」でしかない、というところは興味深かったです。(伊豆の踊子しかり……)

  • [ 内容 ]
    昭和はじめの浅草を舞台にした川端康成の都市小説。
    不良集団「浅草紅団」の女首領・弓子に案内されつつ、“私”は浅草の路地に生きる人々の歓び哀感を探訪する。
    カジノ・フォウリイの出し物と踊子達。
    浮浪者と娼婦。
    関東大震災以降の変貌する都会風俗と、昭和恐慌の影さす終末的な不安と喧騒の世情をルポルタージュ風に描出した昭和モダニズム文学の名篇。
    続篇「浅草祭」併録。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 勝手に、「浅草の不良少女不良少年集団・紅団の痛快活劇」なんだと思ってたから肩すかしw
    物語という側面より、浅草という街の持つ猥雑さやおかしみや哀しみみたいなものを写しとっていく的な側面が強い。
    1回読んだだけではまだこの作品の魅力を掘り起こせてない気がする…

  • エノケン率いるカジノ・フォーリー、浮浪者、春を売る女たち、粋で蓮っ葉な紅団のリーダー弓子。光と影が混在する魔都・浅草。その風俗史。後半、魅惑的な弓子の登場がめっきり減ったのが残念。ストーリーが途切れてしまった。

  • 関東大震災後の新しい東京。江戸から続く古きものが滅び去り、新しいものが生まれる。コンクリートというカタカナ語の響きが新鮮に聞こえる。
    語り手が浅草のあちらこちらを歩き回っている。銀座ではなく、浅草という場所の猥雑さ、新鮮さが文面から匂い立つ。

  • 川端は、自らの調査と考現学の知識、浅草寺縁起や、当時の浅草に関する見聞をもとに、『浅草紅団』を構成した。

    そのため、一見すると当時の風俗描写がやたらと目立ち、しかもそれが虚構なのか事実なのか判然としない点も多い。

    メタフィクション的な語りや、ルポルタージュ的な手法を取り入れた実験的な要素も多い作品で、読んでいて飽きてしまう節もあるが、弓子の闊達さとそれが小説を駆動していく様子は、なかなか爽快なものであった。

  • 最近スカイツリーの開業で浅草も賑わってきてるのでしょうか。
    川端康成の浅草モノです。
    下町というと、どうしても暖かい雰囲気、と思ってしまいますが、
    この本に出てくる下町は、一味違います。
    作中に、川端康成本人とおぼしき人物が出てきます。
    弓子、あなたは何処へ?

  • とってもつまらなかったし、読んでいて悲しくなることたくさんだった。
    戦中の浅草の様子がよく分かる作品だけど、ストーリーはほとんどないに等しい。
    でも浅草の観光案内だと思って読めばいいのかも。

  • 第一次世界大戦後、ヨーロッパから流入してきた文学界の新思潮の影響を受けて、当時の日本の若き文豪たちは今までにないさまざまな作品を作り出そうと試行錯誤した。川端康成もそういった作家のひとりである。この『浅草紅団』も新たな時代の流れを汲んだ、川端康成にとっての実験的な作品であると考えられる。

    昭和4年11月、浅草の水族館の二階に“カジノ・フォウリィ”が旗揚げされた。そこは『エロチシズムと、ナンセンスと、スピイドと、時事漫画風なユウモアと、ジャズ・ソングと、女の足と──』1930年型の浅草を代表していた。川端康成は“カジノ・フォウリィ”の踊り子たちとの交流を通じて浅草の大衆文化を描こうとした。

    浅草を跋扈する不良少年・少女グループ“紅団”。

    本作品のヒロインである弓子は紅団の首領格の少女。ザンギリ頭のお転婆で、変装が得意で、勝気で男顔負けの気の強さ。
    イキイキとしたキャラクターがとっても魅力的vな女の子でした。

    弓子には、男に棄てられて気のふれた姉がいる。この姉の元恋人に弓子は接触したがる。そして、弓子と男の『亜ヒ酸の接吻』…。おおお!おもしれええ!!!

    と物語がもりあがってきたところで、この小説、休載しちゃったんですねーあれ~~(^^;

    そのあと…続編はなんだかなあ。しりすぼまりな感じでちょっと退屈でした。まぁ川端先生はストーリーよりも“浅草の風俗を描くこと”に重点を置いてたみたいなので、こういう小説もアリかな。
    川端先生の試行錯誤したあとがありありと見て取れて興味深かったです。

    しかし、最初の雰囲気のままで、弓子を中心とした人物たちとのアレコレを最後まで書いてくれたら、きっと『浅草紅団』も『伊豆の踊子』に匹敵するようなすばらしい作品になったと思うんだけどなぁ。。

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著者プロフィール

1899年生まれ。1920年東京帝国大学文学部英文学科に入学(のち、国文学科に転科)。1921年第六次『新思潮』を創刊。『伊豆の踊子』や『雪国』などの作品を残す。1961年文化勲章受章。1962年『眠れる美女』で毎日出版文化賞受賞。1968年10月、日本人初となるノーベル文学賞受賞が決定する。1972年没。

「2017年 『山の音』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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