宮本武蔵(二) (吉川英治歴史時代文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061965157

作品紹介・あらすじ

沢庵のあたたかい計らいで、武蔵は剣の修行に専念することを得た。可憐なお通を突き放してまで、彼が求めた剣の道とは…。だが、京畿に剣名高い吉岡一門の腐敗ぶり。大和の宝蔵院で味わった敗北感、剣の王城を自負する柳生の庄で身に沁みた挫折感。武蔵の行く手は厳しさを増す。一方、又八は堕ちてしまい、偶然手に入れた印可目録から、佐々木小次郎を名乗ったりする。

感想・レビュー・書評

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  • 2巻では、武蔵の挫折と心身の成長、沢山の出会いと別れが描かれる。
    城太郎という弟子との出会い、吉岡門下との戦い、何より石舟斎に出会わずして挫折する場面は印象的。また、青年らしく、お通に心惹かれる自分を戒める姿に人間らしさを感じる。


    功名心に燃える武蔵が、剣宗石舟斎の門の前で詩を読んだ時、
    「届かない!自分などには届かない人物だ」と感じる場面がある。
    それは武蔵にとって挫折であり転換点でもある。剣の技ではなく、剣の真理を求める厳しい修行の始まりだったのだと思う。

    武蔵は自身の未熟さを克服するため、「今から小理屈は早い、剣は理屈じゃない、人生も論議じゃない、やることだ、実践だ」と山沢に駆けていく。
    机上ではなく、実践に答えがあるというのは、時代は変わっても通ずる考えであり、私も肝に銘じたい。

  • [再読]
    武蔵、又八、お通、佐々木小次郎、それぞれの人生が動き出す。
    それぞれが、自分の目標を持ち、それに向かって駆け出す。
    出会いと別れを繰り返し、武蔵も成長してゆく。
    何事も近道は無い。
    遠回りでも、それが自分にとって成長してゆく大切なのプロセスなのだと思える。
    何事も経験だ。

  • 映画化・ドラマ化・漫画化など、様々なかたちで紹介されてきた大人気歴史小説の第二巻。ここでのクライマックスは「般若坂の決闘」と「佐々木小次郎の登場」だろうと思う。書かれた時代を感じさせない読みやすい文体なのが、とても印象的だ。

  • 小次郎の煽り耐性のなさがおもしろい

  • 石周斎の書いた漢詩をみて己の足らなさを直観した武蔵。なかなか会えない人に出会う、そして何か貴重なものを感じ取る。誰もが常にそのような経験ができるとは限らない。武蔵のように、常に意識をよくよく高めておかないと出会えないものだ。

  • バカボンドのイメージが強く
    どうしても 絵が浮かんでしまう...

    漫画 つよし

  • 槍術の名門として知られる宝蔵院の阿巌に勝利しながらも、老僧の日観の人間としての器の大きさに敗北を悟った武蔵は、つづいて剣の道でその名をとどろかせる柳生家を訪ねます。柳生家にはお通が滞在しており、老石舟斎に笛を聞かせて彼の心を慰めていました。武蔵は石舟斎と剣を交えることはかないませんが、彼が生けた花を見て、その枝の切り口から石舟斎の真の力を知ります。

    他方、お甲のもとを去った又八は、石夫として働いているときに、佐々木小次郎の印可目録を手に入れます。その後、彼は老母のお杉と再会しますが、武蔵への憎しみをわすれず復讐をめざして突き進む彼女についていくことができず、ふたたび彼女のもとから去っていきます。

    登場人物たちが行く先々でニアミスをくり返すエンターテインメント作品らしい展開が巧みに構成されていて、たのしんで読むことができました。

  • 出ては消えする多くの登場人物たちが、キレイに再会したりすれちがったり離れたりする
    作者の操る糸が見えすぎるときもあるが、許容範囲内
    後味がいいからかな

    それにしても、気の毒なくらい又八が武蔵と対照的な立ち位置
    気の毒なんだけど、彼と婆にはもっと辛酸をなめてもらいたい

  • 今回の目玉?は柳生一族、そして佐々木小次郎の登場?
    以前、もう少し先まで読んでいたのだが、こんなに早く小次郎が登場したとは。と同時に又八が痛いし、お通の武蔵を追う姿もストーカーと紙一重では?般若の面とダブらせる描写が秀逸で怖い。

  • 一巻に記載

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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