宮本武蔵(四) (吉川英治歴史時代文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 554
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061965171

作品紹介・あらすじ

今や、武蔵は吉岡一門の敵である。清十郎の弟・伝七郎が武蔵に叩きつけた果し状!雪の舞い、血の散る蓮華王院…。つづいて吉岡一門をあげての第二の遺恨試合。一乗寺下り松に吉岡門下の精鋭70余人がどっと一人の武蔵を襲う-。

感想・レビュー・書評

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  • ついに折り返し。
    武蔵の物語の一つの山場を迎えているわけだけど、全然記憶に残っていないのさどういうことか

  • 「いまの肚をすえるまでに、さんざん生死の問題に苦労したり、日常の修練だの、侍としての鍛錬だのを積んできて(中略)・・ 女は、そういう鍛錬も苦悩も経ずに、いきなり何らの惑いもなく『あなたが斬り死にあそばしたら、わたくしも生きていないつもりです。』と、涼やかなに言う。」

    第4巻の武蔵の心情を表すもの。この後も武蔵の心情から成長を追っていきたい。

  • この巻は、吉岡一門との対決が話のメイン。吉岡一門との決着の前に中々会うことができなかったお通と出会い、本当の気持ちを吐露する武蔵。一時は元許嫁の又八に切り殺されてしまうような描写もあったので、お通が浮かばれないかなと思ったけどその点は良かったかな。次は佐々木小次郎との対決などがメインになっていきそう。続けて読んでいきたいと思う。

  • 積ん読チャレンジ(〜'17/06/11) 15/56
    ’16/08/19 了


    一乗寺下り松における武蔵と吉岡一門との一大決闘に向かってジリジリと物語が収縮していく様が、武蔵同様に読者にも緊張感を与えていて凄く良い。

    兄清十郎を凌ぐ実力を有するとされる吉岡伝七郎との果たし合い。
    どのような壮絶な戦いになるのかと思えば、その日のうちに申し込まれた果たし合いを遊郭の席を中座して、一撃の下に勝利を収めてくる。

    本阿弥光悦、吉野太夫との出会いを通じ、生きる上では張り詰めた気持ちばかりではなく適度に気持ちを緩める瞬間も必要だと気づく武蔵。

    下り松での決闘を前にしてお通さんと城太郎と会う決心をしたのも、光悦との出会いがあったからこそだろう。

    そしてやっと再会を果たしたお通さんに胸中を吐露し、自分の弱さも曝け出した上で決闘に臨む。
    そしていざ戦いに挑む直前に神仏に祈ろうとする自身を省みて初めて、死を受け入れて戦う決意を固めて死地に赴いたつもりでいた自分の中に、生きたいと願う気持ちがあったことに気がつく。

    様々な道を経て「生きる」為に剣を振るう彼の姿は、今まで以上に格好良く思えるし、また人間的な魅力を増したように思う。
    そして、ここで初めて武蔵の代名詞とも言える二刀流がお披露目される点も見逃せない。

    「生きる」という強力な意思の下、無意識に生まれた極意たる二刀流。
    それまでの戦い、人生を経験してきた彼だからこそ生み出すことの出来た剣の型だと思うと何とも感慨深いものがある。

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    気に入った表現、気になった単語


    遊廓(くるわ)に向かう武蔵と光悦の母・妙秀とのやりとり
    「「いや、拙者には、美服はかえって似合いませぬ。野に伏しても、どこへまいっても、この袷(あわせ)一枚が、やはり自分らしくて気ままですから」
    「それはいけません」
    妙秀尼は、変なところで、厳格になって、武蔵をこうたしなめた。
    「貴方はそれでよいじゃろが、汚(むさ)い身装(みなり)をしていては、綺羅やかな遊廓(さと)の席に、雑巾が置いてあるように見ゆるではないかの。世事の憂いこと酷(むさ)いこと、すべてを忘れて、一刻でも半夜でも、綺麗事につつまれて、さらりと屈託を捨てて来るのがあの遊廓(さと)でござりまするがの。--そう思うてみれば、わが身の化粧や伊達も、廓景色(さとげしき)の一つ、わが身だけの見栄と思うが間違いであろうが。」」
    (P64)

    「一瞬、なんともいえない寂寞(じゃくまく)の気が漲った。人のいない天地の静かさよりも、人中の空気にふと湧いた寂寞のほうが不気味な霊魂を含んでいた。」(P131)

    「めいめいが、一つずつ杯を持って、好む程度に、それを愛し合っていた。」(P157)

  • 待っていましたの第四巻。

    三巻と同様、本阿弥光悦に誘われ、
    美しい世界でしばしの休暇を味わった後、
    宿敵吉岡一門との死闘に臨む武蔵。
    いよいよ宮本武蔵と言えば!のアレが登場する!

    そしてついに読者も待ち望んでいたであろう、
    すれ違いを続けてきたお通との再開。
    強さを追い求めてきた武蔵だったが、
    彼女もまた別の道で強さを追っていた。

    一方、彼らと比べると光と影のような又八と朱美。
    又八は自業自得だが、朱美は気の毒である。
    お通と比べて彼女には何が足りなかったのだろう。
    運が悪かったのか。それとも弱かったからなのか。
    もしも舞台、もしくは執筆時期が現代だったならば、
    武蔵と又八、お通と朱美の運命はどう変わっていたのだろうか。

  • 今の所、この4巻が一番好き。はらはら、どきどき、ほんわか、色々な気持ちを味わえた。
    そして少し泣いた。
    2014/8/17

  • 修羅場に二刀流の動。
    茶の作法のようなおもてなしの静。
    人間味を感じる描写。
    直ぐに次が読みたくなる。

  • 早くよめばよかった

  • 本作の見せ場の一つでもある吉岡一門との決闘。
    そこに至るまでの緩やかだが次第に増す緊迫感、怒涛の決闘シーン。
    加えて本巻あたりで登場人物に更なる深みと輪郭が与えられる。
    それにしてもここまでは小次郎は何処か子供っぽく描かれている、バガボンドのドラスティックな設定も頭の片隅には残っていることもあり、やはりこの男の行方も気になる。
    結局のところ、兎に角面白いということですな。

  • 宮本武蔵第4段。 さらに磨きをかけていく武蔵の心と技。 これまで以上描かれる死闘の数々。実戦の前に始まる心理戦。その奥底の一念は実に興味深い。戦いの中で進化を続ける武蔵。二刀流の原点ここにありか。 本巻は動の巻ではあるだろうが、その中で描かれる静も興味深い。動乱の中で見つめる「生命」、「愛」、「心の暇」。 今回の第一の印象は吉野大夫。ここにも、異なる道で真理を悟る賢者がいる。 「生きている間の花は咲かせても、死してから後まで、この牡丹の薪ぐらいな真価を持っている人間がどれほどありましょうか?」

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